今回は珍しく洋画の紹介。
まぁコレを紹介するのは当然で、今まで何で紹介してなかったのか?って感じだけど(笑)
※ネタバレ等含みます。
2001年公開の映画
【ROCK STAR(ロック・スター)】
Stephen Herk監督による、Mark Wahlberg主演、ヒロインの恋人役にJennifer Anistonを迎えての映画になる。
この映画は日本公開が期間限定の2週間か3週間だったと思うが、その為、一般の人は知る人は少ないと思うが、HR/HM好きには有名作品になる。
Judas PriestからRob Halfordが脱退した後、無名バンドから加入したTim 'Ripper' Owensのサクセスストリーとして製作される予定で、最初は「Metal God」とタイトルだったけど、「Metal God」はRobの愛称だった事もあったり、映画の内容にJudas Priest側が納得しなかった等々があり、関係を断って大まかな設定はそのままに製作された映画になる。
内容はロック界のカリスマバンド、「STEEL DRAGON」。 そのSTEEL DRAGONを服装から髪型まで真似し、曲も忠実にカバーするバンド「Blood Pollution」のヴォーカルをMark演じる、Chris Coleがやっていて、バンド内で揉め、バンドをクビにされされる。
そんな時にChrisの元に1本の電話が来る。 相手はSTEEL DRAGONのリーダーKirkからだった。
ここから物語は大きく展開する。
ってな話(笑)
監督とキャスティング・デレクターは何百人もの俳優やミュージシャンに会ったそうだ。
本物のバンドらしさと自然な演技のセンスや才能を見付けだす事に拘ったそうだ。
そして、STEEL DRAGONにはギターにBlack Label SocietyのZakk Wylde、ベースにDOKKEN、DIOのJeff Pilson、ドラムにはLed Zeppelinの故John Bonhamの息子Jason Bonham。
Chris率いるSTEEL DRAGONのカヴァーバンド、Blood Pollutionにはギターに先日Black Label Societyを脱退したNick Catanese、ベースにVerve PipeのBrian Vander Ark、ドラムにSlaughterのBlas Elias。
Black Pollutionに対立するバンド、Black BabylonのヴォーカルにはThird Eye BlindのStephan Jenkinsが演じている。
劇中のChrisの歌声は演じるMarkとは別人だが、映画本編最後の方には当時ほぼ無名だが、今ではSlashのバンドやALTER BRIDGEのフロントマン、Myles Kennedyが出演しており、自身の声で歌ってたりしてる(笑)
劇中にはリアリティを出す為に、各ミュージシャンの提案で、自身のスタッフやローディも数多く出演している。
当時のZakkの専属ギター・テックのFladdyも出演している。
80年代を舞台としており、当時のウェーブの掛かった長髪に化粧、刺繍の入ったレザージャケットにピチピチのレザーパンツと言うルックスはかなり大変だったらしい(笑)
俳優はミュージシャンに、ミュージシャンは俳優になるってのをお互いに楽しんだ撮影だったそうだ。
これは今でも大事に取ってある映画のパンフのキャストプロフィールのページだが、俳優とミュージシャンと名前が並んでいる(笑)
劇中でのSTEEL DRAGONのアリーナライブのシーンは実際にスポーツスタジアムを借り、ステージセットを組んで、本当にライブを開催したそうだ。
客も1万1千人。
途中で帰ったり飽きさせない為に、チケット代を5ドル取る事にして、値段以上楽しもうとする人間心理を利用したり、STEEL DRAGONの他、前座に2組のバンド、別に80年代バンドを2組を用意し、客席最前列200人はサクラとして盛り上がって貰って、本当のライブを撮影したらしい。
ヒロインのJenniferはかなり興奮したそうだ。
ステージ上で撮影の合間、Zakkはギターを弾き過ぎて監督に注意されてたって話もある(笑)
Black Pollutionのライブは使われなくなった精油所を使って、80年代の雰囲気を出したそうだ。
ここでは、Markの声も使って、音源の声とミックスしてるそうだ。
さて、この映画の凄い所はそれだけでは無く、楽曲も映画用に用意されている。
勿論、存続のKISSやAC/DC、BON JOVI、TED NUGENT、MOTLEY CRUE、Def Leppard等々の曲も使われているが、STEEL DRAGONの楽曲にはSammy Hagarが書き下ろした「STAND UP」、「LIVIN' THE LIFE」はPeter Beckett & Steve Plunkett、「Blood Pollution」はMarlyn MansonのTwiggy Ramirezと錚々たるミュージシャンによるオリジナル。
出演してるBrian Vander Arkも自身のバンドVerve Pipeとしてバラードを2曲提供している。
Zakk Wyldeも元々は、1997年だったかな? Guns n' Rosesから誘いを受けていた事があり、曲作りをしていたが、Axl Roseから返事が無く、同時にOZZYからツアーメンバーに誘われるが、どっち付かずでOZZYからは「別のギタリストを探す」と言われ、Guns側の話もポシゃった(笑)
それでBlack Label Societyを作る事になるんだけど、その時Guns用に作った曲があり、1曲はZakk自身が完成させて、Black Label Societyのアルバムに使われたが、Gunsのメンバーである、ベースのDuff McKaganと一緒に作ってた曲があり、それを監督が使いたいと申し出て、「映画にも出演しないか?」と誘われたのが切っ掛けになり、Zakkは迷ったが、奥さんにケツを叩かれて出演に至ったそうだ(笑)
通常なら、こう言った楽曲はオリジナルのまま使用されがちだが、「ROCK STAR」では、STEEL DRAGONとして、つまり、Zakk Wylde、Jeff Pilson、Jason Bonhamが楽曲を自分達流にアレンジしている。
当初、ZakkとJasonが音楽的な志向の意見の食い違いで、意見が合わなかったが、Jeffが意見を纏めたり、各自を宥めたりして仲を取り持って、ZakkとJasonは仲良くなったらしい(笑)
そんなSTEEL DRAGONの曲も全てでは無いが、収録されているのがこのサウンドトラックになる。
【ROCK STAR Music From The Motion Picture】
アーティスト - 曲目
1.EVERCLEAR - ROCK STAR
2.STEEL DRAGON - LIVIN' THE LIFE
3.MOTLEY CRUE - WILD SIDE
4.STEEL DRAGON - WE ALL DIE YOUNG
5.STEEL DRAGON - BLOOD POLLUTION
6.BON JOVI - LIVIN' ON A PRAYER
7.STEEL DRAGON - STAND UP
8.TED NUGENT - STRANGLEHOLD
9.STEEL DRAGON - WASTED GENERATION
10.KISS - LICK IT UP
11.STEEL DRAGON - LONG LIVE ROCK AND ROLL
12.INXS - DEVIL INSIDE
13.THE VERVE PIPE - COLORFUL
14.TREVOR RABIN - GOTTA HAVE IT
劇中でもっと使われた80年代のバンドの楽曲はバンド本人の了承やレコード会社等々様々な制約で使いたくても使えなかったものや、このサントラに収録出来なかったものもある。
STEEL DRAGONの楽曲も、ここに収録されてない楽曲は実際に映画同様に作られたSTEEL DRAGON名義のレコードにてサントラ収録の楽曲と共に収録されてる見たいだが、一般発売はされてない。
Zakk提供の「Crown Of Falsehood」がじっくり聴けないのは残念だ。
しかしながら、言った様にZakk、Jeff、JasonによるSTEEL DRAGONの楽曲は素晴らしい。 80年代が舞台だから、その雰囲気を醸し出してるもののサウンドは現代的で、Zakk のギターは吠えてる(笑)
Black Label SocietyともOZZYとも違った感じのZakkのプレイが聴けるのは良い。
レコーディングにはNickも参加している。
STEEL DRAGONでヴォーカルをしているのは、SteelhartのMike MatjevicとYngwie Malmsteenの1st、2ndに参加したJeff Scott Sato。
11曲目の「LONG LIVE ROCK AND ROLL」はRainbowのカヴァー。
誰だったか忘れたけど、何かのバンド雑誌でこのサントラをインタビュー内で挙げてたのを見たな(笑)
さてさて、俺はZakk信者なので(笑)、ここからは劇中で使われたギターを取り上げてみる。
「ROCK STAR」でZakk演じるGhodが使うギターは2本。
まずはコレ。
【D'Haitre Wood Works Andy Beech “Demon”】
Zakkファンなら知っての通り、OZZY時代にGibson意外に使ってたLes Paulをヘンテコな形に、ヘッドがV(DEAN風)っぽい形をしたギターのメーカー、D'Haitre Wood WorksのAndy Beechによるカスタムメイドのギター、当時はそのギターを「The Glory」ってZakkは呼んでたけどね。
このギターもD'Haitre Wood WorksのAndy Beechによる製作で「Demon」と名の通り、ボディに悪魔を模したギターになる。
詳しい仕様は分からないが、ボディはマホガニーだろうか? ネックはメイプル(マホガニーかも知れない)でZakk仕様のオイルフィニッシュ、指板はエボニーで、ジョイントはセットネック。ネックにはバインディングが付けられている。
PUは勿論、EMG。
もう1本はコレ。
【Gibson Flying V】
通常のGibsonのFlying Vにメタルプレートでボディを被ったカスタムギターになる。
メタルプレートはボディのトップだけじゃなく、サイド、バック、ボディ全部に付けられてある。
メタルプレートが付けられ、それに合わせてコントロール類もメタルノブになっているが、それ以外はオリジナルのまま。
PUもEMGでは無い。
現在ではZakkは自身のモデルで、Flying V CustomやZV、ModernやGraveyard Discipleを弾いてるが、2001年当時ではZakkがLes Paul以外を弾くってのはかなり珍しく、新鮮だった(笑)
それだけで映画を見る価値があったと言うもの。
劇中で使われるペダル・エフェクターも全て含めて2001年時Zakk Wyldeの不変不動のセッティングになっていた、
・Jim Dunlop JH-1 Jimi Hendrix Wah
・Jim Dunlop JD-4S Rotovibe
・Boss SD-1 Super Overdrive
・Boss CE-5 Chosus Ensemble
となっている。
この「ROCK STAR」と言う作品、期間限定公開や題材が80年代のHR/HMと言う事もあり、B旧映画感は拭えないが、サントラは定期的に聴きたくなるし、本編も忘れた頃に見たくなる(笑)
HR/HM好きには名作と言える。
っと思う(笑)
Zakk Wyldeはこの映画の出演が切っ掛けで、Black Label Societyの2nd「Stromger Than Death」収録の「COUNTERFEIT GOD」と言う、Black Label Societyの中では最もヘヴィなドロップGチューニングの曲だが、この曲のPVに映画の主役であるMarkに出演してベースを弾いて貰ってる(笑)
映画と同じくウェーブの掛かったカツラを付けてる為に、言われなきゃMarkと分からないが(爆)
そして、Zakkはこの映画の撮影の為に毎日髭を反らなきゃいけなかったそうで、その反動もあってか、髭を伸ばし始めたのは言うまでもない(笑)
Black Label Societyの「ALCHOL FUELED FxCKIN BREWTALITY LIVE」と言うライブアルバムのジャケの数々のツアー写真にZakkの髭が徐々に伸びているのが確認出来たりする(爆)
劇中のZakkの両腕のタトゥーはボディペイントで、2000年のインタビュー記事や2001年の来日の際だったか、まだボディペイントが落ち切ってなかったのを何か覚えてる
一般の人にはお薦め出来る映画とは決して言えないが、この映画でのJennifer Anistonは美人で可愛過ぎる(笑)
「フレンズ」はあまり見た事無いが、「フレンズ」よりも可愛いので、好きな人にはお薦めする(笑)