アルゼンチンといえばですね、

私は前回のサッカーW杯決勝

フランス対アルゼンチン戦を

フランスはパリの

シャルル・ド・ゴール空港で

観たんですよ。

 

色々あって・・・

 

乗り継ぎで・・・

 

待ち時間も

滅茶苦茶あって・・・

 

国際線のゲートに沿って

待機椅子がずらりと並ぶ

吹き抜けターミナルで、

椅子の間にスクリーンが

いくつも設置されて

おりますでしょう、

あれが時間になったら

ほぼすべて試合中継に

切り替わりまして。

 

それまでは

適当なニュースとか

流していたんですけど。

 

空港管理者も

そこらへんは

わかっていますよね。

 

ただ残念ながら

場所柄か音声はナシ。

 

私は試合前から

スクリーンが良く見える席に

陣取っていたのですが

試合が始まるとそれはもう

わらわらと多くの人が

席を埋めていきまして。

 

あそこってゲートエリアは

手荷物検査場からちょっと

距離があるんですよ、

手荷物検査を済ませると

免税品店エリアを通り抜けて

それでゲートが見えてくるんです。

 

ゲート待機席からは

免税品店に遮られ

手荷物検査エリアは見えない。

 

試合なんですが

皆様覚えていらっしゃいますか、

あれはアルゼンチンが

先制、追加点、

そこから土壇場で

フランスが同点に追いつき

延長戦で1点ずつ追加の

PK戦でアルゼンチンが勝利

 

で、あれは先制点が入った

直後だったかと思うんですが、

免税品店エリアのほうから

中年男性が一人、本人なりの

全速力でゲートエリアの

スクリーンに向かって

走って来たんですけど、

 

 

検査所で脱がされたのか

靴を履いておらず、

ズボンにベルトも

通っていないため

ズボンはずり落ちかけていて

それを靴ごと右手で抑えていて、

左手に荷物を持っているんですが

それも明らかにジッパーが

しっかりしめられていなくて、

なんかもう曲芸師というか

『コント:慌てている人』

みたいな感じで、

転がり込むように

スクリーンの前に走り込んで、

得点を確認すると

ズボンをあげるより

靴を履くより先に

半開きのカバンに片手を突っ込み

パスポートの有無の確認でも

しているのかと思ったら

ズルーッとそこから

アルゼンチン国旗柄の

タオルを取り出し、

それに愛と敬意をこめて

熱く接吻をしたのです・・・!

 

なんかもう正直

走る姿も音もガッチャガッチャと

こう言ってしまうのも何ですが

割と見苦しいというか、

息はあがっているし

汗もかいている感じだし何より

ズボンが落っこちかけているし、

周囲もそれまで明らかに

「なんやあのオッサン」

みたいな横目で

男性のことを見ていたのですが、

その接吻の瞬間、何というか

彼はすべて許されましたよね。

 

仕方ないでしょ!

 

母国がW杯決勝で

サッカーしているんですよ!

 

なおこの素敵なおっさんは

試合結果を確かめることなく

・・・両チーム同点の時点で

利用便の離陸時間が来たようで・・・

「神よ私が何をしたんです」

みたいな顔で

搭乗口に向かって行きました。

 

あのおっさんが目的地に着いて

試合結果を確認した時の

喜びようを想像しながら

長い乗り継ぎ待ちの時間を

乗り切った私です。

 

 

そんなわけで以来私は

アルゼンチンのサポーターは

憎めないところがあるのです

 

いや、なんか本当、

愛しているんだと思う、

自国の代表チームのことを

 

タイトルの『おっさん』は

敬意をこめての言葉です、

どうか真意をお汲み取りください

 

自分はあのおっさんほどに

純粋な愛を代表応援に注げているか

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