目の前に古いパンと

焼きたての新しいパンがあったら

まずはとりあえず古いパンから

食べるだろう、常識的に考えて!

という私に対し

「そういう考え方は

まるで僕の母方の祖父みたい」

と反論するわが夫(英国人)。


たしか君の母方の

お祖父様ってのはあれだろう、

暴発の可能性のある散弾銃を

義理の息子の目の前でぶっ放したり

(詳しくは過去の記事 をご覧ください)、

娘の目を盗んで最愛の孫に

悪い言葉を教えて喜んでいたり

(詳細はこちらの記事 をご確認ください)、

あの素敵なご老人のことだろう?


・・・むしろ私にとっては

褒め言葉じゃないのか、それは・・・?


「まあまずは君の主張を聞こう」

と傾聴の姿勢を取った私に対し夫は

「僕の父がいつも言っていたんです。

母方の祖父は新しいパンを買うと

それを戸棚にしまいこみ、

そしてその同じ戸棚から、

いつ買ったのかわからない、

もうカスカスのポロポロになった

カビが生えていないのが奇跡!

のようなパンを取り出し、

それを食卓に出したものだ、と」


そのパサパサ古パンを

若かりし日のわが義父が

必死の思いで食べ終える頃には、

件の『新しいパン』も

すでに『古パン』になっており、

するとわが夫のお祖父様は

再び村で新しいパンを買ってきて、

それを戸棚にしまうと

時間をかけて古パン化した

元・新しいパン』を

テーブルクロスの上にのせたそうな・・・


いい話じゃないか」

「どうして!新しいパンが

可哀想だとは思わないの!」


「お前なあ・・・食べ物は大事にしろって

君だって子供の頃から言われて

育ってきたのだとばかり思っていたのだが」

「それとこれとは話が別です!

それに食べ物を大事にしろというのなら

その新鮮さだって

重視して欲しいじゃないですか!」


まあ夫や義父の気持ちもわかるんですけどね。


「君のお祖父様は戦中派だろう?

そういう人は食べ物の備蓄がないと

不安になるんだよ。

今は亡き私の祖母もそんな感じだったよ。

この飽食の時代に

むしろ崇拝すべき姿勢だな、それは。

やはりパンは古いものから食べるべきだな!」


「君のその、すべての高齢者を免罪する

心の無駄な広さって何なんでしょうね?」


ほら、アタイ、三文安いし。


というわけで皆様、

食べ物は大事にしましょう。

たとえ多少古くても。



夫も基本的には

目の前にかびたパンがあっても

「トースターで焼けば殺菌されます、

パンを捨てちゃうなんて勿体無い!」

という人間ではあるのですが、

焼きたてパンを見ると

どうしても贔屓をせずには

いられないらしいです


まあ私も

炊き立ての白米を目の前にしたら

理性が飛ぶからなあ


食べ物は人を狂わせますね

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