今日は舞台芸術公園のBOXシアターに鈴木忠志演出作品「AとBと一人の女」と観に行って参りました。
文内にネタばれ箇所がありますのですが、ご容赦を。
この作品は前回の上演時にも鑑賞したのですが、お気に入りの作品です。
優等生で今は文化人の“A”と劣等生で今は公務員の“B”のコンプレックスやら愛憎やらにまみれ、そんでBがグチャグチャ言ってるのに乗じて殺そうとしたのに、結果的にAが殺されちゃうって話です。
そんでまぁこの作品の素晴らしいところは何と言っても“静”と“動”です。
AがBを罵ったり講釈たれて“動”の状態にある時はBはじっと耐え“静”の状態で、逆にBが戯言や夢想などの大言を吐いている“動”状態の時はAが“静”の状態で無視を決め込んだり見下したりしてます。
私もそんな演劇を多量に観ている訳ではないのですが、この対極をここまで見事に使うのは珍しいのではないかと思います。
そもそも大半が日常の風景をちょっと大袈裟にそして多弁にって感じで作り上げるいわゆるリアリズムですかね、そういう演劇が多いですし、まぁ中にはコメディなのかコントなのかよく分からない物も多いです。
その中で観客をここまで静と動の中に引きずり込み、その雰囲気すらもまるで舞台の一部にしてしまえるのはさすが鈴木監督です。
ところで上にも書きましたが最期AがBに殺されちゃいます。
そもそもAはB無しでは生きていかれないのだから、まぁ仕方ないですね。
上の人間は踏み台がいなくなるとその意義や存在感を失いますが、下にいる人間にとって重石がなくなるのはマイナス要素がありませんので。
それにしてもこういうことが出来る方々は実に羨ましいですなぁ。
私のようなさえない中年に足を突っ込んでる人間としては何も生み出せない自分に苛立ちを感じます。
自分だって日頃感じてることやらなんやらあるのに表現出来ない一般人たる自分。
ブログに何を書いたって始まんないっすよ。
でもまぁだからって今の自分の人生には満足してますし、出来ることを粛々とやってくだけです。