続き


次に現れたの灰色の毛のやや年配の猫で
このように言いました。

😼『おっしゃる通り、先の虎毛の猫の気は旺盛であるとはいってもその気には形が生まれます。形があるものはほんのわずかてあれ見破られるでしょう。私は長い間心の修行をしております。気負うことはせず、誰とも争わず、爪を出さず、和やかな心のままで特に相手が気を強める場合は、その相手に心から寄り添います。私の術は
いわば投げられた石を柔らかい布で覆って受けるようなものなのです。強いネズミがいたところで、私に敵対しようとしても、敵対する理由が消えてしまうでしょう。ところが今日のネズミは、気の勢いなど物ともせず、私の心に応じることもなく、平然としている姿はまるで神のようでした。私はこれまでにこんなネズミに出会ったことがありません。』


古猫は次のように言いました。

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『あなたが言う和やかな心とは、自然に湧き出す心ではなく、意図や計算を持って生み出しているものです。相手の敵意から外れようとはしていますが、たとえ僅かでもその意識が働けば、敵はその気配を察知します。そうかといって、計算で仲良くすれば自然体ではなくなります。自然体でなければ、心で通じ合うことなど無理なこと。
意図や計算などの思考を捨て自然に動く場合は、動く前にそれが形になって表れることはありません。形に表れることがない場合は、世の中、自分の敵になるものはないのです。それが心の修行の目指すところではないでしょうか。』




続く




🐈