柚風呂

柚風呂

記憶倉庫。

Amebaでブログを始めよう!
 
見てきました!
日本のアニメ、鋼鉄ジーグをオマージュしたイタリア映画。
街のゴロツキが偶然超人的な力を手に入れてしまうお話。
果たして彼はただのゲスかそれともヒーローか。
手に入れた力をどう使うかはその人次第。
何を以てしてヒーローと呼ぶのか、ヒーローとはなんぞや。
そういうものを真っ向から突き付けられたダークヒーロー映画でした。
ヒロインめっちゃかわいい。
思ってた以上におもしろかった…!!
 
日本のアニメがこんなにリスペクトされてまさかこんな形のイタリア映画になるなんて!という驚きはもちろんのこと、ヒーローの描き方がとてもリアルなのもすごいと思いました。
悪い言い方をすればマトモな人間なんて一人も出てこない、けれどどの人物も魅力的に描かれていて一人一人に重みがある。
主人公は超人的な力を手に入れたからと言って変身するわけでもなければ派手なかっこいいアクションがあるわけでもない。
最後だって街のゴロツキ二人が殴り合ってるだけ。
殴ったりぶん投げたり持ち上げたりと力任せな力技の戦い方ばかりで、でもそれが逆にリアルで、普通の人間が力を手にしたらそりゃこういう戦い方になるよなという説得力もあって、人間の欲や汚さもしっかり見せていて、ヒロインに惹かれた後の彼女への対応も完全に良い人ではなくてクズさも残ってたり、それでもかっこいい。っていうのもすごかった。
 
最初は少しだらだらっとした展開が続くんですがこの序盤のさりげない動作や出来事が最後にしっかり説明や辻褄として生きてたり、主人公の心情の変化がじっくり描かれていたのも良かったです。
悪役ジンガロもその小物感っぷりったら。
セクシーで狡猾そうに見えるのにおバカで今っぽくて。
でも悪い。いろんな意味で悪い。
まさにチンピラという言葉が似合う感じの。
ヒロインは虐待により精神を病んでいて現実と鋼鉄ジーグの世界があやふやになっている熱狂的ジーグファンなんですが、このヒロインがまぁかわいかった。
ぶっ飛び具合がたまらなく愛おしいそんなヒロインでした。
個人的に作品を見るにあたりヒロインの存在って自分の中でめちゃくちゃ重要で、苦手なタイプだと集中出来なかったり後々引っ掛かったりするのでその点皆ジーグはとても良かった…。
成り行きで面倒を見ることになっただけ、なはずの彼女の存在が大きく大きく影響して、彼女を通じてただのゴロツキがヒーローになっていく姿。
泥棒だの強盗だの自分のためにしか使わなかった力をヒロインの遺志と自分の意志で初めて人を助けた時は思わず涙が出たし、ラストシーンの『変身』姿はトリハダものでした。
結局最後まで彼が悪なのかヒーローなのか作品内ではハッキリ答えが出されなかったのも、でもこの物語を見た人には彼の姿はヒーローに見えたであろう、これからヒーローになるであろうと映るところも良いです。
最初タイトル見た時は「またなんか微妙な…」とか正直思ってたんですが、見終えた後にタイトル見ると「そういうことか!」ってなるし秀逸だなぁと感じられるのも素晴らしい。
 
あとは個人的に、ローマダービーで殴り合っててもサポーター同士のケンカだと思われるだけだろうし、もしこれ爆発起こっても最初はまたラツィオサポが何かやったのか!になるんやろなとか色々面白かったです。
サポーターがなんかやらかしてる=ラツィオのイメージがありますイタリア。
 
皆ジーグ、見に行けて良かった!