ゴールデンウイークには、3人の子ども夫婦と4人の孫が来てくれた。

 かわいい孫たちやみんな仲良い様子を見られて、治療をがんばろうという気持ちが高まった。

 孫たちの写真がプリントされているマグカップをプレゼントしてくれた。入院セットに加えた。

 

5月8日(月)

 入院する。

 期間は、2~3週間と言われている。薬物治療になることは、分かっているが、どんな種類の治療になるかは、その日の16時頃に届く遺伝子検査の結果による。

 胸の痛みを早く和らげたいこと、全国どこの病院でも治療方法に変わりがないということを聞いていたこと、主治医の先生が信頼できることから、まず、入院をしておいて、翌日から治療を始めていただくことにした。

 

 11時前に病院に行き、いろいろな説明を受ける。

 遺伝子検査の結果が16時頃に届くことから、妻には、病棟の入り口でそれまで待機してもらう。私は、ベッドで横になっていた。

 

 15時ごろ、薬剤師さんが病室に来られた。

「明日から点滴が始まりますから」と言われ、説明の冊子と点滴の治療に必要な葉酸を置いて行かれた。

 私に合う遺伝子変異はなかったのだと悟った。妻にラインで伝えた。

 しかし、まだ、主治医の先生の説明は受けていなかった。それを待つことにした。

 

 17時30分頃

 主治医の先生の説明が始まった。

 リンパ節転移に加え、胸膜播種があり、手術、放射線は、適応となりません。治療方法は、抗がん剤、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬となります。・・・

 ・・・癌細胞の検査で、EGFR変異を認め、分子標的薬(タグリッソ、イレッサ、タルセバ、ジオトリフ)の効果が望める肺がんだということがわかりました。今は、タグリッソで治療を始めるのが一般的です。・・・

 ・・・期待できる効果は、80%(現状維持または症状改善)、悪化するまでの期間(中央値)は、18.9か月・・・治癒は、不可能であり、どれだけ癌を抑え込んでいけるかが目標になる治療となります。・・・タグリッソの副作用についての説明が続く・・・説明を聞いているうちにいろんな感情が込み上げてきた。・・・しかし、一番大きかったのは、翌日から始まる治療への期待感だった。・・・