13巻以降の話数の感想を書いていこうと思います
以前からツイッターでも書くようにしたんですが文字数が少なくてほとんど書けなかったので
毎話更新していく予定なので先の展開でUPした時点の分析が後の展開で否定されることもあると思いますが
一度書いたものは修正しません
(文章が分かり辛かったり、誤字脱字など内容が変わらない形の修正はします)

異論反論含め、感想ご意見大募集
コメントにてお願いします

 

前回karte.196「僕らはずっとそばにいる」14巻14話目

 

今回もかなり悲観的な内容になってしまっていますが
なぜわたしがこんなに悲観的かの解説

「感想考察これまでのまとめ」

分かりやすく京太郎に稲妻が落ちる展開・・・とはならなかったか
しかし二人の関係には以前大きな危機が訪れているように見えます
前回まではシリーズの最終エピソードはkarte.197~199までの3話がそれにあたると考えていましたが
正しくはkarte.196~199までの4話を一つのまとまりと見て、
最終エピソードはすでにkarte.196から始まっていたと捉えたほうが良い気がしました
つまりkarte.196の山田の手紙がすでに危機の発端で、物語はすでに危機の渦中にあるのかもしれません

 

karte.82のセルフオマージュから始まりました
守屋先生が答辞を誰にお願いするかで悩んでいます
しかし修岳館に合格した成績優等生京太郎はまさかのスルー、
先生が頼みに来たのは山田のほうでした

意外!?
山田は女優として成功していますが学校での成績は並以下ですからね
女優としての実績まで考慮するなら山田は納得の人選ですが
普通の公立学校ですから学外活動をそこまで重視するとは思えない
山田の人格的な部分、隠れた努力まで先生が把握してるならすごいのですが
そこまでは考え辛いので見栄え重視で選ばれている気はしますね

答辞の候補は他にも居たみたいですがすでに全員から断られています
石室くん、原さん、金生谷さんはわかりますが、
後の二人は名前が分かりませんね
眼鏡の男の子はたびたび映っていたモブの子に似てる?と思いました
女子生徒はそれっぽい子が沢山いる気がして誰だかわからない
選考基準が分かりませんが、上記の5人は成績優秀者なんでしょうか
だとしたら金生谷さんと同じ学校に合格しているにゃあも成績優秀者、だったのか?
それならにゃあより偏差値が上の萌子にも声が掛かっていいはず
勉強の成績はあまり重視されていないのかもしれませんね

山田は自分より京太郎を推薦しようとしますが、
守屋先生は京太郎には特に頼んでいないみたいです
去年送辞をやった人には出来ない、訳ではないみたいなんですが
強制はできないと言っていますが山田に対しては熱心に頼んでいます
はじめから山田指名で京太郎は候補ですらないんですね
最難関校に合格した学年一の優等生、のはずなのに

ちょっと謎な状況ですが、守屋先生の判断にわたしは心当たりがあります
つまり京太郎は、職員室目線で見れば優等生だと思われていないという事です
1年生の時は何度も登校拒否したことがあり、
2年生になってからは学校を休むことはなくなりましたが
授業中に黒板にカッターを突き立てたり、
登校中に自転車を川に落としたり、
科学室に忍び込んで器具を無断使用したり、
京太郎は大変な問題児なんですね
不良と呼べるような生徒が見当たらない第十二中では
京太郎が学校一の不良と呼んでも大げさではない事件を起こしているんです
その京太郎が学年代表にとなれば
難色を示す先生も何人かいておかしくはないんですね

つまり逆に考えると・・・
karte.82の前田先生は消去法で京太郎を送辞に選んだわけではないということです
むしろ周囲の反対を押し切って京太郎を推薦していたのではないかという事です
前田先生は以前から京太郎に特別に目をかけていた描写がありましたから
それで話が繋がります
しかし守屋先生には京太郎に特別な思い入れはないので
フラットに評価すれば京太郎は送辞や答辞を頼まれるような生徒ではない、という事なんでしょう

とりあえずリハーサルは山田がやることになりました
結果はいうまでもなく大成功
立ち姿の時点で下級生たちの心を掴み、
台詞はライターのママに添削してもらい、
台詞に合わせた芝居が入り、
最後は大喝采で舞台を下りました
山田は女優ですからこのくらいは出来て当然ですね

しかし山田には不満だったようです
舞台の上でどれだけ立派に振舞っても、それはお芝居です
本当の自分は代表をやるような人間ではないと思っているんですね
対してkarte.84の京太郎は演技ではない本物でした
心からの言葉を吐き出していた
あれと比べてしまうと自分は偽物だと感じてしまうんでしょう

それは下級生にも伝わっていたようです
在校生代表の子が京太郎に答辞をやってほしいと直談判してきます
すごく勇気のある子ですね
難関校に合格したことでも京太郎は下級生の憧れになっていそうです

しかし京太郎の考えは違いました
山田は卒業生代表に相応しい人格の持ち主です
京太郎は山田を軽んじるものを許せません
そしてそれは山田自身が自分を軽んじている場合も同じでしょう
そもそもの話として、山田の演技力は彼女が努力で身に着けたスキルです
女優のスキルは中学3年間の山田の努力の成果です
それを卒業式の場で披露することは場違いでしょうか
彼女を舐めないでいただきたいは山田に対して言っている言葉なんですね

その言葉は山田にも届きました
山田杏奈エンジン全開です!
原稿は破り捨て、台詞を読むのではない本気の答辞を見せてやります

 



目下、二人の関係は過去最大の危機を迎えていると言えそうです
karte.190で、京太郎は念願だった難関校への合格を果たすことが出来ました
中学受験からのトラウマを克服し、これまでの心配事は全て解決しています
山田も念願だった君オクドラマへの出演を果たし、しかもドラマは大成功
早くも2期製作が決まっています
karte.191からは物語のエンディングパートと言える内容で
まずはバレンタインと祝勝会のイベントを消化
卒業旅行では学校の友達との関係も描かれ、多くの場面で二人の成長が示されました
二人のジェットコースターや観覧車のシーンなど
読者の見たかった遊園地の定番イベントは当然のごとく抑えてありました

中学生活でやり残したことは、何もないはずなんです
京太郎と山田はこれまでの全ての望みを叶えて卒業式を迎えようとしています
なのに山田は将来の自分に二人の別れを暗示させる手紙を書いていたんです
わたしはそれが本当にショックだった
山田にとって、京太郎との関係がいずれ終わるなんて想像だけでも辛いはずです
京太郎がkarte.154で感じた恐怖を山田は今感じているんでしょうか

karte.186に限らず、山田はいつも自分にできることを探してきました
その積み重ねは実を結び、ついに京太郎に念願の合格をさせ、
その他の抱えていた心配事もすべて解決させてきました
しかし京太郎の心配事が解決していく事実は、
山田が京太郎にしてあげられることが無くなっていくことを意味します
しかもその代償として、山田は京太郎に本当に自分の全てを捧げてきた
karte.182に至っては自分の尊厳といえる部分すら捧げ、
わたしはこれ以上山田に捧げられるものは何もないとまで書いてしまいました
加え、karte.197P5で語る自分は京太郎に置いていかれる一方という自己評価
自分よりはるかに大人で、非の打ちどころのない人物だと語る京太郎への評価
それにkarte.154では京太郎も自分の存在が山田のためにならない場合は
自分が消える覚悟をしていました
山田もkarte.154の京太郎と同じ覚悟をしているのだとしたら

それにkarte.196の手紙の内容、これらの情報を繋ぎ合わせると
「京太郎にもう自分は必要ない」
となる
山田のこれまでの行動や台詞が最悪の形で繋がってしまいました

するとkarte.191~karte.195の印象まで変わってしまうことになり兼ねない
京太郎(と読者)と山田では、同じ景色が全く別のものに見えていたことになります
山田は、京太郎に必要とされなくなったら消えるつもりで
祝勝会や卒業旅行にも参加していたんでしょうか
そう思って読み返しても不都合も違和感もないんです
わたしがショックだったのは手紙の内容が意外だったからと言うより
むしろ得心がいってしまったからなんですね

karte.196で京太郎がした、約束の拒否とキスは確かに素晴らしかった
まさに起死回生の一手でした
しかし根本的な状況を変えられるものではありません
あれではkarte.43の力づくのハグと変わらない
あのとき、山田は京太郎の不安をちゃんと聞き、解消しないまま
直近のトラブルだけ解決させました
10巻、karte.140でも京太郎は同様の方法で山田の不安を解消しています
しかしそれで根っこの部分は無くならなかった
今回でも無くなっていないと見るべきでしょう

karte.197では山田と京太郎はお互いの人格を褒め称えあっています
山田は自分の答辞と過去の京太郎の送辞を比較し
京太郎の送辞が眩しかったと賛美する一方で
自分の答辞はつまらないと卑下します
京太郎は自分なんかより卒業生代表には山田が相応しいと言います
二人は正反対のことを言っているのに
karte.197のお互いを賛美する台詞は
内容としては8巻、karte.110とkarte.113の告白台詞を踏襲していますね
京太郎は山田を通して世界の広さを知りました
山田は京太郎と出会って、京太郎が自分の世界の全部になりました
どちらも素晴らしい告白台詞
なのに二人は全く正反対のことを言っています

京太郎と山田の会話のすれ違いは今回だけのことではありません
ご存じの通り、初期から現在、さらにツイヤバまで、
二人の会話はほとんどかみ合う事のほうが稀でしたよね
僕の心のヤバイやつの二人の会話が起こすすれ違いは作品の魅力であると同時に、
二人を分かつ壁、乗り越えるべき試練でもありました

karte.75では京太郎が考える男女交際のあり方が語られています
ナンパイは男と女はそもそも分かり合えないと言いました
一方京太郎は、最初は分かり合えない部分があったとしても
お互いを知るうちに共通点が見つかり、いずれ理解できる部分が生まれると言います
京太郎は自分の言ったことを実現できているでしょうか
karte.43、karte.140やkarte.196に限らず、
二人はこれまでの危機、意識の隔たりを
話し合いをせず、キスやハグなどの物理的接触で乗り越えてきてしまった
ある意味胡麻化してきてしまった
その積み重ねが山田があんな手紙を書くまでに至った
ナンパイとの決着はまだ着いていないのです

これから何が起こり、京太郎と山田はどんな答えを出すんでしょうか
最初の危機を力技で乗り越えてしまったkarte.43
男女はいつか分かり合えると言ったkarte.75
気持ちがすれ違ったままで交際が始まったkarte.113
隙の形が違っている部分と同じな部分があることに気付いたkarte.140
全ての伏線が決着するラスト2話
僕ヤバはここからがクライマックスです!

(2026/8/30UP)