そのあまりの漁色家ぶりにより
『もう我が家には住まわせられない』
との決断が(私によって)下された
新人ニワトリの白黒雄鶏君。

よろしく、世界


しかしこんなスケベ雄鶏を
誰が引き取ってくれるというのか。

これはもう心を鬼にして
丸焼きコースを選択するしかないのか。

・・・やっぱり
追放とか放逐とか調理とか
そういう過激な対応はよくないかしら、
多少スキモノの度は過ぎていても
人類みな兄弟、
ニワトリは皆ニワトリ(意味不明)、
ここは雌鶏さん方に
多少我慢していただいて、
そしてオレンジ雄鶏さんにも
広い心を持っていただいて、
集団・社会・地域全体で
この白黒雄鶏のエロ性根を
矯正していくべきなのかしら。

しかし待ってほしい、
会社にやって来た新入社員が
箸にも棒にも引っかからない
セクハラ野郎であった場合、
引導を渡すのは人事部の務め・・・!

いやもう本当にこの白黒雄鶏の存在は
雌鶏たちにとってかなりの精神的重圧に
なっている様子なんですよ。

最大多数の最大幸福理論に基づいて
ここはストレス源を取り除くのが
飼い主の責任というべきか。

「『誰かもらってください』広告を
どこかに出すか。売り文句としては
『折り紙つきの女ったらし!
独身雌鶏のお相手にどうぞ!』
みたいなところでどうだ」

「そんな手間をかけるより
食べちゃいませんか?」

「・・・何か手立てを考える、
その最終手段は
もう少し後に取っておいてくれ」

そんなある日わが夫(英国人)が
「あの雄鶏、
貰い手が見つかりそうですよ」

ええっ!あんな色魔の?

(色魔とか言っちゃいけません)

勇気あるお申し出の主は
先日我が家の庭の造成に
重機とともにやってきたお兄さん方の
監督責任者さんのガールフレンド。

なんでも作業完了時の最終確認に
監督さんがやって来た時に
ガールフレンドさんも
物見遊山がてら同行してきたそうで
(なにせ田舎だから周辺が風光明媚)、
そこで我が家の雄鶏を見て
「・・・私、雄鶏がこんなに
キレイな生き物だとは
これまで知らなかったわ・・・!」

うん、まあ・・・

確かに内面のド腐れぶりに目をつぶれば
この雄鶏の見てくれはそう悪くない気も・・・

しかもこのガールフレンド嬢はすでに
雌鶏を2羽飼っているという話で
「お婿さんとして譲ってもらえないかしら?」

それはうちの馬鹿にとっても
願ってもないお話でございます!

というわけで我が家の白黒雄鶏の
追い出し先、もとい、受け入れ先は
無事決まったのでございました。

善は急げという訳で、とある夕方
寝支度に入った鶏小屋を急襲、
白黒雄鶏を難なく捕獲。

運搬用の袋に入れる際、彼が妙に
覚悟を決めた目つきをしていたのが
印象的でございました。

白黒雄鶏よ、怯えるがいい。

恐怖の先には何がある、
可愛い雌鶏がなんと2羽、
君のことを待っている。

ガールフレンド嬢の報告によりますと
白黒雄鶏はその後新居につくまで
一声も悲鳴を漏らさず、
納屋の隅で袋から出されても
決然と座り込み動揺を見せず、
しかし翌朝、朝日が昇ると同時に
納屋の反対側に可愛い雌鶏が2羽
むっくりと座り込んでいるのを見つけると、
堰を切ったように喜びの時の声をあげた、
とのことでございます。

めでたしめでたし。

しかし今回の新人移籍で
一番大きな安どのため息をついたのは
オレンジ雄鶏であった気がします。

おっと


ふう


小憎らしい白黒がいなくなった翌日から
目に見えてのびのびしているというか
態度に余裕が出たというか
・・・大将、幸せそうですね。

諸君、元気か


白黒雄鶏を追い払ったことで
白黒雄鶏もオレンジ雄鶏も幸せ、
雌鶏たちもみんな幸せ、
そして白黒雄鶏のもらい主も
譲り主もとても幸せ。

春はいいのう


こんなに丸く収まっていいのかしら・・・!

縁結びの神様ありがとう、な
北国の春でした。


これは私が入院する前の話です

まあ当ブログ上の
時空の乱れはいつものことです、
お気になさらず

オレンジ雄鶏センチネルは今日も
庭で雌鶏たちと大奥ごっこに興じています

楽しそうねえ
の1クリックを

人気ブログランキングへ