負けて悔しくない者なんていなかっただろう。

本当は人目もはばからず大声出して泣きたかったのを堪えてたのかもな。

いつも通り涙堪えて相手サポーターに対しても大きな声で挨拶を行なった。

会場内のどのチームよりも色んな方に挨拶してた。

試合終わって、やりきれなかったからって自分達で走った。

自分らが使ってない通路なんかもホウキ持って掃除してた。

寒さに鼻を真っ赤にしながらも外のゴミ拾いやってた。

勝負に対する評価よりも、そんな部分の評価を一番にしてあげないといかんのが俺だよな。

一番俺が拘ってきたのはそれだよな。

もちろん今日の試合は気持ちの半分も出せてなかったかもしれん。

それでもこいつらを理解してやろうとする努力がそれ以上に俺になかった。

ある保護者の方からメッセージ頂き、思わず涙を流してしまった。

部屋で一人ずっと涙が止まらんかった。

勝たせるのが恩返し、感動するような試合を見せるのが恩返し。

もちろんそれも否定はしない。

でも、なんかちっぽけな殻におさまって大事な事に気付いてなかったんだよな、俺が。

山ほどあるチームの中から何らかの理由でうちを選んでくれてるんだ。

俺がこいつらに本気で向き合わないでどうする。

俺がこいつらの事、一番理解しないでどうする。

俺がこいつらを熱くさせなくて誰がさせるんだ。


もう一度、もう一度、こいつらを輝かせたい。

それが、こいつらへの、そして保護者へのせめてもの恩返しになるのではないだろうか。