そんなわけで現在

我が家で抱卵を続けているのは

クレムレグバー種の雌鶏

通称『青たまご姉』夫人一羽

 

 

クレムレグバー種は

抱卵が苦手と

されております。

 

青たまご姉夫人も

過去数年間たまごは

産んだら産みっぱなし派、

つまりこれが初抱卵、

故に勿論今まで

子育て経験なし、

しかもこの冬に

妹雌鶏を惨殺されていて

その頃から脚を傷めていて

・・・あとですね、

私は若鶏時代から

彼女のおそばにおりますが、

この雌鶏が過去に

子供好きというか

ヒヨコ好きの片鱗を

のぞかせたことは

一切ないのでございます。

 

しかしそれでも、

いえ、それだけに、

今回の抱卵には

成功して欲しい。

 

さて青たまご夫人が

たまごを抱え始めた頃

実はわが夫(英国人)は

家を空けておりました。

 

つまり雌鶏の生活の

安全確保は私の責任で

それゆえ夫が帰宅した時は

これで肩の荷が下りると

ほっとしたものでございます。

 

 

青たまご夫人が

抱卵を開始したことは

すでに伝えていたので

夫は帰ってすぐ

鶏小屋に行き、ほくほくした

笑顔で戻ってくると

「青たまご夫人、

頑張っていますね!」

 

「2、3日で抱卵を

諦めるかと思っていたのだが

どうやらこれは本気だな。

でも彼女、本当に正しく

たまごを温められているのかな、

転卵とか出来ているのか?」

 

「転卵まではわかりませんけど

たまごはちゃんと

温かくなっていましたよ」

 

「そうか、それは何より・・・

ってちょっと待て、どうして

たまごの温度がわかるんだ」

 

「えっ、こうやって

青たまご夫人に

挨拶をするついでに

手の平を彼女の

お腹の下に入れたら・・・」

 

「おい!駄目だろう!

怒っただろう、

青たまご夫人は!」

 

私の叱責に夫は何故か

嬉しそうに含み笑いをしながら

「怒りました怒りました!

怖い声を上げてつつかれました!

でも確認したらたまごは全部

気持ちよく温まっていて・・・」

 

「全部!全部ってお前

たまごをすべて

撫でまわしたのか!

どうすんだよ雌鶏が

それで腹を立てて

抱卵を中止したら!」

 

「ちゃんとその後雌鶏の

頭を撫でて謝りましたよ」

 

「・・・青たまご夫人、

今は頭を撫でられるのも

嫌がる状態だと思うが」

 

「ええ!またつつかれました!」

 

「お前・・・お前!

この痴漢野郎!それは

やっちゃいけないことだろ!」

 

「だって抱卵されている

たまごを触れる機会なんて

なかなかないじゃないですか!

青たまご夫人だってあの子は

たまごを抱えていなかったら

こっちが手を伸ばすとすっと

どこかに行っちゃう雌鶏だし

それが今はたまごが大事だから

撫でられっぱなしに

なってくれるんですよ!

そりゃ多少嫌がりますけど」

 

「それは満員電車で

普段近づけない女性のお尻を

撫でまわす中年男の理論だ!

おまわりさん、こいつです!」

 

これ、私人逮捕の

条件を満たしていますよね?

 

 

ただ問題は犯人(夫)の

身柄を確保した後に

どこに連れて行くかで・・・

 

夫の迷惑行為にも関わらず

青たまご夫人は

抱卵を続けてくれています。

 

私はちょっと夫と

話し合いたいと思います。

 

 

なおここ数日間

青たまご夫人の写真は

同じものを

使いまわしておりますが

・・・撮影で彼女を

煩わしたくないんです、

どうかご理解くださいませ

 

・・・私がここまで雌鶏に

気を使っているのに

わが夫ときたら・・・

 

私の憤りにご賛同くださるあなたも

実はちょっとわが夫の

気持ちがわかっちゃうアナタも

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