先日、サカナクションの
6年ぶりのオリジナルアルバムが出ました。

  834.194

今回は渾身の2枚組。
前作の完成度が相当高かったので
あれを超えるのは難しいんじゃないかと
勝手に心配してましたが
いやいや、今度もとんでもない傑作でした。

タイトルの数字は、
札幌のスタジオと東京のスタジオを
直線で結んだ距離なのだとか。

Disc1は“35 38 52 9000 / 139 41 39 3000”
Disc2は“43 03 18 9000 / 141 19 17 5000”
とそれぞれ長い名前が付いてるんだけど
東京と札幌のどこかの地点を表してると
(多分)思うので、スタジオの場所なのかな。

てことで、Disc1が「東京盤」
Disc2は「札幌盤」になるんだけど
東京盤の方には「新宝島」を代表とする
キャッチーな曲たちが、
札幌盤は「グッドバイ」から始まる
このバンドの本質的な部分を表す曲たちが
それぞれ収録されています。

何年か前のライブのMCで、一郎くんが
“わかりやすいものと、
難しいけど美しいものの間に立って
(線を引いて、そこを跨ぐようなポーズで)
バランスを取りながら両方を往き来する、
そういう音楽を作って行きたい”
(↑ニュアンスは違うかもだけど、
そんな内容の話だったと思う)ってことを
語ってくれたんだけど
今回のアルバムはそれが見事に
形になっていると思いました。

Disc1は作為的、Disc2は無作為的、
(↑これも最近、一郎くんがインタビューで
使ってた表現なんだけど)
そういう分け方も出来るかも。

6年の間に出されたシングルの曲たちも
「東京盤」と「札幌盤」のキャストとして
アルバムの中にしっくり収まってることに
また驚きを感じます。
さすがだなあ。

「東京盤」の極限までの振り切れっぷりも
すごく楽しいけど (新曲「モス」最高!)
個人的にはやっぱり「札幌盤」が好き。
「茶柱」〜「ワンダーランド」の流れは
何百回聴いても飽きないな(笑)

発売日が延期になってしまって
結局、6.1chアリーナツアーは
アルバム引っ提げツアーではなく
先行披露ツアーになってしまったけど(笑)
アルバムの中の新曲たちも
ライブの演出が頭に浮かぶから
映像付きで再生されてる感じで
すっと心に入ってきました。

こういうのも時にはいいな、と思ったり。


一郎くんが先日、今回のアルバムも
前作とほぼ同じ枚数の売上があったって
感謝のツイートをしてましたが
この6年の間に、CD全体の売上がかなり
減少してることを考えたら
なかなかすごいことですよね。

いや実際、ケースも凝ってるもん。


CD2枚と映像1枚がこんな風に収納されてます。
外箱もすごくしっかりしてる。

ライブも演出と設備にお金掛けすぎて
チケット全部売れてるのに赤字だって
一郎くんぼやいてましたが(笑)
CDのパッケージも採算取れてないのでは(^^;
でもこんなところがやっぱり
「作品として手に取りたい」って思わせるし
こだわりが感じられて素敵です。

いろんな意味で
サカナクションは今作でますます
唯一無二の存在になったんじゃないかな。

そう思わせてくれる久しぶりの新作でした。


6.1chツアーのレポは、そのうち書くかも。
いや、頑張ります(笑)