自分はよく温泉や銭湯というところに行く。
家にお風呂がないわけではない。
しかし私は行く。
そこには・・・開放感があるからだ。
ある日、私は公共浴場に行った。
受付でチケットを渡そうとしたとき、
ほぼ同時に渡した人がいた。
とある外国人。
目と目が合う。そして彼はほほえんだ。
アルカイックスマイルとも言うべきその微笑みに
若干私は驚いた。
名前はマイクと勝手に名付けよう。
マイクは挙動不審だった。
不安なのだろうか?
異国の大衆浴場に一人で過ごすのはどんな気分なのだろうか?
まあいい。
とりあえず、浴場へ。
私は体を流すことにした。
マイクは私の二つ隣に座った。
私が体を洗っていると視線が・・・
マイクだ。
マイクは何かを言いたそうだ。
私はドキドキした。
そしておもむろに
「シャンプー貸して?」
英語だ。
私はため息をついた
「シャンプーを使いたいのはよく分かったが、日本語で貸してと言わないのか?」
私は聞いた。
マイクは言った。
「日本語難しい。分からない。。」
私は言った。
「英語は世界語だ。でも私は日本語が好きであるし、ここは日本の地だ。もし、私が仮にアメリカにいてシャンプー貸してと日本語で言ったとしても、誰も貸してはくれないし、ここはアメリカなのだから英語で話せと言われると思う。」
「だから・・・頑張れよ!俺も英語頑張るけどさ」
私はおもむろにシャンプーを差し出した。
マイクは微笑んだ。子供のような笑顔であった。