色々ありまして本日の

私のノリはいつもと少し違います

 

ノリというか・・・

えっ?芸風変えたの?

みたいな・・・

 

たまにはそういうこともあります、

どうかおつきあいください

 

細かい経緯はさておき

私はこの夏

『音の狂っていない』

ピアノを手に入れました。

 

で、物珍しさもあって

割とせっせと

鍵盤とお近づきになり

夏いっぱい練習したのが

久石譲『Summer』。

 

 

 

他人様に

お聞かせするレベルでは

まったくないのですが

個人的に勝手に密室で

陶酔できる程度には

曲に馴染みまして

・・・2か所完全に

運指(指使い)を間違っていて

ほぼ必ずそこで

つっかえはするんですけど・・・

 

運指が間違っていることは

わかるのに、じゃあ正しい運指は

何なのかがわからない、

所詮はその程度のヘボさである

ピアノ者の本日は戯言です。

 

さてそして私はピアノ弾きとして

ヘボのヘボでありますため

ある程度1曲を『弾ける』ようになると

当然のごとくそこで満足して

なんとしばらく練習を止めてしまう。

 

風に秋の香りが

混じり始めたあたりで

これはイカンと思いつつも

でも手元に譜面が

あんまりないしな・・・

 

譜面を買いに行くにしても

このコロナ禍で外出は避けたいな・・・

 

いいですか皆様、これが

ピアノ練習サボり魔の

歪んだ現実認知と

いうものでございますよ!

 

しかし11月になったあたりで

私もそういう自己欺瞞に

飽きてきまして、そういえば

新しいピアノと一緒に

『人気ピアノ曲50選』みたいな

軽薄かつ分厚い楽譜が

一緒に届いて来たじゃない!

 

改めてページを繰ってみると

・・・おや!

 

『亜麻色の髪の乙女』が載っている!

 

私はこれ、学生時代には

ある程度弾けていたはず!

 

案外指が曲を

覚えているんじゃない?と

軽い気持ちで

譜面を追ってみましたところ。

 

・・・いや、学生当時に

『ある程度弾けていた』というのは

あくまでもヘボな若いピアノ弾き

(正直『ピアノ弾き』と自称するのも

おこがましい技術力)の

考えるところの『ある程度』。

 

優れたピアノ演奏者が弾く

『亜麻色の髪の乙女』が

二十世紀初頭のフランスの

気品と情緒あふれる、

ルノワールが

土下座してモデルを頼むであろう

完璧な美少女であるのに対し

 

 

 

 

私の弾く彼女はその・・・

 

まあ顔立ちはそれなりっていうか・・・

 

でもこの子は健康だし、

話していて面白いし、

素直で狡いところがないし、

あと何より髪!髪の毛は実際

とてもきれいなんです!

 

美容室に頻繁に

足を運ぶような子じゃないから

イマドキのインスタ女子のように

エフェクトがかかった

ツヤツヤヘアは

していないんですけど、

濃い髪を腰までたっぷり伸ばしていて

ちゃんとブラシがかけられていて、

口を開くと案外毒舌なんですけど

こっちが鍵盤を叩いている間は

ふっと言葉を留めてちょっと

皮肉っぽい感じに唇をすぼめて

でも旋律がそれなりに盛り上がると

「悪くないじゃない」みたいな表情を

照れくさそうに浮かべてくれる。

 

つまり私が弾きたい

『亜麻色の乙女』はそんな感じ。

 

皆様今日の私の文章に

ついてきてくださっています?

 

気持ち悪いですよね、

音楽をこういう風に語る人間って!

 

ともあれ。

 

見覚えのある譜面を前に

まずは右手を鍵盤に置き

あの懐かしい冒頭の一節を

奏でようとしたところ。

 

わが右手、まったく

思うように動かじ・・・!

 

和音などまったく登場しない

純粋にメロディだけの

あの主題を指が負えない。

 

で、そこに和音と左手が

入ってくるんですけど

右手で一音を

追いきれない人間が

果たして複数の音を

両手でまかないきれる

ものでしょうか・・・!

 

そりゃ二十数年ぶりに弾くんです、

あの時の懐かしい娘さんが

「あら、久しぶり!」みたいに

すぐに目の前に

現れてくれるとは

私も思っていませんでした、

でも彼女の面影くらいは

そこに見出すことが

出来ると思っておりました。

 

それが・・・何かしら、

相変わらず髪は長いんですけど

そこにツヤとかハリがまったくなく、

なんかもう汚れまくりで脂っぽくて

ところどころにチーズみたいな

変な塊がこびりついていて

「・・・君、最後に

美容院に行ったの、いつ?」

 

「・・・」

 

「最後に髪を洗ったの、いつ?」

 

「・・・」

 

「最後にブラシをかけたのはいつ?」

 

「・・・」

 

髪だけじゃなくてなんかもう

姿勢もすっかり悪くなっていて

びっくりして顔を覗き込むと

「・・・ちょっと!君、最後に

お風呂に入ったのはいつよ!

ゴハンは何を食べているの?

というか毎日ちゃんと寝てるの?

君、いったいどうしちゃったのよ!」

 

次の瞬間、

彼女は憤怒の形相

私に向かって昭和の時代の

三角錐型メトロノームを

振り上げてきたのです・・・

 

 

 

 

そう、彼女をこんなひどい

ネグレクト状態に追い込んだのは

誰でもない・他でもない私・・・!

 

現在、二人三脚でリハビリ中です。

 

まずは生活様式の改善

すなわち規則正しい生活

(毎日の練習)。

 

髪の毛は多分短く切って

一から伸ばし直さないと駄目

(右手と左手、それぞれ

わけての練習から開始)。

 

ゴハンはちゃんとしたものを

三食しっかり食べ

お風呂にもゆっくり入る

(テンポも『ゆっくり』から開始)。

 

地道に頑張りたいと思います。

 

 

いや、もう、第一印象

「あ、これはもう無理」

だったんですけど、

やはり何事も

諦めたらそこで

試合終了ですから

 

それにしても皆様、

私の今日の語り口、

たまらなく

気持ち悪かったでしょ?

 

すみません、でも

誰かに話したかったんです・・・!

 

夫(英国人)はこういう話を

聞いてはくれるんですけど

私の英語力が悪いのか

あっちの情緒力が足りないのか

「は?その女の子というのは

実在の人物なんですか?

どこから登場するんですか?

イメージ・・・って何故イメージが

楽器演奏に必要なんですか?」

 

音楽演奏・鑑賞には

イメージを大切にしたいアナタも

アレは楽譜の上の記号を

どれだけ正確に音に出すかの

理解力と技術力が一番大事な

ものでしょう?とお考えのアナタも

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