朝の6時に目が覚めた。
車の走る音が聞こえたからホッとした。
雪で厳しい時は音はしないし、聞こえてもチェーンの地面をこする音ぐらい。
保護者の不安を煽ったような形になったが、無事試合できそうで良かった。
子供達も想定外の宿泊で一晩共にした事でよりコミュニケーションとれたみたいだし。
ここにきて、カナタ、リュウセイに加えキャプテンマサトも怪我。
体調不良者も数名いる。
そんなで昨日の練習試合、大丈夫かなと思っていたが、残りのメンバーが奮起してくれた。
特に5年の頑張りは良かった。
先輩達の最後の公式戦のためにってのが伝わってきた。
レンも最終ラインから気合い入ってたな。
そして、これこそ怪我の功名。
リベロリュウタロウの誕生。
ヘディング負けないしパスカットもやる。
楔のパスも入れるし、何より一番後ろからトップまで上がっていけるしボール運べる。
強烈なオプションが加わった。
色々あったが、ここまで長いようで短かった。
4年の夏過ぎにに今では県トレ、ナショトレに選出される選手が他チームに移籍した。
途中部活を選び辞めた選手もいた。
正直不安だらけだったな。
でもみんな真面目に直向きに頑張った。
途中レンやシントが加わりツバサも戻ってきてくれた。
怒鳴られながら涙流しながらも自主練頑張り投げ出さなかった。
4年のゼビオ、5年の新人戦、リュウタロウ1人だけのチームだった。
カナタさえも全然ボールが足についてきてなかったもんな。
6年になり一人一人の意識が高まりようやくチームとして戦えるようになった。
俺は思う。
やっぱ神様っているんだなって。
ちゃんと見てくれてるんだなぁって。
努力し投げ出さずに頑張った人間は絶対に見捨てられないんだって。
マサトやユウシン、カナタだってそうだ。
最初からセンスや才能だけでやってこれた選手は一人もいない。
みんな努力の塊だ。
そんなお前達を俺は認めてるぞ。
胸張ってグラウンドに送り出せるぞ。
緊張するなって言っても緊張するだろう。
心配すんな、俺が全力で背中押してやる。
頑張ってきた自分達を信じろ。
頑張ってきた自分達に胸を張れ。
応援してくれる保護者、先輩達、関係者、すべての人達に全力プレーで熱いプレーで恩返しだ。
さぁ挑むぞ。
やりきるぞ。
やってやろう。