そんなわけで我が家には

犬がいて、それは犬ですから

犬のようなニオイがするわけです。

 

 

我が家の勝手口のわきに

ケージを置いてそこが彼女の寝場所。

 

そのケージを中心点として半円状に

日々勢力を増していくそのニオイ・・・!

 

「ニオイの壁がありますよね。

目では見えないんだけど鼻で見える壁が。

ああ、本当に犬ってにおいますよね」

 

ぶつぶつ言う夫(英国人)を尻目に

せめてもの対策を、と掃除機をかけると

なんかもう腰が抜けるくらいの毛が

吸い込み口に絡みついて

・・・短毛種でこれってことは

長毛種の犬を室内で飼っているお宅って

本当にお掃除どうなさっているのっ?

 

嫌味とか何でもなく

本気の本気でどうしているのっ?

 

ともあれ犬ニオイは日に日に強さを増し、

犬ニオイを苦手とする夫は

毎日そのことになんのかんの言い。

 

最近は勝手口のある家事室の隣の部屋、

つまり台所の入り口を開けた瞬間に

「あっ犬がいるな」って香りが

鼻をつくようになりまして

「そろそろ犬用シャンプーを

用意した方がいいかなあ」

 

夫のためをも思ってそう言った私に

しかし当の本人である夫が

「別に急がなくてもいいんじゃないですか」

 

「何だ、君は私に犬のニオイ対策を

早いところ取って欲しかったんじゃないのか」

 

「うーん・・・これ、ちょっと怖いこと

告白になるかもしれないんですけど、

聞いてもらえますか」

 

「何?怖い話?大好物だ、聞くよ」

 

 

百物語 (新潮文庫) 百物語 (新潮文庫)
961円
Amazon

 

 

「僕ね、この日ごとに強くなっていく

犬のニオイに本当に

辛い思いをしてきたんですけど」

 

「うん」

 

「今朝の時点から

ニオイが気にならなくなりました

 

「・・・とうとう鼻が詰まっちゃった、ということ?」

 

「いいえ。ニオイはわかるんです。

でもそれを脳が『悪臭』と感知しなくなったんです。

だからもう『嫌なニオイ』じゃないんです、これ」

 

「・・・明日、街で犬用シャンプーを買おう」

 

「いや、だから急いでくれなくても・・・」

 

「駄目だ、明日絶対にシャンプーを買おう!

我々は今、相当に危ない淵に立っているぞ!」

 

ワクチン接種が済み次第

ゴシゴシ犬を洗う予定の私です。

 

 

犬、恐るべし

 

・・・いや、恐るべきは

この場合夫のほうか?

 

犬ニオイがお好きなあなたも

苦手なあなたも

の1クリックを

人気ブログランキングへ