古今東西、バブルは様々な資産で起こってきたわけですが、その共通点から普遍的な理論を探ろうという一般書です。専門的な内容も含まれていますが、ほかの本も参照しながら読みたいところは一通り読みました。個人的には、文章ではなく数式で説明してくれた方がわかりやすいなと感じることもあったので、もう少し専門書よりのものも手に取ってもいいのかもしれません。
学びがあると思った箇所はいくつかあるのですが、特に「バブルが起こような欠陥のある構造」が歴史的に繰り返されることです。年末くらいから、バブルについて調べています。最初はバブルを予測したり、今がバブルかどうかを判断する方法に注目して調べていました。文献を読んでいくうちに、バブルが起こりうる社会的な構造に注目するようになりました。
第三章で低金利に着目する部分があります。これは結構いろいろなところでも似たようなことは議論されているので詳細は省きますが、単に低金利がバブルを招くのではなく、利子率が成長率を長期間上回るとバブルが起こりやすくなるというのはこの本で初めて読みました。この考えはオーストリア学派の経済学に少し近いものがあると感じました。マンキューや伊藤元重から入ったので、こういった言葉による理論の説明は読みごたえがあって面白いです。
経済学史の文献などを見てみると、主流派の経済学が常に正しいというわけではなく、ハイエクなどの思想も取り入れつつ経済学が成長していったことがわかります。MMTのような比較的新しい理論も検証されながら確からしそうな理論を積み上げていくと思うと、経済学はまだわかっていないことが多くて面白いと思います。私は物理に近い分野をやっていたので、特に古典的な部分はもう一通り調べられていて、ミクロな概念などの革新的な発見でさえプランクとかの時代ですからね。経済学は実験室が社会全体で、人々の心理が影響するとなると検証が難しいのもあるのでしょう。
もうひとつ面白いというか、今までなんとなく見逃していたことに「資産の流動性の違いによるバブルの起こりやすさの差異」です。この本はまた参照にする機会がありそうなので、またその時に書き足します。
