コロナに関して日本にも

緊急事態宣言が出たようですが

それを言ったら英国は

現在3回目のロックダウン中

・・・あれ?これっていわゆる

『マウント』発言?

それとも『奴隷の首輪自慢』?

 

(どちらも不正解)

 

そんなわけで皆様ご存じの通り

英国は現在コロナ警戒レベル

『最大警戒レベル(ティア)4』の

さらに上を行く

『ティア4プラス・アルファ』

みたいな状態になっておりまして

・・・変異ウイルス、これ、

もしかして相当に

感染力が強いのと違いますか。

 

さてしかし我々『田舎住まい組・

オンラインで仕事が出来る班』は

外出制限が多少厳しくなろうと

実は普段の生活に

それほど変化はないのですが、

ともあれこの

第3回目のロックダウンが

施行された1月5日、

私は地元のかかりつけ医から

検査呼び出しを受けました。

 

この状況下でなおも通常の

医療業務を遂行しようとしてくれる

NHS(英国保健サービス)に

心から感謝しつつ

診療所に向かいましたら、

ここは数年前から受付が

自動タッチパネル方式に

なっていたのがやはり

このご時世『接触』は危険、

ということなのでしょうか、

パネルスクリーンの上に

『受付は奥の席の係員に

直接声をおかけください』という

紙が貼ってありまして。

 

指示通り私は待合室奥の

受付デスクにいた

係の方のほうに行き

自分の氏名と生年月日と

予約時間を告げました。

 

「はい、では待合室に

お座りになってお待ちください」

と言われて素直に席に着いて

気が付いたのがこの

『受付係』の方の忙しさです。

 

彼女はまさに最前線で

孤軍奮闘、勇猛に戦っておりました。

 

ひっきりなしに鳴る電話、

予約時間に合わせてやってくる

私のような患者への対応。

 

さらに一部の患者さんはどうも

現在が緊急事態であるという

認識に乏しいらしく

世間話や医療相談を受付に

持ち掛けてしまったり

(『医療相談は電話で』が

この診療所の基本方針)、

マスクをつけずに

待合室に入って来て

「あのー!マスクの忘れもの、

ありませんでしたかー?」とか

大声を出してしまったり。

 

一説によると現在こうした

医療現場最前線で

働いている方々は

本当の本当に

人数ギリギリで仕事を

回しているとのことで、

ほら、だってコロナ感染の

危険性が一番高い職種の

方たちなので、かなりの割合で

『コロナ病欠』者が

存在するらしいんですよ。

 

コロナ以前のこの診療所の

受付デスクには常に

2人以上の係がいたし、

しかもその時は『患者来訪受付』は

タッチパネルで各自が

やっていたので、そう考えると

受付係員の仕事は現在

コロナ前に比べ2倍、

いや3倍になっていると思われる。

 

もうね、受付係員の頭から

湯気が上っているのが

私には見えるようでした。

 

しかもこんな忙しさの中にありながら

彼女は患者に対し常に柔らかく接し、

電話応対の際の声音も見事で

・・・あなたのような人のことを

『地の塩』というのでしょうね!

 

だから私は彼女が私の予約を

『システム上で有効にしそこなった』と

告白してきても反射的に怒りを

見せることができなかった・・・!

 

いや、待合室で45分ほど

待ちぼうけを食らってですね、

でもこの緊急宣言下で

「私、待たされているんですけど!」

とか迂闊に言っちゃうのもアレかな、と

自分の予約時間が過ぎてから

30分は待ったんですけど、

私より後から来た人が全員

診療を終えた、みたいな状態になり、

しかも私は嫌なところに

経験を積んでいるものですから

「私が呼ばれる検査室はあそこだな」

って部屋から検査担当者っぽい

看護師さんが休憩に

出ていくのが見えてですね、

仕方ないのでせめて腰だけは

低くしながら受付デスクに行って

「あの・・・私の予約、

通ってますよね?」

 

「ええ、もちろん・・・あ!

すみません、私、最後の

確定ボタンを

押しそこなっていました・・・!」

 

彼女はそこから全力で私の予約を

取り直そうとしてくれたのですが

15分後、とても申し訳なさそうに

「あの・・・検査室が

・・・今・・・停電・・・で・・・」

 

でね、その時、私は

受付の係りのお姉さんが

『身構える』のに気が付いたんですよ。

 

「さあ、この患者さん、今から

怒鳴るぞ」みたいに。

 

まあここで私が多少声を荒げても

それは許される状況では

あったかもしれないんですが、

私は本当にその時「うっ」と

胸に重い一撃を受けた後のような

嫌な気分にはなったんですが

・・・認めたくないものだな!

『うっかり故の過ち』というものが

人にはどうしてもあるし、

自分自身も過去に何度か

そういうミステイクを

犯したことがある事実というものを・・・!

 

いや、私はそこで言えなかったんです、

「なんてこったい!いい加減にして!」

みたいなことは・・・!

 

いやそりゃこっちだって

予約時間の10分前に

診療所入りするために

朝から色々バタバタしましたし、

私のような

ひきこもり生活者からすると

『診療所の待合室に45分』とか

それだけでかなりの

高リスク行動とも言えますし、

診療所までの道だって

かなり路面状況は悪く・・・

 

だから正直、心の底には

「私の無駄足をどうしてくれるの!」

みたいな叫びがあったのですが

でもやっぱりそんな言葉を

こんなに頑張っている

医療従事者にぶつけることは

人として出来ない。

 

だから私は

笑顔(強張ってはいた)で

彼女の言葉を受け止め

「では家に帰って

カレンダーを見て

再度予約を入れるための

電話を後程します」

 

とはいえ、私はその後、5時間ほど

ちょっとメソメソしておりました。

 

 

いや・・・だってさ・・・

 

あそこで大声を出していたほうが

直後の気持ちは

スキッと晴れていたかな、

みたいな思いもあるんですけど、

でもそれをやったら間違いなく

今後半年、私は自分の行動を

恥じることになったと思うので

・・・うん!これは飲み込もう!

 

でも待合室45分滞在の間に

変なウイルスを貰っていたら

それはそれで後悔しまくり!

 

どうか大丈夫でありますように!

 

全世界の医療関係者の皆様、

多大なるストレスの中

本当に頑張ってくれてありがとう!

 

 

ちなみにメソメソから

どうやって5時間で

浮上したのかというと

それはアナタ、主に

夫(英国人)へのやつあたりですよ

 

Norizoさん、そのオチ、

すべて台無し

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