我が家の盲導犬候補生アーシー(仮名)は

まだまだ成長途中ではあるのですが

しかしあれなんです、最近はもう

あまり不安なく飲食店に

連れて行けるようになったというか。

 

 

この週末は夫(英国人)も一緒に

とあるカフェに足を向け

「初めてのお店だから最初に

犬を連れて入店していいか尋ねよう」

 

「アーシーは青ジャケット

(『盲導犬候補生、訓練中』と

書かれている)を着ているし

黙って連れて入っちゃって

大丈夫なんじゃないですか」

 

「まあまあ、最初に一言

あるとないとでは違うものだよ」

 

というわけでカフェの扉を開け

ウエイトレスさんの笑顔に

「こんにちは、このお店は

盲導犬の入店は大丈夫ですか?」

 

「・・・盲導犬の入店・・・

当たり前じゃないですか!

うちは盲導犬には友好的な店で、

それを誇りにしていますよ!」

 

「盲導犬候補生にも友好的ですか?」

 

「・・・候補生?」

 

「現在訓練中の将来の盲導犬です。

もちろん青いジャケットを着ています。

何でしたら

上の方に確認を取ってください」

 

「いえいえいえ、大丈夫です!

どうぞお連れ下さい、あ、

もうそこに犬がいるんですか

・・・ぐふう!可愛い!

そちらの少し奥まった席にどうぞ!」

 

さて昨今の英国では

『訓練中の盲導犬候補生に

みだりに声をかけたり

手を伸ばしたりしては

いけない』という知識が

順当に広まっておりまして、

この日のウエイトレスさんも

それはそれは必死に犬から

目をそらしてくれていたのですが

我々が通された席の

隣のテーブルでは

ちょうどどこかのお子様の

お誕生日会が開催されておりまして

赤ちゃんから5歳くらいまでの

子供達が保護者と一緒に食事をしていた

そんな集団の中の一人が

「ダーディー!いーぬー!」

 

少年の言葉に一瞬にして

ざわめき立つ子供達、

しかしそこはダディが理性と権威

「ああ、本当だ、犬だね。

でもご覧、あの犬は青ジャケットを

着ているだろう。ああいう

ジャケットを着た犬は特別な犬で

今、訓練を受けているところなんだよ。

だから邪魔をしてはいけないよ。

じろじろ見たり、声をかけたりすると

犬の気が散ってしまうからね。

だから頑張って

気が付かないフリをしていなさい」

 

どうやら犬好きである子供の集団が

お誕生会のご馳走を食べながら

必死に犬を無視する図、というのは

なかなかに味わい深いものがありました。

 

ちなみにお子様のうちひとりは

いかにも『赤ちゃん』といった感じの幼さで、

まだ言葉も話せない年頃だと思うのですが、

その子はさすがに治外法権というか

我々がお店に滞在した間ずっと

犬のほうを見てニコニコしていて、

そうか、『犬好き』というのは0歳代から

もうその片鱗を見せているものなのか・・・!

 

いい子たちでした。

 

あ、お店もいいお店でした。

 

犬もいい子でした、もちろん。

 

 

いい子を見ると口元が緩むあなたも

いい犬を見るとつい

目じりが下がってしまうあなたも

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