昨日は、初夏のような温かさだった。

私は、温かい方がありがたい。胸の痛みが和らぐ。

厚手のシャツの上にダウンベスト、さらにセーターまで着こんでいた。

この姿で、外出すれば、注目を浴びそうなくらいだった。

 

タグリッソ343日目。

がん「ステージ4」から生まれ変わって いのちの歳時記 小倉一郎氏著

を読んだ。

 

 

 

肺がんステージ4から生還されたということを知って、ぜひ読んでみたいと思った。

小倉さんは、余命1年か2年といきなり宣告された。それから、化学療法を受けられて、1年8か月たった現在、がんが縮小しているという状況だ。

「奇跡」「生還」・・・という言葉が出ているが、その言葉も理解できる。

 

私も昨年の4月、いきなり、「このままだと(治療をしなければ)半年くらいです。」とあっさり言われた。手術も放射線治療もできないことが分かり、残すは、薬物治療しかなかった。「肺がんステージ4」で検索して、よい情報には、出会えなかった。

大河ドラマやプロ野球など、観る気がしなくなった(終わりまで観られないかもしれないと思ったから)。TVがついていても頭に入ってこなかった。ボーっとして終活のことは考えていた。

 

すぐに死んでしまうわけではないことを感じることができたのは、現在の病院に転院してからだ。小倉さんの場合と同じように、とても信頼できる主治医の先生に出会うことができた。いすから立ち上がって迎えてくださり、しっかり目を見て話をしてくださった。安心できた。

検査結果を受け、5月になって、今の治療が始まった。


小倉さんは、「五月来てあふるる涙もてあます」という俳句を詠まれていた。昨年の5月。私も同じ涙を流したことを思い出す。その気持ちが大変よく分かる。


ご家族や子どもさんに恵まれていらっしゃるところにも共感できた。私も全く同じだ。妻や子どもたちへの感謝をいつも感じている。


「生かされて、今思うこと」という章がある。私も、みんなのおかげで生かされていると心から感じる。


これまでの自分と重ねながら、一気に読んでしまった。

同じ肺がんステージ4のサバイバーとして勇気をいただける本だった。