MAカテゴリの記事は「その1」とかだと分かりづらいので副題を付けました。

あと、何かしらサムネがあったほうがいいかなぁと思ったので、画像使いまわしですがMA観劇時の看板を載せておきます。笑

 

 

ということで、今回は、その3です。

ミュージカルナンバーについて書いていこうと思います。

 

長くなりそうなので、今回はひとまず、主に1幕について。

……と言いつつ、2幕のリプライズとか、新旧で歌う場面が変わったものもあるので、ざっくりと。笑

「これ2幕じゃん!」みたいなのも混じってますが、話題性でまとめていきますのでよろしくどうぞ。

 

 

過去記事や、この企画の経緯は「MA」のカテゴリでソートしていただければ幸いです。

副題付け直したので、今回は改めてリンクを貼っておきますね。

 

 

プロローグ

経緯やまえがきなど

 

 

その1

登場人物のカットと人物像の違い、MAの意義について

 

 

その2

フェルセン、マルグリットの新旧演出での違いについて

 

 

 

 

では早速。

 

前々から主張していますが、私はマルグリットのナンバーが大好きです。

劇場で初めて観劇した際もマルグリットに涙しました。

 

新旧でタイトルも共通している代表曲が、「100万のキャンドル」です。

 

新旧演出、雰囲気は同じなのですが、ちょっとずつ違います。

終わり方に関しては、全然違うんですよね。

旧演出だと、最後は儚く……嘆くようにしぼんでいくイメージ。
思うに、このときはまだマルグリットが憎しみ100%じゃなかったからかな。

 

その2で触れたように、マルグリットの心の変化によって楽曲も変化したのかなと思います。
 

新演出だと「ゆるさーなーいー!」という強い叫びで終わります。

しかも、その最後のパートは民衆も一緒に声を揃えて歌っている。

これって、もう一つのビッグナンバーである「もう許さない」の伏線か序章のようにも思えるんです。



そんな「もう許さない」は、旧演出だと「心の声」というタイトルです。

こちらも曲の大筋というか雰囲気に大きな差はありません。

けれど、タイトルも変わり、歌詞も変わり、歌唱法も変わっています。

 

旧演出の「心の声」で新妻マルグリットも笹本マルグリットも裏声だったラストが、新演出の「もう許さない」では昆マルグリットもソニンマルグリットも地声。

しかも、さらに高い。
 

とにかくエネルギーがすごいんです。

や、「心の声」もだいぶすごいんですよ。

でも、「もう許さない」はそれ以上で、マルグリットの叫びが限界にきてたのかなぁと。

 

DVD観てていつも思うのですが、ソニンマルグリットがこの曲歌い出すとき、めちゃくちゃ震えてるじゃないですか。

あれこそ、限界に達して思いを溢れさせようとしていたんじゃないのかって。


「もう許さない」大サビの「がまんなどしーなー↑いー」が地声のままで上がってる新演出。

これだけでも、本当に昆マルグリットとソニンマルグリットの力量というかエネルギーがとんでもないってことが分かります。

「心の声」じゃなくて「もう許さない」ってタイトルになってる時点で溢れてるんですよね。
旧演出は心の中で悶々としている様が濃くて、新演出は民衆みんなでぶちまけている様が濃い。

 

このナンバーだけで長々と語ってしまいましたが、マルグリットの人物像と心の変化が変わったからこその変化が、ここに大きく出たのかな、なんてことを、劇場でもDVD観ててもぼろぼろ泣いてしまう私なんかは思ったわけです。


そうそう、少し話は逸れますが……

旧演出と新演出で役を変えてどちらも出演されている笹本玲奈さん。

旧演出のマルグリットではエネルギー全開だったけども、新演出のマリーでは母性が強かったんですよね。
実際に母親になられた後の公演だから、より母性が溢れていたのかな。
マルグリットからマリーまでできるって本当に凄いです!

 


 

マルグリットのナンバー話で長くなりましたが、他の人物が歌うナンバーについても触れていきます。

マリーとフェルセンのデュエット、旧演出での「すべてはあなたに」が、新演出では「あなたに続く道」になりました。

 

歌詞はもちろん違うのですが、最後のほうで

「あなーたー」

「あなた」

「「だーけーにー」」

と、ずらしてからハマる新演出が私はめっちゃ好きなんです。

 

あと、旧演出だと最後は

「「道をーーーーーー(上がる)」」

と、歌い上げるんですよね。

新演出だと、

「道をーーーをーーーーー(上がる)をーーーーー↓→(ちょい下がって元に戻る)

と、母音を伸ばして終わります。

作曲者であるリーヴァイさんのインタビューだった気がしますが、

「2人のデュエットにマイナー調のものが多いのは、2人は最終的に結ばれないから」

というお話があったと思います。

これ、最後を下げたのもそういう理由なのかしら……。

どんどん想像が膨らみますね。

 

この曲が最初に出てくる位置も違うんですよね。

旧演出「すべてはあなたに」は1幕の後半。
新演出「あなたに続く道」は1幕の最初のほう。



 

続きまして、こちらも曲自体は同じですが、タイトル、歌詞、歌う人が新旧で変わったナンバー。

旧演出では「流れ星のかなた」、新演出では「明日は幸せ」

新演出だと(リプライズも含め)、ルイ、マリー、子供たち、ランバルたちが歌い、最終的には2幕でマルグリットもマリーと一緒に歌い、腹違いの姉妹というくだりに。

そのため、マリーとマルグリットを繋ぐ歌、という印象が強いです。

 

旧演出では、アニエスとマルグリットが最初に歌います。

修道院学校時代に、2人がよく歌った歌として。

2幕では、マリーの息子である皇太子が亡くなった際に、マリーが悲しげに歌います。

そう、皇太子が亡くなる描写って、新演出にはないんですよね。

そして終盤では、新演出同様、マリーとマルグリットが歌います。

新演出と比べると、腹違いの可能性をほのめかしている程度なのかな?と感じました。

観る側に解釈を委ねているような。

 

旧演出では、この曲によって「出会い」「別れ」「気付き」をそれぞれ印象付けているのかな、と思いました。



ルイとギヨタン博士の「ギロチン」

旧演出のマリーと比べて、新演出のマリーは、怖がる描写がありますね。

マリーが(良く言えば)純粋なことをそこで表しているし、ルイの「君はとても繊細なのだね」という台詞にも、それが表れています。


「神は愛して下さる」をランバルじゃなくアニエスが歌うとは。

これも、旧演出のライブ盤を聴いて驚いたポイントでした。
新旧で立場が全然違うけど、旧演出ではマルグリットを見守るアニエス、新演出ではマリーを見守るランバル、という意味で、それぞれがそれぞれを支える曲なんだな、と解釈。
 

しかも、旧演出ではマルグリットが途中で取り乱し、マルグリットも歌う。
「神こそ助けてよ」、という気持ちも込められているようです。


オルレアンの歌う「私こそふさわしい」も、新旧で曲としては同じですが、歌詞が違い、歌い方も違います。

旧演出だと、じわじわとその時を狙うオルレアン。
新演出だと、自信たっぷりに狙うオルレアン。



カリオストロの「幻の黄金を求めて」は山口祐一郎オンステージですね。
もちろん、新演出にはカリオストロ自体が存在しないので、旧演出ならではのナンバーです。

祐様じゃないと、ラストのあのとんでもないお化け声量のロングトーンはできないだろうなぁ……。
これは旧演出の魅力だと思いました。

 

 

ただ。

これは(私が)めちゃくちゃ驚いた話。

新演出版でローズとレオナールがメインで歌う「見た目が一番」の最後、ラモット婦人とロアンが首飾りの話してる場面。
1幕で最初に宝石商のベメールが、マリーへ首飾りを見せる場面。
ここに、「幻の黄金を求めて」のメロディが残ってるんです!!!
歌のない部分(台詞の場面)でも、裏でメロが残ってるわけなのです!


これ、もちろん旧演出のCD聴くまでは知らなかった曲なので、意識のしようがないんです。

だって、そもそも新演出しか観劇していなければ、聴いたことないんだもの。

でも、こうして旧演出のCDを聴いて、新演出でカットされた曲を知ったことによって、「残してたんだ!」というちょっとした感動が生まれたわけなんです。

 

やはり、こうしてはじまりを知ることって大切ですね。

今回こうして比較(考察)してみようと思ったのも、そういう気づきがあったからなんです。

だから私はMAが好きだ。

 



……ちょっと熱くなりました。

話を進めます。


こちらも旧演出のみのナンバー、ボーマルシェが狂言回しとなってカリオストロも歌い操る「七つの悪徳」

ボーマルシェが、エリザベートでいうところのルキーニみたいな感じで歌っています。

ボーマルシェは山路さんのシングルキャストではありますが、これってWキャストだったらルキーニみたいに演者によって大きな変化が出るのかな、なんて思いました。

歌詞になってない、台詞部分の“老けた赤ずきんちゃん”には思わず笑いました。

ロアン大司教……確かにな……。笑

 


旧演出の1幕ラストのナンバーが「なんというセレモニー」なのですが。

9分超えです。

長いから、新演出では“ヘビの歌”「ヘビを殺して」ができたのだろうか……。
というのも、

新演出での“ヘビ”=旧演出でのカリオストロ、オルレアン、ボーマルシェに代表される人々

……ということなのかな、と私は思いました。


ということで1幕ラストについて。

旧演出1幕ラストの「なんというセレモニー」は、新演出1幕ラストの「運命の歯車」のように、

ばばーん!

という終わり方じゃないんですね。(語彙力よ)
 

最初CD聴いたとき、「え?」って実はなりました。

 

「止まらない~♪」

ばんっ!
??終わった?

 

というように。

ただ、これも視覚情報がないので、あくまでもナンバーを聴いた印象として、です。

 

一方、新演出では、途中でマルグリットの大ナンバーである「もう許さない」に着地するんです。

しかも、マルグリットだけでなく、マリーたちも全員で。

「立ち上がれ 立ち向かえ今こそ」

で、ばばーん!と終わる。(語彙力……)

 

これ、今思うと、レミゼのOne Day Moreみたいだなって。

それぞれの立場で、それぞれの運命の歯車が回っている。

やはり、1幕ラストって凄く印象に残りますね。

観劇した当時も、余韻が凄くてすぐに席立てなかった記憶があります。

 

 

 

さて、1幕メインで駆け抜けてきましたが、やはりナンバーについては気づきが本当に多かったです。

他にも、新演出でマルグリットが歌う「オーストリア女」をマルグリットではなくボーマルシェが歌う旧演出とか。

変化を挙げたら、ほとんど!って感じですね。

 

 

そして、これはマリー像が新旧で異なるからかなと思ったのですが、新演出での「輝ける王妃」のように、それこそ

「最高のシルクリボンレース♪」
みたいな心躍る曲が新演出で生まれたのかなと思いました。

旧演出だと、マリーにそういうイメージが(新演出ほどは)なくて。


冒頭のダンスシーンも、踊っている客たちは旧演出だとマリーに冷ややかですが、新演出だとマリーに温かいような気がします。

 

これも、マリーの印象を大きく変えた影響(というか要素)だと思います。

 

 

 

さて、2幕では新演出のMAファンならみんな大好きであろう(と私は思っている)「憎しみの瞳」なども出てきます。

次の記事では、主に2幕のナンバーについて色々書いていきたいな。

 

長くなりましたが、いつもありがとうございます。

まだまだ続きます。笑

 

 

 

☆続きは以下にあります