温かい春の日。

朝起きると鶯の鳴き声がしてうれしく感じた。

 

タグリッソ332日目。

 

読んでいる小林正観氏の本「淡々と生きる」の「千利休」に、「人生の本質は、淡味にあり」という言葉がある。


新しい茶葉で入れた一杯目のお茶は、甘い。同じ茶葉で十度くらい高いお湯で入れた二杯目のお茶は、渋みが出る。さらに、十度くらい高いお湯で入れた三杯目は、苦みが出る。さらに、九十度以上の熱いお湯で四杯目を出すと甘味もなく、渋みもなく、苦みもなく色だけのお茶になる。

このかすかに色がついているだけのお茶の味を千利休は、「淡味」と呼んだ。

千利休は、このお茶のおいしさがわかるようになれと言った。


これを人生に置き換えていえば、何も変化のないような日常が繰り返されるなかに、おもしろさや、幸せや、贅沢感がある。淡々と生きていくなかにこそあると書かれている。

 

小林正観氏は、この出がらしのお茶のおいしさとは、「感謝」であると言われている。

 

一日の生活の中に「感謝」の気持ちを持ち続けたい。

 

今日は、二十四節気の清明。

「清明」とは、春のうららかな日差しを受け万物が明るく清らかであることを意味するそうだ。

そんな気持ちで過ごしたい日。


道ばたにタンポポが咲いていた。

 

わたしはタンポポのように

明るく生きたいと思いました

太陽の光をいっぱい吸い取って

道べに咲いている

この野草の花をじっと見ていると

どんなに辛いことがあっても

どんなに苦しいことがあっても

リンリンとした勇気が

体のなかに満ち溢れてくるのです

 

坂村真民詩集百選「タンポポのように」より