全国ガチョウ愛好家の皆さんこんにちは、
本日の記事は皆様にとって
衝撃的な内容になるかと思われます、
どうか椅子、もしくは床に座り
いざという時にしがみつけるもの
手元に用意して先にお進みください。

私がスコットランドを発った日、
我が家の庭にはガチョウが10羽いました。

現在その総数は9羽だそうです。

ドッギャーン


ええ、夫(英国人)は
ルビコン河を渡りました・・・!

「・・・そうか、終わったことにはもう
私も何も言わない、お疲れ様であった」
「本当に疲れました・・・本当に」

「・・・やはり大変だったか」
「それはもう想像以上に大変でした」

「それはあれ?やはり生き物の命を
その手で終わらせるところに
良心の呵責のようなものが、という?」
「僕もそこが一番の難所になるだろうと
作業を始める前は思っていたんです。
しかし全工程を終えた今振り返るに、
こういうことを言う僕を
誤解して欲しくはないんですが、
『ガチョウを絶命させる』行為それ自体は
心理的抵抗感を除けば作業そのものとして
それほど困難な仕事ではありませんでした」

では何が大変であったのかというと、
生きたガチョウを食肉にするにあたっては
『毛を毟る』という作業が必須なわけですが
「僕はこれまで何度かキジやニワトリを
さばいた経験がありますから、
ガチョウの処理がいくら難しいとはいっても
絶命させてすぐに毛抜きを始めれば
そこらへんそれほど難しくはないだろう、
という思い込みがありました。あれ、
お肉が冷えちゃうと大変なものなんですよ」

「そうですか」

「でもね、ガチョウはキジやニワトリとは違いました。
羽を抜くのに倍以上の努力が必要というか、
もう簡単に抜け落ちてはくれないんです。
で、やっとのこと表面の羽部分を
取り終えたと思ったら今度はその下にびっしりと
世にいう『ダウンコート』が生えていてですね、
もうこれが上等の絨毯もかくやという密集ぶりで
なるほど羽毛布団の最高品質素材が
ガチョウの胸毛であるという理由がよくわかりました。
そしてこれが毟っても毟っても毟りきれない」

ふと気がつけば毛毟り作業を開始して
すでに3時間が経過していたということで、
しかし夫の目の前にはまだ毛まみれの
ガチョウ肉が厳然として存在するという有様。

疲労に負けそうになりつつも
そうだ、こういう場合はお肉を
熱湯に浸せばいいんだ!とひらめいた夫は
台所でお湯を沸かし、
それをガチョウ肉にかけたところ
「ダウンコートというのは
素晴らしい天然素材ですよ。
撥水性がただごとではありません、
お湯はすべて羽毛の上を滑り落ち
肝心のお肉部分には到達しませんでした・・・」

ガチョウを1羽丸裸にするのに
結局のべ6時間は要したとの話です。

「妻ちゃん、経験から僕は学びました。
もう我が家でガチョウを処理しようと
考えるのは止めましょう」

「・・・すると今後の我が家は
ガチョウ9羽体制を維持するのか」

「いえ、なんとしてもガチョウを引き取ってくれる
お肉屋さんもしくは食肉業者さんを見つけます」

無毛状態になったガチョウは
現在冷凍庫に入っているそうです。

我が家の新年会の主菜の予定です。


わかっています

何が悪いって私がこのブログにおいて
ガチョウたちに感情移入してしまったというか
多分に擬人化して記述してしまったところが
すべての問題の始まりなんです

うん・・・

じゃあ2016年は本気で目指しますか!
『(年末に食肉になる予定の)豚のいるブログ』!

美味しくお肉を食べる貴方も
だから私は野菜と豆で
生きているんです、という貴方も
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