小松左京さんの書いたSF小説「日本沈没」がアニメ化されたのをきっかけに、小説を改めて読んでみました。
ご存知の通り、1973年に出版されすでに400万部も売り上げたという大ベストセラー小説です。
驚いたことに47年後の現代においても、場面描写が全くと言ってよいほど陳腐化しておらず、それどころかその後発生した阪神淡路大震災や東日本大震災における被害状況を預言していたのではないかと思われるような箇所も見られました。
優れたSF小説家の発想力と知識の豊富さに改めて感心した次第です。
小説の中で、海底の地殻変化から日本列島がプレートの沈み込みに飲み込まれていく予想をした学者の説を信じ、日本が沈没する2年も前から国外への脱出の布石を打ってきた総理と、その黒幕の謎の老人と、それぞれの人生を投げ打ってまで真相解明や救出作戦に没頭するタスクメンバーの行動に、多くの読者が熱く感じたのではと想像します。
科学者の多くが疑問符をつけ、否定的な意見が多かった中で日本脱出の決断を下した結果、多くの命が救われました。
この小説で取り上げたのは、地上では目に見えない海底での変化から類推していく難しさですが、今現実世界で起こっている気候変動は、多くの具体的データに基づき世界の科学者が予想する地球温暖化(灼熱化)の危機です。
このまま手をこまぬいたり生ぬるい政策を続ければ、近い将来に人類が住めなくなる地球環境になることが
ほぼ確実とみられています。
気温の上昇は、自然災害の多発を招き、また巨大化するでしょう。
北極や南極の氷が解けて海水面が上昇し、海岸線の後退で住み家を失う人の数は想像を絶する規模になります。標高の低い島国の多くが小説ではなく現実に沈没するのです。
CO2を吸収してくれた森林が無くなって砂漠化が進み、食糧生産もできなくなります。
もはや温暖化(灼熱化)を食い止めるのは待ったなしの状況なのです。
日本政府もようやく重い腰を上げ、2050年に温室効果ガス排出ゼロ宣言を出しました。
どうか本気で主体的に取り組んでほしいものです。
近視眼的な経済界の目先の利益より、次世代以降の人類のため耳の痛い科学者の意見に真剣にかつ早期に向かい合って欲しいと願います。
世界の平均気温は産業革命の以前から比べると約1℃上昇したと推測されていますが、現在の二酸化炭素の濃度から推測すると、このままの状態を維持しても、あと0.7℃は確実に上昇すると考えられています。
さらにこれからも温室効果ガスを現在のレベルで排出し続けるならば、今世紀末までに平均気温は2.6℃~4.8℃上昇すると予測されているのです。 (気候非常事態行動計画作成ガイドブック 2020より)
SD爺さん




