クアラ・ルンプールからシンガポールへ鉄道の旅(その1)
2006年12月16日。晴れ。
クアラ・ルンプールの中心駅である、
KL Sentral を8時30分発の XSP/5 EKSPRES SINARAN PAGI に乗り込む。
編成は先頭のDL(ディ-ゼル機関車)が、SUPERIOR(2等)7両、食堂車(軽食のみ)、PREMIER(1等)2両、電源車1両の計11両を引っ張る。
KL Sentral 駅はまだ新しく、LRTも乗り入れる他、数多くの飲食店が入る複合駅。
コンコースからエスカレーターでホームに下りるとまるで地下鉄のよう。
そこにディーゼル機関車と電源車がゴーゴー音を立てて止まっているのがミスマッチだった。
今回の座席はPREMIER(1等)。切符や車体には全て「J」と表示されている。ちなみにSUPERIOR(2等)は「K」と表示されていた。昨夜、駅の窓口で確認したら、幸いにも1等に1席だけ空席があり、運がよかった。片道68リンギットとマレーシアの鉄道では高い方だが、日本円に換算すると1リンギットが約30円なので2,000円ちょっとと格安。2等なら半額になるが、1等だと椅子が2+1シートでゆったりしており、ワンドリンクサービスもある。
定刻通りに出発すると、まもなくドリンクオーダーが来た。
しかし、マレー語で話しかけてくるので意味がわからず、
とりあえずオレンジジュースを注文。
外の気温は30℃を越えて喉が渇いていた。
「ジュース、アイス」と言っただけでなんとか通じた。
各車両にはパナソニック製のテレビが置かれ、ビデオが流されていたが、
全然言葉がわからず自分には騒音にしか聞こえなかった。
ちなみに車両は韓国の大宇(DAIWOO)製。
SerembanまではKTMの近郊電車が走っているので複線電化の中を疾走するが、
その先は単線非電化で一気に揺れが激しく乗り心地が悪くなる。
テーブルに置いてある飲み物が、時々落ちそうになるくらい激しい。
晴れているが、突然スコールに見舞われたり天気の変化も激しく、
広がる景色もバーム椰子や熱帯ジャングルの繰り返し。
客車の扉はすべて手動式なので、走行中でも開けて森林浴が楽しめる。
全席禁煙の車内でデッキは愛煙家にとって最高の場所になっていた。
駅が近づくと、ジャングルが突然開けて街並みが広がる。
そして、またジャングル。その繰り返し。
腹がへったので、11時過ぎに食堂車へ行ってみると満席盛況だった。
しかし、売られているのはドリンクや菓子パン、サンドイッチ、カップラーメンなど軽食が中心。
テーブルがあいていれば珈琲でも飲みながら・・・とも思ったが、
パン1個とコーヒーを買ってさっさと自分の座席に戻る。
1人掛けの1等席の方がずっと快適だ。
しかし、パン1個ではやはり足らないので、もう一度買いに行くと残りわずかだった。
列車に乗る前に食料を買い込んでおけばよかった。
時計を見ると列車は30分近くも遅れていた。
途中駅に停車してもすれ違い列車もみんな遅れている。
マレーシアの鉄道はダイヤ通りに走らないのか?
Kluangでは1時間遅れの普通列車とすれ違った。あちらもかなり混んでいる。
14時過ぎにシンガポールの出入国カードが配られ、
いよいよ国境が近づいてきたという実感がわく。
ジャングルが尽きてビルが建ち並び始め、
マレーシア第2の都市、Johor Bahruに到着すると、定刻よりも1時間以上遅れの15時05分だった。
(つづく)
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