※『リア充』とはネット用語のひとつで

『リアル=現実世界が充実している状態、

あるいはそのような状態にある人』の意味

 

本日の私は起床するなり

腰に鈍い怠さを感知しました。

 

 

「おお、これは

昨日の草むしりが原因だ。

腰に過度の負担を与えないよう

気を付けたはずなんだけどな」

 

うめく私にわが夫(英国人)が

「痛みがあるんですか」

 

「痛みはない。怠いだけ。

でも今日は外仕事はお休みだな」

 

「柔軟体操をするといいですよ。

僕も昨日のコンポスター

(生ゴミ堆肥化容器)から

堆肥を出して畑にまく作業が

今てきめんに背中に来ています。

もっと真面目に

ストレッチをやっておくべきでした」

 

「でもこれは貴い労働の対価だしな」

 

「それよりも僕は寄る年波を感じますね。

以前の僕はもっと力持ちでしたよね。

土を運ぶくらいの作業、1日ぶっ通しでやっても

若い頃は何ともなかったのに・・・」

 

「朝から暗い話は止めてくれ」

 

そんな夫は仕事に出かける際に

「妻ちゃん、じゃあ今日は君は

家でおとなしくしておくが吉ですよ。

庭仕事は腰が調子を

取り戻してからにしてくださいね」

 

「おう、わかった」

 

「今日はちょうど戯曲

(シアター、Theatre)がありますから

その生放送をラジオで聴くと

きっと君の気もまぎれますよ」

 

「シアター?ラジオで

生放送されるほどの大作

どこの小屋にかけられているんだ?」

 

「うち(英国)の議会です。

今日は予算案の概要発表の日です。

お昼の確か12時半頃から

BBCラジオ4が中継しますよ」

 

「・・・それは聴いて面白いものかね?」

 

「面白いですよ!この間まで

財務相を務めていたオズボーン氏は

メイ内閣でも財務を司ることに

割と前向きだったんですよ。

それをメイさんが『ありがとう、でも

結構でございます』と体よく退任させて、

で、後釜に据えたのがハモンド氏です。

ハモンド新財務相にとって

今日は大事な晴れ舞台、

ただし失敗は絶対に許されない

この重圧、この緊張感、

これは間違いなく面白いですよ!」

 

そんなわけでお昼には

BBCラジオ4を

選局してしまった私です。

 

予算案の内容はともかく

演説それ自体はこれは成功したのでは。

 

ラジオを通していくハモンドさんは

まず話し方に嫌味がないし

声もいいし歯切れもいいし

演説が30分を過ぎ

聴衆も疲れてきたな、というあたりで

さらりとジョークを入れ場を沸かせ

・・・なんだかなあ、この人きっと

『リア充』な青春を送ってきたんだろうなあ、

たぶん子供のころからクラス一の、

いや、学校一の頭良しで運動も出来て

先生方の覚えもよく友人にも恵まれて・・・

 

機会があったら彼の演説を是非一度

音声か動画でご確認ください、

人間中途半端に頭がいいと

ついそれをひけらかしたくなるもの、

うっかり尊大な口をきいてしまうもの、

しかしこのハモンドさんは

脳ある鷹は見事に爪を隠すというか

まったく鼻につかないの!そこらへんが!

 

常人には真似のできない

自己統制力を私は彼の演説に感じました。

 

これはこの人、今日は練習に練習を重ねた

演説だからこその妙技だったのかしら、

それとも普段からこんな様子なのかしら。

 

ハモンド財務相の言動に

今後しばらく注目したい私です。

 

 

『聞き手を挑発する演説スタイル』が

古臭く無様に思えてしまうほどの

洗練された滑らかな語り口

 

こんな人とだけは

論戦をしたくないものです

 

ちなみに私は彼の声を先に聞いて

後から彼の写真を目にしたのですが

・・・声が見た目より

10歳は若いですよ、この方

 

ハモンド新財務長官に

幸多かれと願う貴方も

私はオズボーンが

好きだったんですという貴方も

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