先程のクラブを出る。
外を見ると長蛇の列
自分もそうだけど何というAFCっぷりなのだろう。
どのフィールドでも結果残せる腕が欲しいなと自問自答しながら友人が待つ箱に移る。
箱に入ると珍しくそれなりに人が入っている。
慣れたフロアを奥へ奥へずんずん進む。
そしてダンスフロアの最前列に迷うことなく進む。
やはりいた。
自然と笑みが溢れる。
肩を叩き怪訝な顔をしていた彼だが、振り返り顔を認識するとすぐに彼も素敵な笑顔を返してくれる。
もう一人の彼も同様だ。
「こっちきたんかい!」
「相方さんは平気?」
「踊りたくなったからね」
彼らとの出会いはいつだったろう。
恐らく秋から冬に移り変わる時期だったと思う。
その当時、三人共俗にいうナンパをする人たちだった。
特に彼らはPUA(pick up artist)と呼ばれる独自の理論によって声かけをする人たちだった。
私はただクラブで楽しむだけの存在だったけど。
丘の街で出会いそして親しくなった。
お互いに組んでナンパはしたことはなかったが楽しかった。
今でもナンパせず踊るなら彼らと踊りたいと思う。
三人集まってしまえばもうダンスフロアもどこも関係なく踊り狂う。
薄くなった毛髪を隠していたセットなどとうになくなり、全身で汗をかきながら踊る。
途中現役の某PUAさんが乱入してくる。
講師もしている丘の有名人の生徒を連れていた。
彼らは皆主体的だ。
二人は適度に逆ナンを受けていたが私には何もなかった。
オーラの違いを見せつけられたようで少し恥ずかしい。
朝まで踊り、箱を出る。
二人はそのまま夜の香りを残した丘に消え、私は相方の待つ店に赴く。
「お疲れ」
「相変わらず汗だらけだな」
「うるさい」
拳を軽く合わせて笑い合う。
そこにもう一人メンバーが到着する。
別の箱でやってた相方だ。
三人で麺をすすりながら語り合う。
「あそこの箱は音はいい。」
「人がいないのがネックだけど結果残せる奴なら逆にやりやすいだろうね」
「それにくらべて、Vは劣化酷いね。」
「一時期のミューズだね。男のナンパが荒い」
一通り話終わり改札に向かう。
「お久し振り!」
丘の有名人と仲良しのPUAナンパ師さんが手を振っている。
ここに来ると誰に必ず会うことができる。
楽しかった記憶の再投影のために来てるのかもなぁ。
ふとそんなことを思いながら成田空港へと向かう電車に揺られる
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