仙台城ガイドボランティア会「研修日記」 | 「ガイドが教える 仙台城を10倍楽しむ方法!」

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仙台城のボランティアガイドが、仙台城の魅力や伊達政宗のトリビアな話を出し惜しみせず、ボリューム満載で語り尽くしまーす。(^_^)

仙台観光をお考えの方は、旅支度の前に予習としてご一読を頂ければ、仙台城が10倍楽しめるかも。

仙台城ガイドボランティア会のブログをご覧頂きまして、ありがとうございます。m(_ _)m

 

我が仙台城ガイドボランティア会では、所属するボランティアガイドさんの知識の研磨と向上のため、定期的に研修を開催しております。

 

今回はそんな研修の一コマを紹介しましょう。(^o^)

 

5月某日に行われた研修会は、特別講師として仙台城青葉城資料館の学芸員さんをお招きしての開催となりました。普段は鍵が掛けられていて立ち入りが制限されている酉ノ門周辺と本丸周辺のレアなスポットの説明が主でした。

まずは、一行は酉ノ門の入場口へと向かいます

鍵が開けられ、ここからレアな探検の始まり、始まり

2022年3月に発生した福島県沖地震により、仙台城跡の本丸北西石垣や酉門石垣が崩落し、その他の石垣や土塀にも被害が出ました。思えば、2011年の東日本大震災の石垣崩落からようやく復旧したと思ったら、結果的にはその7年後にまたもや同じ箇所が崩れたことになります。

 

その復旧工事も2025年7月中には積み上がる見込みで、仙台七夕までには周辺道路の通行止めも解除になる見込みとのことです↓

 

では、ここからは石垣マニアの方は必見の修復中の石垣のオンパレードと参ります。

 

手前にまとめられている小ぶりの石が「裏込石」または「間詰石」といって、石垣の安定性を高め、内部の土砂が流出するのを防ぐ重要な役割を果たしているものです。石垣の目立つ巨石の影には裏方さんの裏込石の存在があるのです。

学芸員さんのお話によれば、この電柱の辺りに三階建ての櫓があったんだそうです。もし残っていたら、さぞかしインスタ映えしたことでしょう。(でも、地震の度に修復することになっていたのでは?)

こちら積み上げられた石垣ですが、ところどころにテープのようなものが貼ってあって、「正面」の文字が確認できます。こういう地道な作業の積み重ねには頭が下がります。m(_ _)m

せっかく積み上げられた石垣、どうかまた地震で崩れませんように

「この道を行けばどうなるものか、危ぶむなかれ。危ぶめば道はなし。踏み出せばその一足が道となる。迷わず行けよ、行けばわかるさ。」と思わず、アントニオ猪木引退時の座右の銘をつぶやきたくなるような険しい山道を一行は奥へ奥へと進みます。

???はて、いったいここにはなにが?

 

説明をされないとこの雑木林の行き止まりにどういうプレミア感が詰まっているのか?まったく分かりませんが、なんでもここには仙台城の「切通門(きりとおしもん)」と呼ばれる門があった場所なんだそうです。

 

少し解説を加えますと、切通し(きりどおし)とは 山や丘を深く掘り下げて、人や馬が通れるようにした人工的な谷道のことです。特に、トンネルを掘る技術が未発達だった時代に、交通の便を確保するために多く作られました。

 

単なる通路としてだけでなく、軍事的な意味合いもありまして、切通しが外部と内部を結ぶ限られた出入り口となり、天然の要害としての役割を果たし、敵の侵入を防ぐための防御施設として、切通しの途中に門が設けられることもありました。

 

 切通しは道幅が狭く、両側が切り立った崖になっているため、敵が攻め込みにくい構造で、さらに、門を設けることで、敵の侵入をより一層食い止めたり、勢いを弱めたりする効果があり、時には、道をあえて蛇行させることで、敵の直進を妨げ、防御を強化することもありました。

 

続いては、見聞館内の大広間の模型の前での学芸員さんからの詳しい説明です、一堂真面目に説明に耳を傾けてますでしょ

 

続いて学芸員の方から結構レアなお話をご提供いただきました。仙台城本丸の伊達政宗様の騎馬像前に狛犬が2匹配置されていますよね、こんな感じで↓

なんでもこの2匹の狛犬が太平洋戦争後のある時期に松島のホテルに移設されて飾られていて、そのときにはこの狛犬が朱色に塗られていたんだそうです。(アメリカ人の趣味だったのかな?)

その後、2匹の狛犬は伊達政宗様の元に戻ってきたのですが、そのときには朱色が落とされ、今の石の色に戻ったのですが、唯一向かって右側の狛犬に朱色に塗られた痕跡が残っているんだそうです、確認してみましょうか!

ほら、口元のところにかすかに朱色の塗料が、、、。

 

気になった方はぜひとも仙台城に足を運んで頂いて、騎馬像の写真撮影のあとに、この「赤い彗星」(?)の痕跡を見つけて、プチ感動を味わって頂きたい。(^o^)

 

 

仙台城にお越しの際には、研修によりさらにレベルアップした仙台城ガイドの説明を聞いて、あなた自身もニュータイプになって帰りませんか?