2024.05.20 TOHOシネマズにて
劇場公開日:2024年5月17日




白石和彌監督と、脚本:加藤正人さんコンビが、草なぎ剛さん主演に
碁打ちの世界を物語の中心にすえて、草なぎさん扮する誇り高く、
融通の利かなさを見せながらも、町の人に慕われる格之進の生活を前半に描き、
最後は武士の誇りをかけて復讐に臨む姿を描いた時代劇。

この映画面白いです。

白石和彌監督とは思えない、バイオレンス過多でもなく、四季を美しく
出しながらの、本格時代劇としても囲碁映画としても、見応え十分
な正統派時代劇であり、ラストの滑らかな流れるようなエンデングと、
素晴らしいです。



特に、美術的に背景を絵的に堂々と用いた点(富士山など)は
呆気にとられましたが、場に違和感なく面白い仕掛けでしたし、
夜の灯火がゆらめく中、夕日の縁側など、色々な場所に移り
格之進と源兵衛が、様々な趣向で楽しむ対局シーンは風情があり
美しく、今でも思い出します。



ただ、何というか、格之進のあまりにも「正しさ」を追う融通の利かさなが、
発達障害のような違和感を感じます。
まずは、自分がなくした1両を娘に弁解させて「ありがとう」という言うあたり
(自分で正直に謝らないの?)、濡れ衣だけで勝手に切腹するあたり、
そして、復讐の為に娘を犠牲にするあたり(大晦日に返せ無いのは見え見え)
時代感の違いもあるのでしょうが、もやもやしました。

ps
『死体の人』でマイブームの、奥野瑛太さんが、故郷の彦根藩からの藩士と
いう重要な役で出ていたのが嬉しい。


予告編