皆様、お聞きになりましたか

英国の大手航空会社BA

(ブリティッシュ・エアウェイズ、

British Airways)のロンドン発

独デュッセルドルフ行の国際便が

英国はスコットランドの

エディンバラ空港に『間違えて』

着陸してしまったお話を。

 

パイロットも管制官も何故

飛行機が滑走路に降りるまでに

その間違いに気付かなかったのか、

という話なのでございますが、

あれですって、乗客がこの

『行き先間違い』に気が付いたのは

着陸後の「エディンバラにようこそ」の

アナウンスが流れた際だそうで、

というかその時に

乗客の皆さんはこれをまず

「愉快な冗談」と受け止めたそうです。

 

一部の乗客が搭乗員に

「待って、今の・・・本気?」と

訊ねたところで乗務員側もやっと

この衝撃のミステイクに気付き

(乗務員たちはこの便を

『エディンバラ行き』と最初から

認識していたらしいです)、

機長が改めて機内アナウンスで

「デュッセルドルフに行きたい方、

もしいらっしゃいましたら挙手願います」

 

乗客、全員が挙手。

 

さて2時間半の後にこの飛行機は

あらためてデュッセルドルフ目指して

エディンバラ空港を

飛び立ったらしいのですが

その間乗客はトイレも使えない状態で

機内にとどめ置かれ、

また当然のごとく軽食の

配布などもなかったそうな。

 

・・・まあBAなら

こんなもんでございましょう!

 

すみません、特定の個人・企業を

過度に誹謗するのは

ブログのマナーとしても

差し控えたいところなのですが

私の中には抜きがたきBAに対する偏見、

いえ、実体験に基づく悪感情があり・・・

 

不思議なのはBAが今なお

英国のフラッグキャリアとして

その名を維持している点で、

でもあれですよ、アナタが

英国に旅行に行きたいな、と

思うとするじゃないですか、

するとそれを聞いた誰かが

「飛行機はBAを使うといいよ」と

言うとするじゃないですか、その時に

アナタが考えなくてはいけないのは

過去にその人にアナタが

どれだけひどいことをしたか、という・・・

 

それくらい私の周囲と私自身は

BA利用時に痛い目を見ております。

 

あ、でも温かい食事の出されない

長時間フライトですとか

預けた荷物の華麗なる紛失ですとか

その荷物が見つかりました!と

午前3時に家のドアを

乱暴にノックされるですとか

そういうことを

是非経験したいという方には

自信を持ってお薦めできます!

 

あとBAを利用した後って

他の航空会社に対して

非常に広い気持ちで

接することができるんですよ。

 

なんか嬉しくない目にあっても

「・・・でも前回の

BAのアレに比べたら!」

みたいな思考が可能になるんです。

 

そういう意味であの会社は

世間の人々の心の浄化・強化を

企業命題として

遂行しているのかもしれません。

 

ともあれ、以上、BAの話。

 

で、翼絡みでもう一つ、

これはまったく別の話。

 

まず時系列に沿って説明しますと

2016年1月

英国下院議員である

デイヴィッド・マンデル氏

(当時53歳、役職は

スコットランド担当相)が

「自分はゲイである」と述べ、

『英国で初めて

同性愛者であることを公言した

保守党所属の閣僚』になりました。

 

マンデル氏は

過去に女性と結婚していて

2016年の時点では

奥様とは離婚済み、

3人の子供は

全員成人していました。

 

その3人のうちのひとりである

オリヴァー・マンデル氏は

2016年5月の選挙で

スコットランド議会議員に

選出されました

(所属はスコットランド保守党)。

 

つまり父子それぞれが政治家、

という・・・これも広義の意味では

『世襲』なんでしょうか。

 

ともあれ、ここに

『ウィングス・オーバー・スコットランド

(Wings Over Scotland、

スコットランドにかける翼)』なる

政治ブログ(姿勢:スコットランド

独立支持)が存在しておりまして、

時は流れて2017年3月に

そのブログの運営者である

スチュワート・キャンベル氏が

「オリヴァー・マンデルの演説って

『オリヴァーのパパはどうして

もっと早くに同性愛者であることを

受け入れてくれなかったのかしら』と

聴く者に思わせるよね」とツイート。

 

つまりほら、デイヴィッド氏が

もっと早くから

同性愛者として生きていたら

きっと結婚もしなかったろうし、

となるとオリヴァー氏は

生まれていなかったろうし・・・

 

この投稿に黙っていなかったのが

スコットランド労働党の党首である

ケジア・ダグデール氏(2016年に

同性と恋愛関係にあることを公言)で

このキャンベル氏の

『同性愛嫌悪ツイート』に

『衝撃を受け愕然とした』、

キャンベル氏のアカウントからは

『憎しみと同性愛嫌悪が

噴き出ている』と自身のコラムで発言。

 

するとキャンベル氏は

ダグデール氏に対し訴訟を起こし

いわく「僕のツイートは

失礼だったかもしれないけど

でも僕は絶対に同性愛に

偏見なんて持ってない!

僕に同性愛嫌悪がある、と

言うのは中傷だ!」

「同性愛嫌悪症だと言われて

僕は心底震え上がった!

(このコメントは下のほうにリンクした

記事とは違う記事でご覧いただけます)」

 

法廷でキャンベル氏はツイートについて

「オリヴァー・マンデル氏が

演説者としてすごくすっごく

稚拙であることを

解説しただけの内容です」

「仮にも知性ある人間が

あのツイートを同性愛嫌悪的と

解釈するなんて考えられない」と説明。

 

つまりキャンベル氏は問題を

討論における『レッテル張り』の

危険性、みたいな方向に

持って行こうとしているわけですが、

出廷した証人たちのうち

ひとり(スコットランド独立支持系

政治ブログを書いていて

同性愛者であることを

80年代に公言したという方)は

キャンベル氏のツイートについて

「趣味が悪いし、無礼だ」としながらも

「でもそこに同性愛者に

平等の権利を与えるな、

みたいな感情は存在していない。

だから自分はこれを

同性愛嫌悪的とは感じない」と証言。

 

一方もうひとりの証人

(人権運動団体の幹部)は

「政治家の演説能力について

述べたい時に、その政治家の

父親の性的指向について

言及する必要なんてまったくない」と

ダグデール氏の

「同性愛嫌悪的だ」という判断を支持。

 

この法廷劇はどう終幕するのか、

注目している私であります。

 

 

記事に引用したコメント等は

いつも通りかなりの意訳です、

ご興味ある方は

ぜひ元の記事をご確認ください

 

ところで皆様はこの

事の発端となった

キャンベル氏のツイートについて

どう思われます?

 

Oliver Mundell is the sort of public speaker 

that makes you wish his dad had 

embraced his homosexuality sooner.

 

私の個人的な感想は

「そういうことは言っちゃ駄目でしょ、

特に冗談としては口にしちゃ駄目でしょ、

少なくとも公の場では駄目でしょ」

 

同性愛嫌悪的であるか、については

『嫌悪』というより『軽視』って感じが強く

もちろん広い意味でとらえれば

それも『嫌悪』の

ひとつになるかも、という感じです

 

ただこういうことを

『こんなこと言っちゃう俺』的に

発言しちゃうなら、

その発言に対する

他所からの批判には

ある程度謙虚になるべきと思うんです

 

謙虚になるべき・・・というか

強くあるべき、というか

 

ここまでのことを言っておいて

いざ自分が批判されたら

「あんな風に言われて

すごく怖かった!名誉棄損だ!

訴えてやる!」というのはどう?という

 

 

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平気で人を殺しちゃうってことは

平気で死ねるってこと

 

という考え方も

世の中にはある気がするの

 

法廷に話を持ち込む前に

まずはツイッターなりブログなり

自分が普段使っている手段を使って

「こういう風に批判されたけど、

自分はこの批判は的外れだと思う。

何故なら・・・」というやり方をすれば

話はもっと建設的な方向に

進んだ気がするというか

 

問題は発言者に

建設的な議論を望む気持ちが

あるかないか、みたいな・・・

 

『レッテル張り』も怖いけれども

「それは『レッテル張り』だ!」と

居直ってしまうのもちょっと違うというか、

つまり痴漢冤罪が怖いあまり

本当の痴漢被害者のことも

『冤罪狙いだろ!』と

批判してしまうのは違う、みたいな・・・

 

あれ?これは本当に違うか?

 

久々に英国のEU離脱以外の

英文記事を真面目に読んで

少し疲労してきた自覚のある私です

 

長文にお付き合いくださりまして

ありがとうございました

 

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