sd-senkoさんのブログ
Amebaでブログを始めよう!
2009年に放映していた「青い花」というアニメがあります。


女子高生の登場人物たちによるいわゆる"百合"モノですが、
シリーズ序盤で、メインキャラクター同士がキッスをして交際がスタートするなど、
同じ百合ジャンルの作品の中でも、恋愛方向に踏み込んだ内容になっています。


同年に話題になっていたアニメには、
「けいおん」「戦国BASARA」「涼宮ハルヒの憂鬱(2期)」「化物語」「とある科学の超電磁砲」
などがあり、このあたりと作品のカラーを比較すると、キャッチーさに欠けるのは否めず、
商業的には「あまり成功しなかった」という評価を受けています。


その一方で、その年の文化庁メディア芸術祭で賞をもらったり、
雑誌企画のクリエイター向けアンケートで、一位を取ったりしています。

http://www.aoihana.tv/news/
>2009年にリリースされた映画、DVD、ゲーム、ホビーなどから、
>本当に良質なコンテンツをエンタメ業界1000人へのアンケートによって選出し、
>「ヒット作」というカテゴリーに収まりきらない"掘り出しエンタ"を推薦する巻頭特集を掲載。
>そのアニメ部門にて数あるタイトルの中から「青い花」が第1 位に選ばれました!


今回は、おもに青い花のソフト販売をとりまく話をしたいと思います。
2009年当時は、ブルーレイの発売がまだ本格化しておらず、
網羅率としては、上位の作品から50~60%くらいだったでしょうか。
地デジ放送ははじまっていましたが、TBSを中心に、まだ多くの作品がSD放送をされていました。


青い花は、ハイビジョン制作・ハイビジョン放送だったのですが、DVD単巻しか発売されず、
「テレビ録画したものが、DVDよりもずっときれい」という状況でした。
ファンの間では、青い花の商業的不振を説明するのに、
「ブルーレイが発売されなかった」という事実は、いつしかスケープゴートのようになっていました。


 ファンA 「全話録画している。BDだったら買ったのに」
 ファンB 「俺も全話録画しているが、作品を応援するために買った」
 ファンA 「くそー、BDさえ出れば…」
 ファンB 「DVDが売れないからBDも出ないんだよ、今からでも遅くないから買え」 


こんなやりとりが、数年続きました。

「面白い作品は、面白いという事実だけで十分である」

という時代が、アニメの分野では、この頃、終わりを告げています。
(ゲームとかは、もうちょっと早かったかな)


ソフトの売り上げでランキング付けがされ、

「面白くてもセールスが振るわなかったら失敗」

と考える視聴者が、目に見えて増えていました。
熱心なファンほど、自分が面白いと思っているアニメのセールスが振るわないと、
作品が否定されたような気分になるというのですから、深刻です。


言うまでもないですが、作品の評価(自分の感想)と、
商業的な成功、失敗は、きっちりきっぱり分けて考えるべきことです。


我々消費者は、売れるアニメを求めるのではなく、
面白いアニメを求めることが、本来の姿だからです。
ファンが面白さを第一優先とせずに、
本来はアニメ制作者が気にするべき商業的成否と、
自分の感想をまぜこぜにしてしまっては、
いずれ全体が機能不全に陥ってしまうはずです。


(などといいつつ、この「売れなきゃ失敗」という風潮も、
 強烈な感情をともなう分、やや飽きられてきたかなという気はします。
 あるいはこの数年の間に、誰もが一度
 「自分の好きなアニメが売れなかった、それによって目に見えない誰かからバッシングされた」
 という経験をして、別の段階へ移行がはじまっているのかもしれません。)


一方、BD-BOXの発売が決まった今だから書ける「たられば」ですが、
その当時にブルーレイが出ていれば、「覇権」とまでは言わないまでも、
そこそこ売れることで、ある種のレッテル貼りは回避できたかもしれないし、
逆に、ブルーレイがそこまで売れなかったにしても、
数年にわたって、ファンの間に不満をためることはなかったでしょう。


「結局ブルーレイを出すことになるなら、当時出せば良かったんよ」
というのは、客観的事実としてあると思います。
ね、メディファクさん。


ともあれ、旧作アニメのブルーレイ化を求めるサイト の投票で上位になったり、
原作の完結という大きな節目があったりで、
アニメ「青い花」はついにBD-BOX化の運びとなりました。


ファンの間で行われる、「BDが出ればうんぬん」「BDが出ないのはうんぬん」
というやりとりをもう、見なくて済むのです。
なんと素晴らしいことだろう。


これから、アニメ「青い花」は、新しい時代を迎えます。


一言で言うと、布教の準備が整いました。
何かを目指して、布教するのではありません。


かつて「青い花」という、唯一無二のアニメがあったこと。
その事実をまだ知らない人に、ありのままを感じてもらうという、それだけです。
そのために、
そして布教を阻害する、忌まわしき状況を払しょくするためにも、
BD-BOXは必要だったんですね。


あなたの周りで、青い花BD-BOXを持って布教する人を見かけたら、
ぜひ、借りて見てあげてください。
芸能人養成サービス市場の実態 お笑い芸人減少も、ダンサー志願者は増加:株/FX・投資と経済がよくわかるMONEYzine

これを読んで色々思うことがありましたので、記事を書こうと思います。
(最初にことわっておきますが、自分はアニメ業界とも声優業界とも関係ない、ただのオタクです。)


一年間に声優養成サービスに費やされる金額は、50億円強だそうです。
金額ベースでいうと、ボーカリスト養成とほぼ同規模で、お笑い芸人養成の数倍の規模と、
リンク先の記事には書いてあります。
それなりの養成所に通うとだいたい一年で100万円前後と言われますから、
5000人以上の声優志望者がいるようです。
そして市場規模は今後も年数パーセントの拡大が見込まれています。


一方で、声優として活躍できている人がいまどのくらいいるか?と言うと、
Wikipediaに記事があり、なおかつ声優のテンプレートが貼られている人が5000人ほど
なおかつ、それなりに実績があり、英語版にも記事がある人と言うと、1000人ほどです。

その数字を年間のデビュー数に換算すると、200人~50人以下という感じでしょうか。


声優志望者が、その実在需要に対して数十倍に達する、
一言で言えば「声優志望者がとても多く、なお増加傾向にある」ということは、
得なことでしょうか。損なことでしょうか。
色んな立場から考えてみたいと思います。


1.声優志望者にとって
 単純に、競争倍率が上がるので、損なことだと思います。
 それでも志望するということは、それだけ声優という職業に高い価値を認めているということですね。

2.養成所にとって
 高い授業料を設定できたり、養成所の規模を大きくできるので、得です。
 ただ、デビュー・所属実績を出せないと、
 養成所の競争力が下がるので、安穏とはしていられません。

3.事務所(プロダクション)にとって
 より多くの声優志望者の中から、新たに所属させる人材を選べるので、得です。
 ただ、新人を選ぶ条件は他の事務所も同じなので、
 やはり安穏とはしていられません。

4.デビュー済みの声優にとって
 声優志望者が増えても、有力な事務所は一定の数しか新人を取らないことや、 
 正直なところ事務所の力や本人の持つコネクションの影響の方が大きいので、
 数自体はどうでもいいと感じているはずです。
 むしろ声優志望者が多いということは声優という職業の価値が高まるので、得かもしれません。
 将来現役から退いて、講師をやるのも良いでしょう。

5.アニメ制作者にとって
 彼らは基本的にプロダクションとしか関わりませんから、直接的には関係がありません。
 ただ、優れた新人を安価で使いやすいというメリットは生じています。
 現状は、制作者自体にそこまでの審美眼(あるいはこだわり)がないので、
 プロダクションや音響監督まかせです。
 強いてオーダーがあるなら「若いのがいい」とか「ルックスが良いのがいい」、
 あるいは「あえて棒なのがいい」とか、
 そのレベルだと思います。

6.視聴者にとって
 現状、我々が感じ取れるのは、
 「年齢が若くて」
 「ルックスが良くて」
 「そこそこ演技ができる」
 新人が日々どんどん出てきますよ、ということです。
 その源泉が「声優志望者の数がとても多いこと」なわけですね。
 これが損か得か素直に考えれば、得じゃないでしょうか。
 

ただ、もう一歩踏み込むと、
視聴者サイドとしては、もうちょっとデビューさせる数を絞り込んでもらっても、
実はメリットが出ます。
なぜなら、より優れた人材には、より長く、より多くのアニメに出演してもらうことが、
視聴者にとっては望ましいからです。


「そこそこ良い新人」と、「ある程度の出演実績を持つ声優」のどちらが、
よりアニメの質に貢献できるかといえば、後者に決まっています。
それでも、同じ人に20年も30年もアニメヒロインをしてもらうわけにはいかないので、
新人も業界に入れて、経験を積んでもらわないといけないのです。
新人の役目として、「今は未熟かもしれないけど、ちゃんと育ってね」
という意味合いを含めると、
多すぎる新人の数は、アニメ作品の質や、視聴者の体験にメリットをもたらさないことがわかります。



結論として、

・声優志望者の数が多いことは、素晴らしいことだと思います。
・声優志望者の数が多いことで、新人の質が上がります。
・そのようにしてデビューさせた新人を、その時々で便利に使うだけでなく、
作品を通じて育て、長く活躍させていくことが、視聴者にとってはメリットとなります。


そもそも論で、
「なぜ声優志望者が多いのか?」
「なぜ声優という職業の価値が高く評価されるのか?」
ということも併せて考える必要があると思います。

それは、端的に言えば、アニメに出て活躍している声優さんや、
あるいはアニメ作品そのもの、あるいはその周辺のショービジネスに、
声優志望者の規模にふさわしいだけの魅力が宿っているからです。
それらの魅力を維持し高めていくことも、俯瞰的に見れば、養成所ビジネスの一端なんではないでしょうか。


※吹き替えブーム・ナレーションブームというのは聞かないので、
今回はアニメとその周辺に限って書きましたが、
別にアニメ以外の声の仕事をディスっているわけではないので、悪しからず。
ブログというものが流行り出した頃に、すでに株式会社はてなさんがはじめていたサービスで
「はてなアンテナ」というのがあります。
http://a.hatena.ne.jp/


好きなサイトを登録しておけば、その更新状況を、まとめて監視できるというものです。
今も絶賛稼働中で、多分一人前のイベンターには必須じゃね?とか思うのですが
自分は活用できてないのでいつも出遅れます。


単に声優さんの出演情報に限って言えば、Wikipediaは多くのケースでベストな選択になりえます。
(話数ベースの出演情報が得られないのが最後のネックではあります)
たとえば好きな声優さんのWikipedia記事をいくつもはてなアンテナにつっこんでおけば、
それはそれで価値を持つと思います。


で、「Wikipediaをアンテナ化する」という意味でもっと便利なものが作れないかな?と
自分なりにプログラムを書いてみました。
と言いながら、「Wikipediaをアンテナ化する」というのは実は出発点ではなくて
そもそも何が知りたかったか?というと


「Wikipediaの記事って、なんか気づいたら更新されてるけど、どこが更新されたのかわかりにくーい」


みたいなことです。編集履歴を見れば済むのだけど、余計めんどくさいですよね?
なのでまず時系列で変更箇所を表示できるようにしたいと考えました。
かといって編集履歴そのものをプログラムに収集させてもノイズばかりになるので、


「当該記事に含まれている、別の記事へのリンク」
「別の記事から当該記事へ張られているリンク(、を当該記事の情報源とする)」


を収集することにしました。
上はページをパースすればいいですが、下はどうするんだろう?
というと、実はWikipediaにはAPIが用意してあります。


http://ja.wikipedia.org/w/api.php?action=query&prop=links&plnamespace=0&pllimit=500&redirects=&export=&format=xml&titles=%E5%A4%A7%E4%B9%85%E4%BF%9D%E7%91%A0%E7%BE%8E&list=backlinks&bllimit=100000000&blnamespace=0&bltitle=%E5%A4%A7%E4%B9%85%E4%BF%9D%E7%91%A0%E7%BE%8E



以下のURLにアクセスすると、記事「大久保瑠美」に含まれる別の記事へのリンクがplタグで、
また記事「大久保瑠美」に対してリンクを張っている別の記事がblタグで、表示されます。
これをプログラムのデータベースに保存しておいて、
プログラムが次にWikipediaにアクセスしたときに変化があれば、
それを差分として覚えさせておけばよいのです。
そしてユーザーは差分を見て、ページの変更(リンクの変更)を知ることができます。


そうしてできたのが
http://kyouen3.appspot.com/ja/%E5%A4%A7%E4%B9%85%E4%BF%9D%E7%91%A0%E7%BE%8E


こちらです。URLの記事名のところを任意に変えてアクセスすると、プログラムがWikipediaを見に行き、
もし過去にページを取得したことがあり、さらに今回差分が見つかれば、
それをログとして表示してくれるようになってます。
これ実は英語のWikipediaにも対応していまして、


http://kyouen3.appspot.com/en/Rumi_%C5%8Ckubo

とやると英語版「大久保瑠美」のリンク差分が表示されます。
実はアンサイクロペディアにも対応しています。
http://kyouen3.appspot.com/un/%E5%A4%A7%E4%B9%85%E4%BF%9D%E7%91%A0%E7%BE%8E
幸か不幸か、まだアンサイクロペディアンには、目をつけられていないるみちゃんです。


中国語版Wikipediaにも対応していますよ。
http://kyouen3.appspot.com/zh/%E5%A4%A7%E4%B9%85%E4%BF%9D%E7%91%A0%E7%BE%8E
「光之美少女」「一起一起這裡那裡」「变身!公主偶像」「星光少女」
海外のタイトル訳は、見ているだけで面白いですね。
どれが何を指しているかわかりますでしょうか。


これらのページにはcontent-type/jsonが設定されています。
JavaScriptからの利用を意図したのですが、クライアントプログラミングが苦手で、まだ実現してません。


で、「任意のページで差分収集ができるなら、声優さん全体に対象を広げられるんじゃん」
ということでカタカタ作ったページが、こちらになります。


http://kyouen3.appspot.com/log/ja/seiyu?exclude=1
http://kyouen3.appspot.com/seiyu  (パスを変更しました。)


これは、日本語版Wikipediaの記事「Template:声優」のリンクを解釈することで
声優さんの記事のリストを作成し、
さらにリスト上の記事をプログラムに巡回させることによって、約4000人の声優さんの差分を収集し、
それをまとめたものです。


見た目の問題、細かな動作の部分、取り除けるノイズ的なものはまだありますが、
「Wikipediaを声優アンテナ化する」という目的はすでに達せられました。
自分自身、会社で「あー暇だなー」なんて思った時に、
動作監視もかねて頻繁にアクセスしております。
るみちゃんの「ムシブギョー 」出演決定を知ったのは仕事中、自分のサイトだったりしました。
(ソースはWikipediaなんで、自分のサイトというのは少しあつかましいですが)


これからどうすんお?というのは全く白紙。
自分自身が満足しているうちは、これ以上はないのでしょうね。


技術的な話題は、またの機会に。
Webスクレイパーとして、またページ処理のメインプロセッサとして、
Apache Camel 」は今回とてもとても大活躍しております。
プラットフォームとしての「Google App Engine」にも感謝しなくてはなりません。
そしてMediawiki API の存在。
多言語対応(+アンサイクロ対応)があっさりできるのは、
各国で共通のAPIを使っているからなのです。


さて、現状で一つ不満なのは


「日がな一日サイトを眺めていても、案外更新が少ない!」


ということです。4000人を監視していても、一日のログとして残るのは200~300くらいでしょうか。
なんだか直感的に、実態に則していない気がしてしまいます。
まぁ企業系ナレとかボイスオーバーとか、ラジオのゲストとか、
Wikipediaに載りくい仕事はあるでしょうが。
ボリューム的に、今段階で単独のWebサービスとして育てていくのはちょっと厳しいかなと思います。
うーん、どうしよう…。