わが家の新婚ガチョウ夫婦は
このたび無事に
4個のたまごをヒナに孵し、
母ガチョウである妹姫は
「今年の放卵はもう終了です」
とばかりにヒナたちと外遊びを楽しみ
日光浴と栄養摂取に
まったく余念がない様子。

そんな時にガチョウ夫妻の巣の中に
『ヒヨヒヨ内側から声がする』たまごを
1個見つけてしまった我々は
いったいどうするのが正解なのか。

(詳しくは昨日の記事をご参照ください)

「私は知っている、こういう時は
母ガチョウの本能を信じて
たまごを巣に返すべきなのだ。
これは人間が下手に
介在してはいけない状況なのだ」

震える声で思うところを述べる私に
同じく震え気味の声でわが夫(英国人)は
「ですが、このたまご、明らかに
過去半日は放置されている様子です。
春とはいえ日陰はまだまだ肌寒い
この北国で、母鳥に抱卵を
放棄されてしまったたまごに
未来はないものと思われます」

「でもこのたまご、中でまだ何か
ヒヨヒヨ言っているではないか!
妹姫がこの声を聞けば
仕事がまだ途中であったことを
思い出してくれるかもしれん!」

「妻ちゃん、ひどいことを言うようですが、
今さらそのたまごを温め直しても
孵化の可能性は低いと思います。
たまごの温度、冷え性の君の手よりも
冷たくなっているでしょう?」

「じゃあ何か、このたまごをもう1個の
『孵化に完全に失敗したたまご』と一緒に
コンポストに捨てろとでもいうのか!
ヒヨヒヨ言ってるんだぞ、まだ!」

「本来こういうことは
僕もやりたくないのですが・・・
とりあえず、そのたまごを
僕たちの手で温めて見ましょう」

えっ。

というわけで、たまごを我が家にご招待。

「しかし我が家に孵卵器はない。
こんなことなら買っておくべきだったか」

「とりあえず人肌で温めましょう。
君はそうした用途にばっちりの服を
まさに着ているじゃないですか!」

・・・万能衣類だ、健康腹巻

腹巻の中にたまごを入れ
(うん、ものすごく冷たかった)、
セーターをズボンの中にたくしこみ、
さらにひざ掛けを腰に巻き
「しかし私も1日中この格好を
しているわけにもいかないだろう」

「僕は気にしませんよ?」

そうではなく。

こんな会話の間にも
たまごの中からはかすかに
ヒヨヒヨと声がする、
ああ、本当に
何をどうすれば間違いないのか。

「だが気のせいだろうか、
ヒヨヒヨ声がさっきより
強くなってきた気がするのだが」

「たまごを温める、という
方向は誤っていないことが
これで証明されましたね」

でも私、明日この格好で仕事に行くのか?

ゆったり目の服を着れば
1日くらいはごまかせるものか?

悩ましい思いに腹を撫でつつ
そこから響いてくる
ヒヨヒヨ声を楽しんでおりましたら
(胎動を楽しむ妊婦さんの雰囲気を
ご想像いただければ大丈夫)
(大丈夫って何がだ)
ネットで今後の対処法を
検索していた夫がやって来て
「妻ちゃん、ここまで
やっておいて何ですが、
そのたまご、やっぱり巣に戻して
あげないといけないみたいです」

「な、何故だ!」

「母鳥がたまごを一時放棄しても、
24時間以内に抱卵を再開すれば
たまごが孵化できる可能性はあるそうです。
たまごを巣に戻して様子を見ましょう」

「しかしたまごを巣に戻しても
妹姫がたまごを無視する可能性も
またゼロではないわけだろう」

「ええ。ですが孵卵器なしで
そのたまごをヒナに孵す可能性も
かなり低いものであると思われます」

話し合いの結果、我々は
たまごをそっと巣に戻し、
しかるのちに妹姫を産屋に誘導。

妹姫、どうやらそっと
たまごの上に
座ってくれてはいる様子。

このまま抱卵無事再開となるか?

続く。


内容に添うガチョウ写真が
本日ございませんので
我らのアイドル『おっさん』の写真をどうぞ

よう、おひさ


むれむれ


そう、彼らは帰ってきたのです

春だね


ありがとう、
庭におっさんのいる生活

セクシーショット1


でもなんか今年のおっさんは
去年のおっさんと比べて
見た目が柔らかい気がするのよね

おっさんとガチョウとヒヨヒヨと
ニワトリに囲まれた人生
の1クリックを

人気ブログランキングへ





素晴らしき哉、人生! ジェームズ・スチュワート ドナ・リード CID-5011 [DVD]/キープ株式会社
¥540
Amazon.co.jp