夏がもう近いなぁ、と嬉しくなった。「凌霄花」という漢字からして風情が感じられる。ことに、夏の光の中で、橙色に咲いている光景は、むしろ透明感すら醸し出しているのだからとても味わい深い。「鬼灯」というのは字面だけでワクワクさせられる。「ほおずき」という言葉の響きも、橙色のふっくらとしたあの袋が連想される。夏の初めの「ほおずき市」でずらりと鬼灯が並んでいる光景はもう何ともそそられる光景で、この目で一度はこの目で見てみたい風物詩だ。花と名前というものはとても大事な物だと思う。幼い頃、「マーガレット」という花が好きだったのはその花の可愛らしさと名前の持つ可愛らしさがとてもよく合致していたからだ。形を愛でて名前も愛でる。そうやって花を観賞してみるのは贅沢な楽しみ方だろう。