エレキのシャフトカットと保証。
先月、X5のマグネット剥離について記載していましたが
補足として保証についても記載しておきますね。
モーターガイドの正規品をご購入されたお客さんはお手元にあると思いますが
こちらが正規販売されたモーターガイドの保証書です。
と、その前にエレキのシャフトカットについて。
理由は多々ありますが弊社は未だにXシリーズのシャフトカット加工を行っていません。
理由の1つとして保証の事があります。
Xシリーズはツアーと違いシャフトが樹脂製なので機械加工機が無くても比較的誰にでも簡単に加工できます。
だからこそ精度に拘り理想は純正(量産)よりもさらに良くする、と考えてます。
X5が発売されて3年が経ちました。
発売当初に購入されたユーザーさんはモーターガイドの保証・免責修理の期間(2年)が過ぎています。
保証が失効してしまえば加工していても、していなくても故障した場合は有償修理になります。
すでに保障期間が過ぎてきたXシリーズのエレキが多くなり始めたと思いますので
そろそろシャフトカットについて加工屋さんと話を進めて行きたいと考えています。
ではなぜ今まで加工をお受けしていなかったか?
それは免責保証の期間と関係していました。
シャフトカットがブームになった頃、ツアーは既に市場に出回っていたので
保証が切れていた物も多く弊社もシャフトカットを行いました。
もともとツアーは42インチシャフトが基本だったのでシャフトを切らなければレンタルでは使えなかったのも要因です。
しかし今では36インチシャフトがあるのにまるで
「シャフトカットしないとレンタルボートでは使えない」
くらいのイメージが先行してしまっているようで
購入されたユーザーさんは実際に使用し、ご自身にとっての使い勝手を確認せずにシャフトカットを希望されているように思います。
必要かどうかは千差万別、イメージ(思い込み)だけで判断するのは良くない事と思います。
まずはノーマルで使用してみる事、そこから判断基準が作れます。
Xシリーズのシャフトカットのお問い合わせを多く頂いていますが
「シャフトカット出来ますよ。」
そのように宣伝してしまえばシャフトカットのご依頼を頂けるかも知れません。
しかしご依頼されたと同時に、4の規定により保障も切れてしまいます。
人は「欲しい(加工したい)」と思ってしまうと自身にとって本当に必要かどうか
客観的に判断が行えず気持ちが先行し、どうしても欲しくなってしまいます。
その時にリスクをご説明しても欲しいと言う気持ちが勝りリスク回避については薄れてしまいます。
自らの経験を踏まえてもそうです。
ゆえにユーザーさんとしてはリスクをあまり認識せずに加工に踏み切ってしまうと考えています。
なので加工を行っていませんでした。
施工を行う販売店によっては正規と同等の保証をしてくれるかも知れませんが
基本は4の規定になります。
平行品のエレキについては保証があるかどうか分かりません。
弊社でエレキをご購入して頂いたお客様にシャフトカットのご相談を頂いた時のご説明は
「万が一の事を踏まえ保証が切れるまで加工はしない方が良いですし、
どうしてもって事でしたらせめて1年はそのままで使ってください。」とご説明しています。
Xシリーズは昔のツアーと違いレンタルでも十分使える36インチの設定がありますからね。
または2年くらいでのメンテナンスのタイミングではどうでしょうか?ともご説明しています。
シャフトカットは車の積み込みや保管場所、セッティングの利便性などなど...
ユーザーさんの使用環境によってはメリットになる事もあると思います。
時折耳にするのが「シャフトカットするとキャストしやすくて速くなるらしい」と。
人それぞれのタックル量、体重など環境が違うのに
速くする為の細かいセッティングまで教えてくれるのでしょうか?
ユーザーさんの希望を叶える。
それは大切な事だと思いますがルアーなどと違い機械は故障することも考慮しなければなりません。
今までも症状は違えど同じような事例や今回のマグネット剥離も含め
故障は誰にでも起きてしまう可能性はあり、
現実に改造による保障対象外の高額修理は起こっています。
ただでさえレンタルボートと言う過酷な環境下で使用する為、機械である以上故障はします。
だからこそ余計な事を施し、余計な出費になるような修理費用は極力発生しないように故障リスクを軽減する事も大切です。
せっかく正規代理店が保証をしてくれているのに無駄に失ってしまうのは購入したユーザーにとって、
とてももったいないと思います。
正規品のエレキを購入した場合2年間、万が一高額修理になった時に修理費を軽減できるとても有難い保証です。
ただし、免責保証であればなんでも修理してもらえると言うとものでもなく
高価な物であるかこそユーザーさんにとっても販売元にとっても修理はフェアでなければならないと思っています。
だからこそ修理屋として常に中立の立場で診断することが大切と考えます。
総合的に判断し、ユーザーさんにも納得して頂いたり、時には代理店に相談をさせてただく事もあります。
すべては一過性の物では無く、継続的により良い環境でのボートフィッシングライフのために。
シャフトカットなどの加工はお金をかけて保証を失うほど本当に必要ですか?
起こるかもしれないリスクとご自身にとって必要な加工かを良く検討し
加工する事が「保証よりも必要」と判断できるのであれば加工を行っても良いと思っています。
加工にしても高額な物を購入するとしても
『保証』は確認してくださいね。
保証とは保険のようなもの。
もしもの時のために。