すっかり湿気てしまった海苔を

佃煮にしてみました。


お醤油とお砂糖とみりんで

ひたすら海苔を煮る。

弱火で煮る。

菜箸でかき混ぜながら煮る。


ああ、そういえば昔

今は亡き祖母がこんなことを

台所でやっていたなあ・・・


祖母は料理嫌いを

公言していた

女性であったけれども、

佃煮作りとか栗の皮むきとか

カニの身をほぐすしたりとか

そういう作業は妙に

好きだったような記憶があるなあ・・・


海苔とお醤油の匂いにすっかり

『失われた時を求めて』状態に

なっていたところに夫(英国人)が帰宅。


その第一声が

「何ですかこれ。

フラット中が日本の匂いです!」


「ああ、シナシナになった海苔を

佃煮にしてるところなんだよ」


「・・・何ですか、その

お鍋の中にある真っ黒なもの

「海苔の佃煮、つまり海苔のペーストだよ」


スコットランドひきこもり日記-スプレッド、と説明してもよかったかしら


「海苔の・・・海草の、ペースト・・・?」

「ご飯に乗せて食べると美味しいんだぜ」

「へ、へえ・・・」


「今日は お鍋 の残りで雑炊を作ったから

そのとき味見をしてみるといいよ」

「味見をしなくちゃ・・・駄目ですか・・・」

「いや、まあ無理にとは言わないが。

だが私の予想するところではこれは

君が好きになりそうな味をした食べ物だぜ」


部屋で着替えをしながら夫はずっと

「変・・・ヘンナ、デス・・・!ヘンナ海苔デス・・・!」

と日本語で独り言をつぶやいていました。


で、まあ、食事の時間となりまして。


「どうする、海苔の佃煮、味見をしてみるか。

嫌なら無理をしなくていいんだぜ」

私の誘いに夫は歯を食いしばりながら

「スプーン一匙分、だけ、ください」


なんだか悲壮だなあ・・・


まあ確かに海苔の佃煮って

外見はかなり衝撃的ではあるしなあ・・・


しかし海苔の佃煮を口にした夫は

次の瞬間、顔を輝かせ

「美味しい!オイシイデスー!」


そら見たことかー!

(何なんだ)


この冬をわが夫婦は

鍋と海苔の佃煮で乗り切る所存です。



ところで海苔の佃煮を

保存している瓶が

元・チョコレートペースト(ヌテラ)の瓶

というのはどんなもんでしょうか


スコットランドひきこもり日記-左が海苔の佃煮です

ヌテラ ヘーゼルナッツ チョコレートスプレッド大 400g
¥630

ヌテラは最近の私の朝ごはんの友
の1クリックを
人気ブログランキングへ