以前勝間和代さんの「人生戦略策定セミナー」に行ったときにテキストに勝間さんのミッションステートメントが紹介されていました。子どもたちのため、ワークライフバランスのため、資本主義のためと、とても壮大なミッションステートメントに驚いたとともに感動した覚えがあります。今回の著作はそのミッションステートメントに向かっていくための勝間さんの考えがまとめられたものだと思います。
- 勝間和代の日本を変えよう Lifehacking Japan/勝間 和代
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いろいろなブログに紹介されていますが、この本は今までの勝間本とは一線を画するものです。いわゆる効率化や勉強法などについて述べられたものではないです。最初に書いたように、勝間和代さんが子どもたちのため、ワークライフバランスのため、資本主義の今後のためのことを、どのように考えているかが西原理恵子さん、雨宮処凛さんとの対談などを通して書かれています。
まずは目次です。
第1章 若い人が暗い国
I 職場の憂鬱
II 3つの変化
III 若者たちを明るくしよう
第2章 西原理恵子さんと、最強ワーキングマザー対談
第3章 女性が埋める、働ける国へ、
第4章 雨宮処凛さんと、脱・ワーキングプア対談
第5章 NYで考えたポスト資本主義
勝間和代の日本を変えよう 15の提言
私が特に興味深かったのは第4章です。貧困問題は私のような公務員にとって大切な課題です。正直言って、私もワーキングプアについての認識は、当事者の努力・根性不足にあるという認識がすべてではないですが、大きかったです。しかし、今回この対談を読み、考え方を改めさせられました。社会の仕組みが作っている部分が多いのですね。
そういえば、私は大学時代社会福祉を専攻しましたが、こんなことを言っていた教授がいました。
「貧困は資本主義社会の構造的欠陥である」と。
当時は、あまり共感できない言葉でしたが、今ではよくわかります。自分の力だけではなかなか抜け出せない貧困問題が、ワーキングプアにつながっているのですね。
この対談の中では公務員と生活保護についても語られていますが、生活保護にたずさわる職員(「ケースワーカー」と言います)は直接的に貧困問題に向き合っているにもかかわらず、このように貧困に対して理解している人は少ないと思われます。理由にはいろいろありますが、専門性の欠如が一番の問題だと私には思われます。昨日まで土木で作業していた人や人事の仕事をしていた人が4月1日から生活保護の現場に異動させられるのが公務員の常識です。もちろん異動後に研修は行うわけですが、このようなやり方では職員の専門性が育つわけがないですよね。勉強しろといっても公務員は時間内しか働かずに家で勉強する人なんで稀有な存在です。貧困問題に社会の代表として関わる大きな大きな一端を担っている生活保護の現場の職員にこそこの本を読ませたいと強く感じました。まずは貧困問題について正しい意識、認識を持つことからですから。
ただこの本の生活保護について述べられているところで、現実と違うなと思ったところを一点。生活保護がなかなか受け入れられない理由として、公務員のノルマ、評価基準について書かれていますが、現場のケースワーカーの認識はちょっと違うのではないかと思います。公務員の一般職員の評価基準などあってないようなものです。だからみんなそんな評価は気にしていません。
生活保護がおさえられる理由として私が考えることは二つあります。ひとつは先ほどのべた職員の間違った意識・認識によるものです。がんばればどうにかなるから頑張れと。もう一つは不正受給者の多さです。現場の職員の話を聞いているとこの不正受給者が本当に多いようです。現場の職員だって悪気があるわけではない。できれば支給して助けてあげたいわけですが、面倒くさい手続きを経てやっと支給したのに、賭博で使い果たしてしまったり、障害者と言っていたのに実はうそだったりとそんな現実を目にするうちにどうしても厳しくなってしまうようです。もちろん全ての人では無いですよ。ただ確実に存在するんです。
と、ちょっと余談が過ぎましたが、この「勝間和代の日本を変えよう」は今までの勝間本とは一味違った切れ口で非常に楽しく読むことができました。久々にフォトリーせずに通読しました。
皆さんもぜひいかがでしょうか。おすすめです。