さて、われらの夢の新居は
(夏でも)寒くて(構造上)暗くて
(色々あって)臭くて(山奥だから)不便で、
でも!でもね!
素敵な庭がついているんです!

・・・とまあそのようなことが
私のこの春の心の支えというか
現実逃避の足掛かりでございまして、
ええ、ガチョウの面倒は見ても
トイレの世話は二の次で
お便座壊れっ放し、という・・・
これは風水的にはどうなんでしょうね?

でもいいの、おかげさまで
ガチョウのヒナがついうっかり
居間のストーブ前で粗相をしても
「おやおや、カーペットに
新しい汚れがついちゃったね」
で済ますことができる、
だってすでに色々焦げ跡とか
変なシミとか目立ちまくっているから、
えーとほら、これが漁夫の利?

(違います)

まあ正直言うと
壁の拭き掃除やペンキ塗りよりも
外で草を毟る方が私は好きなんです。

しかしそこにも落とし穴はありました・・・

スコットランドのアウトドアおよび
ガーデニングの天敵、
ミッジ(midge、和名『ヌカカ』)。

体長1ミリのこの黒粒野郎は
体が小さいことをいいことに
人の顔や足や腕だけでなく
耳の中や後ろにも潜りこみ
ついでに髪の中にも入り込み
もちろん僅かな隙間を狙って
服の裏にも忍び込み、しかるのちに
思う存分血を吸うべし!吸うべし!
という、およそ一般的な蚊の
6倍くらい鬱陶しく手におえない
魅惑の吸血動物なのでございます。

そしてスコットランドはミッジの名産地。

ですけど、ほら、私も
スコットランドに暮らし始めてもう
長いじゃない?

そういう『土地の生き物』にも
ある程度の耐性はあるっていうか・・・

甘かった。

私の考えは甘かった!

ミッジは木立や水場が大好きなのですが
・・・ええ、我が家は森に囲まれて
そして敷地内には
ばっちり水場もございまして。

結局ね、私が今まで暮らしていたのは
スコットランドの『街のほう』だったんですよ、
故郷の東京と比べていたから
「ああ、私は田舎に来たなあ」
とか不遜にも思い込んでいただけであって、
それで私は今回スコットランドの
『山のほう』に引っ越しちゃったでしょ、
自然の驚異的な意味でのその差は歴然というか
・・・嘘だと思うなら我が家の庭にいらっしゃい!

太陽光に『夏らしさ』が含まれたその日から
ミッジさんたち、前庭にて連日
大パーティーを開催、これがまた大盛況。

参加者数は日増しに増えて、
とうとう今朝は
夫(英国人)が窓から外を見るなり
「ああ、これはあれですね、
普通のパーティーではなく
シーズンぶっ通しの
サマー・フェスティバルか
何かだったみたいですね」

たぶんね、主催者がね、
『今年の目玉はレアものヴィンテージ!
ご当地スコットランドでは
なかなかご賞味いただけない
イングランド産・重め肉脂系と
なんとびっくり日本産・骨がち雑食系、
そのうえ両者40年物
(注:日本産は少々投薬の残り香アリです)、
この珍品、フェスティバル会場で
飲み放題吸い放題!
どうかこの機会をお見逃しなく!』
とかなんとか告知を出したんだと思います、
遠目で見てもわかる参加ミッジの興奮ぶり・・・

ええ!

喰われています、吸われています!

己の顔を触った時に
指先に触れるボコボコ感・・・
あいつら、少しは遠慮をしろよ、と・・・!

ちなみにね、防虫対策だってしているのです。

効かない!

まったく効かないね!

私の魂の嘆きは明日に続く。

ボコボコ。


庭はね、庭の花はね、
最近きれいに咲いていますよ

たまねぎ坊やの成長


でもそれを鑑賞するために
外に出ることが苦しい状況なの

何これ、拷問の一種?

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