人の自我意識の誕生を探る本書を読み解くシリーズ。

 

 

 

 

今までのシリーズ。

 

 

 

本日は第二章の解説です。

 

第二章は、言語についての記述から始まります。

 

言語は比喩(メタファー)で豊かになり発達する。

比喩によって人間は抽象の世界を作り上げられるようになる。

言語によって人間は明確に世界を記述・規定できるようになる。

言語とは変化し続ける比喩の集積体である。

言語は比喩によって無限の状況に対応できる(「表現できる」ということだと思います)。

 

そして私たちの主観的意識も、語句・語彙、つまり言語で成り立っている(ここでジェインズが言う意識が、左脳的言語自我意識だと判明)。

私たちは、未だ言語で表現されたことがない事象に遭遇した時に、比喩を使う。

 

複雑な比喩は連想と属性を含む。

「雪が毛布のように大地を覆う」とう表現の「毛布」は、ベットにかける毛布であり、心地よさや守られている感覚を連想させるが、これば比喩連想。

さらに雪が「毛布」のように大地を覆っているイメージを喚起させる「投影連想」の二つの側面がある。

 
意識は自分自身(意識自身)を創造し続ける。
世界の構造が、私たちの意識の構造に投影される。
 
意識の特徴
 
1. 空間化
私たちは個別の心の空間をそれぞれに持っている。
先ほど述べた投影連想であるイメージを投影する場所。
空間化はあらゆる意識的思考の特徴である。
 
2. 抜粋
私たちは実際に見たものから一部を抜粋し捉える(前回のスコトーマの説明を参照いただければと)。
この抜粋されたものが、我々の知識となる。
自分に対する認識や記憶も抜粋し、他人を見る場合も同様に抜粋する。
抜粋は記憶とは別物。
 
3. アナログの私
私たちの意識の中で、私たちがイメージする自分自身。
その想像の自分は、私たちの代わりに1の空間の中で動き回る。
しかしそれは、想像上の私を作る意識がないと、成立しない。
 
4. 比喩の自分
3の自分を外側から見ている意識のこと?
訳が悪いのか、意味が捕らえきれませんでした。
 
5. 物語化
想像の中の自分を見ている時、そこには物語、ストーリーが存在している。
ストーリーは1の空間内で、時間の流れに沿って展開される。
ストーリーの中で、登場人物がなぜその行動をとったかの理由付けも、同時になされる。
 
6. 整合化
学習された世界の構造を元に、5のストーリーの整合性を取る。
 
 
第二章は以上です。
 
ジェインズは詩的な、小難しい言い回しを多用しているのか、日本語訳からダイレクトに意味を取れないです。
自分の言葉に変換して書き出そうとすると、出来ない部分が多々ある。
 
私は第二章を、
意識空間は一人一人が持っていて、そこには個々のフィルターがかかるので、例え同じものを見ても、認識空間で再現されるストーリーは人によって違う。
そしてその認識空間で繰り広げられることは、言語に大幅に依存し、抜粋された情報なので、全貌・全体を把握したものではない。
イメージの中の自分を作る意識が存在している。
 
のように理解しました。
 
ジェインズの言語、特にメタファー・比喩の部分を読んでいて、日本語には擬態語がたくさんあるが、そのことが他言語と比べて、意識の空間にどのような影響があるのかに興味が湧きました。
 
まだ2章目なので、先は長いぞ、と。
本日はこれにて。