私が好きな彫刻家。
たくさんいますが、
特に影響を受けた彫刻家について紹介したいと思います。
1、佐藤忠良
私の「原点」であり、アートに関わることを運命づけてくれたアーティストです。
佐藤忠良は、以下の3つの点で功績を残しました;
① 戦後の西洋の具象彫刻の流れを受け継ぎながら、日本人として独自の表現を開拓したパイオニア
② ロダン美術館でアジア人初の個展を開催
③ 東京造形大の設立に関わり、教育者としても優れた功績を残したこと
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彫刻家 佐藤忠良/日本を代表する彫刻家となった7つの理由(作品・略歴)
2、舟越保武
戦後の彫刻界を牽引したもうひとりの彫刻家・舟越保武。
キリスト教に帰依し、キリスト教に関連する題材を多く彫刻しました。
代表作のひとつに「LOLA」があります。
このLOLAさんは現在も存命で、先日、初来日し、
岩手県立美術館に来館した様子が地元メディアに取り上げられました。
ご子息は、日本を代表する彫刻家となったあの舟越桂さん。
理想化された美の表現は、見るものをハッとさせる美しさがあります。
↑田沢湖の辰子像
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日本を代表する彫刻家 舟越保武の生涯とその作品
3、フリオ・ゴンサレス
鉄の彫刻の始祖。スペインの彫刻家 フリオ・ゴンサレス。
私が最初に手がけた展覧会でもあります。
ゴンサレスの「空間へのドローイング」と呼ばれる空間の使い方は、
3次元ならではの表現であり、
また、現代美術の源流を感じさせる「自由な表現」とも言えるかと思います。
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スペインの彫刻家 フリオ・ゴンザレス / 展覧会実現までの道のり
4、ロバート・スミッソン
出展:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Spiral-jetty-from-rozel-point.png
ランドアートの先駆者、ロバート・スミッソン。
大地をアートに。
彫刻という概念を敷衍し、拡大することによって、地球とアートとの関わりを表現したスミッソン。
35年という短い生涯で、大きな功績を残したアーティスト。
5、エデゥワルド・チリーダ
出展:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Elpeine.jpg
スペインの彫刻家 エドゥアルド・チリーダ。
チリーダの抽象的で巨大な金属を用いた作品は、
見るものをその重みで圧倒します。
金属が経年で変化していく様は、時間を彫刻に組み入れ表現し、自然との関わりを想起させます。
詳しい記事はこちら▼
【アート力を高める】スペインの彫刻家 エドゥアルド・チリーダとは?
6、三沢 厚彦
日本を代表する現代彫刻家。
動物をモチーフとして、楠を彫る。
私も富山県美術館のプロジェクトで一緒に仕事をさせていただきました。
とても気のよい素晴らしい方です。
詳しい記事はこちら▼
【立体アート事例】富山県美術館の屋外彫刻・三沢厚彦のAnimals
http://sdart.jp/archives/1240
7、ジョナサン・ボロフスキー
巨大な彫刻を制作するボロフスキー。
「すべては一つ」のものである。ワンネス。
夢の中のイメージなどを作品にしています。
巨大な彫刻は、見るものを圧倒する一方で、
その作品の「薄さ」は、重みを感じさせないという矛盾。
夢のような。
8、イヴ・クライン(Yves Klein)
フランスのアーティスト。
IKB(international Klein Blue)という「青」を生み出し、ハッとするような発色を持つ作品群を制作。
この青を見ていると、作品に吸い込まれていきそうな感覚になります。
若くして亡くなってしまったのが非常に残念なアーティスト。
そのスピリチュアリティ溢れる世界は、独自で異質。
日本で武道をしていたこともある、日本とも関わりが深いアーティストです。
詳しい記事はこちら▼
フランスの芸術家 イヴ・クライン(Yves Klein)の青の世界/その霊性の源とは
9、新宮 晋
「風と水の彫刻家」
キネティックアート(動く彫刻のこと)の第一人者であり、
日本のアレクサンダー・カルダーとも呼ばれる新宮晋。
2016年〜2017年にかけて、
長崎県美術館、横須賀美術館、兵庫県立美術館の3館を巡回した
弊社が企画・協力を行った、大回顧展が行われました。
「新宮晋の宇宙船」展。
風と水で動く彫刻たちは、
美術館という空間を、宇宙に変えてしまったような、
「美術館という空間を遊んだ」展覧会でした。
詳しい記事はこちら▼
フランスの芸術家 イヴ・クライン(Yves Klein)の青の世界/その霊性の源とは
10、オーギュスト・ロダン
近代彫刻の祖 オーギュスト・ロダン
この人を外すことはできません。
大好きなアーティストのひとりですが、
あまりにイメージが一人歩きしている気がするアーティストでもあります。
私にとっては、
「モンスター、ロダン」
というイメージが強いです。
彼の特徴のひとつに、「アッサンブラージュ」という手法があります。
これを19世紀の後半くらいからtrial and errorしながら制作をしてきたという事実は、
近代彫刻の祖と呼ばれる由縁のひとつとして捉えてよいかと思います。
作品同士の有機的な結合が、
新たな作品をうむ。
その集大成が「地獄の門」です。
ロダンの死後に鋳造されたこの作品は、上野の国立西洋美術館の敷地内に展示されています。
その部分部分に目を凝らすことで、すでに制作されていた作品を「アッサンブラージュ」したことがよくわかる傑作です。
彼は死ぬ間際、死後の世界を「地獄」としてみていたのでしょうか?
妻ローズと愛人カミーユとの間で揺れ続けたロダン。
死後の世界は、彼にとってはユートピアではなく、永遠に続く罪を贖う場所だったのかもしれません。
詳しい記事はこちら▼
【保存版】近代彫刻の父 オーギュスト・ロダンの作品とその秘密
以上、私が影響を受けた彫刻家10名を紹介しました。
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