そんなわけでPCを
騙（だま）し騙しで
使っているのですが。
今回わが愛機（PC）ったら
いきなりスクリーンの
表示が乱れてですね、
ええそれはもう
ブラウン管時代のテレビが
壊れたかのような有様で。
どこがおかしくなったのか
『設定』とか『システム』を
確認しようとしても
マウスを動かすと
画面が暗転してしまう。
これまで気にしたこともない
インジケーター（たぶん
『アクセスランプ』）が点滅、
これはあれだろうか、仕事で
初めて使った会議室で
HDMIケーブルをPCに
つないだことが
影響しているのだろうか・・・
あまりにどうしようもないため
新しいPCを購入することも
考えたのですが、私の贔屓する
家電量販店（『カリーズ・
PCワールド』）が現在
扱っているのが主に
中古（リファービッシュ）PCで
あることがわかり
いや私は書籍は
古本も大丈夫なんですけど
PCは新しさに惹かれるんです。
八方ふさがりとなったところで
PC画面が少し回復し
（マウスを変なところに
移動させなければ画面が
『見える』状態が続いた）
すがる思いでマイクロソフトの
提唱する『スクリーンに
すべて試し、その中の
『ディスプレイドライバーを
アンインストールする』で
どうやら問題は解決した模様。
ちょっと以降PCの
反応が遅いですけど・・・
今まで表示されていた
『スリープ』選択が
なくなっちゃいましたけど・・・
これは本当に大丈夫なのかな？と
とりあえず大事なファイルを
HDなどにコピーして
急場をしのいでいる、と
とある席で話しましたら
ひとりの若者がやって来て
「お久しぶりです、
僕でよかったらPCの
具合を見てみましょうか？」
私は彼とは
数年前に会ったことがあり
当時彼は大学生だったのが
久々に再開したら肩書きが
『ソフトウェアなんちゃら』に
なっていて、ということは
こちら様『本職』じゃないですか。
「ありがとう、でも今は
なんとかなっているから・・・」
「あ、僕が修理もするとか
そういう話じゃないです。
修理をしたほうがいいか
そのまま使って大丈夫かの
判断なら出来ますよって話です」
「いや、そういうのは私は
町のPC修理屋に行くから・・・」
「お店に持って行ったら
作業料を取られるでしょ。
その前に僕が見ますよ」
「君にお願いする場合は
作業料はおいくらくらい？」
「さらっと見るだけですから！
直しませんから！無料でいいです！」
「駄目だそうはいかない、
そういう技術には
人は対価を支払うべきだ！」
「いいからPCを見せろ！
あらかじめ宣言する、
作業時間は２分、２分の遊びに
金など請求できるものですか！」
・・・この子、いい子だなあ・・・
でもこれは後日ちゃんと
お礼を包まないとなあ、と
心の中で算段する私の横で
ソフトウェアなんちゃら君は
てきぱきと私のPCを起動させ、
うーんナニその表示、
私そんな画面
これまで見たことない、
みたいなあれやこれやを
さっささっさと確認したあと
（ちなみに私のPCの使用言語は
日本語なんですが、彼は
『あ、英語じゃないんだ』の
一言で怯むことなく作業を進行）
「・・・Norizoさん、これ、
問題が出てから一度すでに
リスタートしてあるでしょ」
「リスタート・・・はしたよ。
リスタートというか
シャットダウンね」
「僕は今『システム
リソース』の使用状況を
見ているんですけど、
問題が出ていた時はたぶん
このPCはどこかでメモリを
使い過ぎていたんだと
思うんですよ。でも
それはリスタート一発で
直ることが多いんです。
今こうして見たらもう
問題はない感じですね。
なんだ残念、僕はささっと
リスタートをかけて
問題を解消して
何も知らないNorizoさんを
感心させるつもりだったのに」
「ハハハ、ありがとう、
でもどうしてメモリを
使い過ぎちゃったんだろう、
やっぱりHDMIケーブルに
つないじゃったのが
良くなかったのかな」
「・・・あの、さっきから
気になっていたんですが、
それは冗談ですか？
NorizoさんはHDMIケーブルを
何だと思っているんですか？
まさかそこから
ウイルスが侵入する、とか？」
「・・・だってケーブル接続に
気を付けるのは基本でしょ」
「Norizoさんは本当に
HDMIケーブルの機能を
理解していないんですね・・・
ごめんなさい、僕は今
ちょっと驚いています・・・」
「おう言うてくれるやないけ。
じゃあどうして私のPCは
HDMIケーブルを使った直後に
半死半生状態になったんだよ」
「だからそれはたまたまで、
でもそうですね、CPUを
見てみますと・・・
なにこれ低ッ！
NorizoさんのPC、
CPUのコア数低ッ！」
「えっ」
「僕の見間違いかな、
だってこんな
低いなんてこと・・・
うわあ何度確認しても
コア数低ッ！」
「・・・購入時はこれで
『CPUコア数割と高め』の
PCだったんだけど」
「購入時ってそういえば
このPCはいつから
使っているんですか？」
「２０２０年から・・・」
「古ッ！Norizoさん、
原因はそれですよ！
４年目のPCに動作速度が
どうこうとか言っちゃ駄目です」
「いやでもこの間までは
なんともなかったんだよ！」
「こういうのはガタっと
くるものなんですよ、
というか元々遅かったのに
Norizoさんが気づいて
いなかっただけじゃないですか？
コア数これっぽちで
これまで本当に
大丈夫だったんですか？」
「大丈夫だったよ！」
「・・・Norizoさんて
もしかしてPCを
そこらへんの文系大学
一年生程度にしか
使いこなせていない感じ？」
「ああその通りだよ！」
「まあでもゲームを
しない人ならこんなものか・・・
いやでも面白かったです、
久々にこんな低スペックで
古いPCを触りました」
「君は変わっちゃったね！
数年前はもう少し
かわいげのある
学生だったのにね！」
専門性を身に着けた若者ほど
怖いものはありませんね。
しかしおかげさまで
わがPCは『修理に
出す必要なし』との
ことでしたので
・・・ソフトウェア
なんちゃら君には後日
いやがらせ半分のお礼を
渡したいと考えております。
若造め、わがＰＣのことを
好き勝手言いおってからに！
「あの、僕、職場で
『HDMIケーブルで
ウイルスに感染するって
思っていた人がいた』って
ネタにしていいですか？」
「・・・いいよ。ケーブルの
先に毒が塗られていたら
素人にはわからないだろうって
言い訳していた、
まで言っていいよ」
「毒・・・いや、
そこまで言ったら
ネタっぽいですから・・・
ぷぷ・・・ケーブルの
先に、毒・・・！」
いやでも塗られた毒が
乾いていたら
気づきませんよねえ！
・・・Norizoさん、それは
どこまで冗談なんですか？
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