イングランドは

リンカンシャー(Lincolnshire)の

クロウランド(Crowland)

という小さな町に

『オールド・コパー・ケトル

(The Old Copper Kettke)』

という名前の喫茶店があります。



スコットランドひきこもり日記-屋根は茅葺(かやぶき)です


ドライブ中に休憩をとろうと

何気なくお店に

足を踏み入れたのですが。


どう形容したらいいのでしょう、

飲食店で『嫌なサービス』を

受けることが滅多にない、という

強運の持ち主である

わが夫(英国人)さえもが

「僕・・・こんな気持ちのいい

サービス受けたのは久しぶりです」

と呟くほどの居心地のよさ


とにかく店員さんが親切なのです。


飲み物を注文するついでに

「大通りに出るには

この道をずっといって、

で、右折ですよね?」

とウエイトレスさんに尋ねたら

「ちょっと待って。

いつもはそれでいいんだけど、

今はその道、工事中かも


すると話が聞こえたらしい

隣の席のお客が

「そうそう、工事中!閉鎖されてる!

だから迂回しないと、そこは」

「そうよね?そうなると、こう、

左折、右折、右折よね?

今、厨房で地図を描いてきてあげる!」


店内は埃一つない状態に

きちんと掃除されていて、

注文したコーヒーもまた美味しい。


壁際に並んでいるケーキも

どれもこれも魅力的。


「僕、今度はもっと

お腹の空いている状態で

ここに来てみたいです」

「同感だ。今後クロウランドに

来ることがあったら

昼食は間違いなくここでとろう」


額を寄せ合ってこそこそと

夫と密談をしておりましたら

ウエイトレスさんが

紙を片手に戻ってきて

「はい、ここに地図を描いてきたわ!

あのね、この矢印のところ、

ここを左折するともっと早く

大通りに出るんだけど、

貴方達、観光客でしょう?

ならここは右折して、

川沿いの景色を楽しんで!」


『お店を訪れたすべての人が、

自分は大切にされた、と感じつつ

家路について欲しい』

というのが創業者の遺言だそうです。


店内のお客は誰もが

満ち足りた笑顔をしています。


こんな小説の中にしか

存在しないようなお店が

この世に実在するなんて・・・!


懐かしい優しさに満ちた店内を、

皆様も機会があれば是非

実体験なさってみてください。


あれこそが現代の桃源郷


お店の外観を写真に撮ろうとしたら

ウエイトレスさんが走り出てきて

「ドアを開けた状態の写真がいい、

それとも閉じた状態のほうがいい?

私がシャッターを押してあげましょうか?」


いや・・・本当に、また行きたいです


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