謎の緑頭アヒルがわが家に
出没するようになってから数日後。

私は・・・

病院に運ばれました・・・

「アヒルは・・・
アヒルは今日も来たかい・・・」

「ええ、今日も来ましたよ。
そして兄君の後を
追いかけまわしていましたよ」

お見舞いの挨拶としては
かなり不可解なこのような会話を
連日交わしていた
私と夫(英国人)ではありますが、
退院の日にちゃんと庭で私を
出迎えてくれた緑頭アヒルは
客分舎弟としての礼儀を
わきまえていると思ったのです。

お帰りなしゃい


そんな私の心情を敏感に悟ってか
その日、アヒルはいつものように
夜に自分の家に帰ることをせず、
寝所に向かう兄君の後ろを
ぴこぴことお尻を振って追いかけ、
涼しい顔をして兄君と
その恋人(ゴミバケツ)の愛の巣に
潜りこもうとしたのでした。

しかし潔癖な兄君がアヒル小僧の
こんな舐めた所業を許すはずはなかった。

緑頭君、かつてない折檻
兄君から受けて退散。

それでも翌朝、
何事もなかったかのような顔をして
庭の隅で兄君の『出待ち』をしていた
あのアヒルには絶対に
何かの素質がある模様。

その日とその次の日、
アヒル君は妙に甲斐甲斐しく
ゴミバケツ嬢の近くをうろつき回り、
兄君がバケツ嬢に愛を囁く際は
後ろから賛同の呟きをあげ、
数日後、無事に
兄君とバケツ嬢の愛の城に
居候として転がり込むことに成功。

将を射んとすればまず馬から、
兄君の寵を得るには
まず姉御のご機嫌から、とばかりに
以来緑頭君は常にバケツ嬢に
腰を低くして尽くすようになり、
あら気がつけばバケツ姉御を中心に
兄君と緑頭舎弟が
仲良く寛いでいる日々が。

兄貴、いい天気ですねえ


「上手い。上手いなあ!」
「このアヒルは只者ではありませんねえ」

それでもその後、
時々思い出したかのように
アヒルは不遜な態度(バケツ嬢に
必要以上に接近したりですとか、
兄君の餌を横取りしたりですとか)をとり、
そのたびに兄君にお仕置き
(踏まれて噛まれる)をされ。

「何故あのアヒルはあんなことをするのか。
後から痛い目にあうのがわからないほど
頭の弱い子ではないだろうに」

「妻ちゃん、僕はふと思ったんですけど、
あのアヒルは本当に種と性別を超えて
兄君ガチョウのことを愛していて、
しかもその愛を被虐的な形
求める個体なのではないでしょうか・・・」

ああ、つまり世間に一定数存在するという
痛みを喜ぶアブノーマルな性癖の・・・

そういえば目の前に逃げ道
(ガチョウの大きさでは無理でも
アヒルの大きさなら通り抜けできる
フェンスの抜け穴)があっても
緑頭は絶対に兄君のそばから
逃げ出そうとはしないしなあ・・・

アヒル舎弟の明日はどっちだ。

しかしこの緑頭、こう見えて実は
お尻が軽い側面もあるのです。

続く!


セリフをあてるなら間違いなく
「銀ちゃん、カッコイイ・・・
(大部屋所属、平岡安次さん)」
な緑頭君のうっとりぶりです

兄君もまたそんな舎弟アヒルの
秘められた情念を知ってか知らずか
微妙に手加減をしている風ではあるし

何なんだあの男二人のお遊戯は
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