現行の教育課程において,高校生の文理選択(だいたい2年次からかな)は大学での4年間まで影響するわりかし大きなイベントであると思われます.
いきなり本題ですが文系とか理系ってそもそも何なのよ??どういう分け方してんのよ??ってお話です.大学生以上であれば当然答えられるだろうし私なんかが偉そうに書くなと言われちゃいそうですが,中高生の人達にとってはよく考えてみれば意外と答えられない人が多いんじゃないでしょうか.せいぜい
理系は数学と理科があって,文系はない
くらいの認識なのではないでしょうか.もちろん
この認識は完全に間違いです.ですので日本における文系と理系の違いを出来るだけ簡単に(ときに曖昧に)説明しようという主題です.
さて,まず最初にこれを言っておかないといけないんですが,文系とか理系とかいう考えをまず全部捨てて下さい.「文系」だの「理系」だのっていうものが元々存在しているかのように扱うのをまず辞めましょう.
さて,話は飛びますが少なくともこれを見ている高校生の皆さんは大学に行きたいと思っていますよね.では大学で何を学びたいですか?何も学びたくないけど取り敢えず大卒の身分が欲しいと言う人は大学に行かなくていいですよ.経営難でどんなバカでも取り敢えず授業料払ってくれる人募集中の大学意外の真っ当な大学もそういう人には来てほしくありませんから.
あまり説教臭くなっても本意でないので,話を進めましょう.じゃあ大学で学びたいものが決まっている人(決まっていない人は,取り敢えず入ってから決めると言うのも良いでしょう)は何を学びたいでしょうか.
数学,文学,哲学,社会学,経済学,心理学,歴史学,...
たくさん学問ってありますよね.個々の学問が乱立していてもごちゃごちゃしてて困ります.そこで,ある程度ジャンル分けしようというわけです.音楽もロックだのHIPHOPだのクラシックだのジャンル分けしますよね.同じです.現在学問分野と言われれば大きく分けて次の3つを指します.それぞれを非常に大雑把に説明しますね.
①人文科学(humanities)人間そのものを興味の対象とする学問分野です.例えば
思想だとかものを深く考えるということは人間しかしません.つまり
哲学は人文科学の範疇に入ります.宗教も人間特有のものですよね.なので
宗教学も(宗教社会学というのが正しいので正確には次の社会科学に入れる方が良いのでしょうがまぁ大目に見て下さい)この範疇です.あとは
文学も人間特有のものですよね.
②社会科学(social science)人文科学と分けて説明するのが難しいのですが,人間が多く集まるとそこにはコミュニティが出来ます.最小のコミュニティは家庭です.そこから順次規模が大きくなっていって村,街,県,国みたいに拡大していきます.そうするとそこには色んなルールや決め事が出来てきます.例えば政治が行われ,法が制定されるようになるでしょうし,誰が見ても共通な価値を認識するために貨幣が登場するでしょう.こんな風に
人間が作る社会の仕組みを興味の対象として科学的に研究しよう,というのが社会科学です.例としては
経済学,政治学,法学などです.
③自然科学(natural science)人間も含めて自然一般の法則を興味の対象とする学問領域です.これは一番イメージしやすいのではないでしょうか.
物理学や
生物学などはこの自然科学ですね.
そしてもちろんこれらの各領域にクロスオーバーしている学問もたくさんあります.
地域研究や
都市工学とかは(もちろん他にもたくさんありますが)これら3つの領域の知識をフル活用しなければなりません.このように幾つかの専門分野の知識を統合的に用いて研究を進める学問を
学際的であると言います.「際」は「きわ」という意味で英語で言うとinterです.瀬戸際の際って漢字ですね.
だいたい大きく学問領域を分けると以上のようになります.そして,人文科学と社会科学に属するものを
文系,自然科学に属するものを
理系と日本では呼んでいるわけです.
さて,お気づきでしょうがこれら3つの学問領域の違いは一言で言うと
興味のある対象が違うだけ
ですよね.つまり文系だろうがその研究対象を調べる方法として数学を使うなんていうのは当たり前なわけです.ですから少なくともこれを読んだ人は「私数学嫌いだから文系だわぁ」とか「英語出来ないから理系だわぁ」とか意味不明な決め方をしないで下さい.あくまで「あなたは何に興味がありますか?」ということ.それを研究する手段として数学や英語からは決して逃れられません.
長々と書いてしまいましたが文理選択などで迷っている人に些細な動機付けを与えられたら幸せです.興味の対象が決まったら,それに向かって,頑張ってくださいね.