2024.03.26 新宿ピカデリーにて
劇場公開日:2024年2月23日



この作品は、雪山の山荘で起きた転落事故を
引き金に、死亡した夫と夫殺しの疑惑をかけ
られた妻のあいだの秘密や嘘が暴かれていく作品であり、

予告編の終わりに、映画に対するコメントの一つに
「背スジが凍る」というロゴがあるが、

まさしく見終わったあと
徐々に、この母親と息子の関係はどうなっていくのだろうと、
母を助ける優しい息子のままかもしれないが、この人生数日の
裁判の為に、非社会性のモンスターに育つ可能性もあり
背筋が寒くなる。もう、元には戻れない。

 



この映画では、夫婦ゲンカのシーンの演技・演出が素晴らしく、
(監督はユーモアのあるケンカを考えていたが、サンドラから
もっと激しいケンカにしたらと意見があったそうだ)
夫を見つめる彼女の冷たさ、セリフの旨さ
このシーンで、サンドラ・ヒュラーは主演女優に選ばれたの
だなと思った。

夫婦になると、夫は妻に、妻は夫にどちらかが強く
自分の時間を搾取されている考えるようだ、
『マエストロ その音楽と愛と』の二人もしかり。
悲しいかな、自分もそこまで強くないが納得してしまう、
それは、相手を思うからだが。
この映画には、その想いが憎しみに替わっていく怖さがある。

 



ジュスティーヌ・トリエ監督がインタビューに応じて

「女性と男性の家庭の中での役割分担は描きたかったです。
互いに共有、分担されているか、同じ権利を持っているか。

家族というものは、他者とともに社会を作る、一つの実験室の
ような働きをしていると思います。」そして、
「このカップルがこれからどうやって一緒に暮らして
いくのか? と問いかける作品です。」ともいっている。


>映画.comニュースより
「アカデミー賞5部門ノミネート! 実際の映画監督カップルが描く夫婦の崩壊スリラー ジュスティーヌ・トリエ監督インタビュー」

 

 



映画の概要を、映画.comより
https://eiga.com/movie/99295/

女性監督による史上3作目のカンヌ国際映画祭パルムドール受賞作。脚本はフラー監督と、そのパートナーであるアルチュール・アラリ。主人公サンドラ役は「さようなら、トニー・エルドマン」などで知られるドイツ出身のサンドラ・ヒュラー。第96回アカデミー賞でも作品賞、監督賞、脚本賞、主演女優賞、編集賞の5部門にノミネートされ、脚本賞を受賞した。

予告編