英国のラグビーファンは現在

シックスネイションズ

(欧州6か国対抗戦)』で

盛り上がっておりますが

その開催を目前に発表された

学術論文が一部で

話題になっております。

 

英国3大学の研究者が

共同で発表したその論文曰く

「ラグビーやボクシングのような

強い衝撃を伴う運動を子供に

行わせるのは児童虐待である」

「親たちは脳の損傷が

子供に与える長期的な影響を

理解していない」

「そしてスポーツ団体は

親がそうした事柄から

目を背けるよう

『グルーミング』している」

 

・・・確かに近年、

ラグビーによる脳の損傷は

問題視されておりまして。

 

長年ラグビー選手として

活躍した結果、長期にわたり

脳に衝撃を受け続け

引退後に後遺症を発症した人々が

 

集団訴訟を起こしてもいます。

 

そういえば数年前(2020年)に

スコットランドでもサッカーでの

11歳以下の選手による

ヘディングが禁止されましたし、

『もっと脳を大事に扱おう』という

スポーツ界における機運自体は

間違っていないと思うのですが、

じゃあ『子供はラグビー禁止』が

正しいのかと問われると・・・

 

いや他にも色々

スポーツはありますよ、

でも言ってみれば怪我の可能性が

ゼロのスポーツなんて

ないじゃありませんか。

 

武道系は言うに及ばず

たとえばバスケットボールだって

かなりの身体接触を伴いますし

脳震盪の危険性から言ったら

乗馬やチアリーディングだって

あれは相当リスクが高い。

 

わが夫(英国人)は

スカッシュの試合中に

ボールが目に当たって

意識を失ったことがありますし、

私も過去にマット運動や登山で

「一歩間違えれば命取り」な

冷や汗をかいたことがありますし。

 

「それに、こんなことを言うと

不謹慎と非難されるかもしれないが、

ラグビーが生まれた背景には

生まれるだけの理由が

あったわけじゃないか。

『ラグビーをやらないことで

生み出されるリスク』も

実は存在していると思うんだよ」

 

私の言葉に夫は頷き

「わかります。ラグビーの危険性を

理解した上で、しかしラグビーを

禁止することで増す他の危険性も

潜在的にある、ということですよね」

 

ちなみに私の考えていた

リスクと言うのは

「ラグビーってのは当時の

英国寄宿学校の先生方が

第二次性徴期真っ盛りの男子児童を

いかに何かに集中させ

疲れさせ夜静かに眠らせるか

考えに考えての発明だろ。

ラグビーに没頭できるような

体がデカく力も強く頭も悪くなく

しかし少々血の気の多い子に

『何もするな』とか言ったら

絶対に体育館の裏で

大喧嘩とか始めただろ?

そんなノールール・

フルコンタクト大乱闘の世界は

どう考えてもラグビーより

危ない、身体的な怪我だけでなく

その後の人生にも社会にも

様々な悪影響が出かねない、

ラグビーはいわば安全弁だよ」

 

しかし私のこの論を夫は

妙な顔をして聞いているので

「・・・あれ、我々は

『ラグビーは危険だが世に必要』で

合意していたのではなかったか」

 

「いや、それはそうなんですが・・・

君のいうことも

一理あると思うんですが、

僕が考えていたのは、たとえば

今回ラグビーを子供に禁止したら

今後どんどんあれも危ない、

これも禁止、になるかも

しれないじゃないですか。

結果として『外遊び禁止』

みたいな・・・走るのも

転倒の危険性があるでしょ?

でもそんなことになったら

子供はどんどん弱くなり、

そして太っていきますよね。

我々英国社会はすでに

驚くべき数の肥満児童を

抱えているんですけど、

今後そういう子供の数は

ますます増え、同時に

肥満を解消させるための

『運動』も禁止されたら

その数はもう増える一方に

なるんじゃないかなって」

 

・・・ああ成程、

それも一理ある、うん。

 

でも私は咄嗟に

そっちの可能性は

思いつけなかったって

言うか・・・

 

 

いいんですけど、

二人は一人に勝るってのは

こういうことだとは思いますけど、

何かしら、この流れだと

私がまるで喧嘩上等修羅の世界

出身の人間みたいじゃありませんか?

 

確かに私の通っていた中学校は

当時荒れておりましたけれども!

 

ボンタンを履いた不良の先輩が

体育館の屋根でタバコを吸って

竹刀を持った生活指導の先生に

怒鳴られるような

昭和の公立校でしたけれども!

 

それを言ったらわが夫は

世界屈指の

肥満社会出身の人間か・・・

 

それは確かにそうなんですが・・・

 

でもどうなんでしょうねラグビー。

 

プレイ出来たら楽しそうな

スポーツなんですよね、また。

 

 

日本代表の松島幸太郎選手とか

私は見るたびに

心を持っていかれますもの

「こんな風に走れたら

世界はどう見えるんだろう」的に

 

でもたとえばそういう選手が

引退後に脳の損傷から来る

病気を抱える姿は見たくない

 

サッカーのヘディングは

いざとなったら大人の試合でも

全面禁止にするテがありますが

ラグビーのフルコンタクトぶりは

いわば競技の根幹にあるもので・・・

 

色々考えていたら

日本のお相撲の力士さんのことも

心配になって来てしまいました

 

妙案はあるのか、

皆様もちょっと

考えてみてください

 

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