ところでわが妹は

子供を生んでからというもの

脳内にもうものすごい

母親汁的なものが

分泌しまくっているらしく。


去年私には

二人目の甥が出来なのですが

(弟夫婦のところにめでたく誕生)、

その甥二号と

先日対面を果たしたところ

甥の母親であるわが義妹が

「お義姉さん、抱っこしてみますか?」


「え、いいの?ありがとう!」

「あ、でもこの子、

今おっぱいを飲んだばかりなので

もしかしたら

吐いちゃうかもしれないです。

もう少し後に抱っこしますか?」

「・・・そ、そうだね!

じゃあもう少し後で!」


思わず手を引っ込めた私を見て

近くにいたわが妹ったら間髪いれず

「お姉ちゃん、何を嫌がっているの!

その子が何を吐こうと汚くないよ

元々は義妹ちゃんのおっぱいじゃない!

そういうの、義妹ちゃんに失礼だよ!」


・・・私のような凡人には

お前の悟りの境地はまだまだ遠いんだよっ!


まあでも私は妹を見ていると

世の母親たるもの

このくらい赤子を大事にするのが

正解だよな、と。はい。


というわけでその妹の息子の話。

私にとっての甥一号。


食べ物によるご機嫌とりは

それなりにうまく作用はしたのですが

それでもなお奴めは私の顔を見ると

「コワイー」

とか言ってどこかに逃げるのです。


そんなある日、

甥が眠くて愚図り始めたので

妹が家に帰ろうとし

まずはわれらが祖父にご挨拶。


「はーい、おじいちゃまに

さようならのチューをしましょうねー」


甥よ・・・


祖父の額に口付けることに

問題はないとしてだ、

行きがけの駄賃とばかりに

祖父の頭をこれでもかと叩くのは

それは私はどうかと思うぞ。


でもお祖父様が楽しそうだから

これはこれでいいか・・・


口をつぐむ私にふと目を向けた妹は、

ここで何を思ったのか

「はーい、じゃあ次はNorizoおばちゃんにも

また明日のチューをしましょうねー」


・・・えっ!


いいよ!悪いから!


というか、ここで泣かれると困るから!


しかし甥は眠気で

判断力が鈍っていたのでしょう、

妹の促すままに私の頬に顔を寄せ・・・


寄せ・・・


・・・


妹よ・・・


なんか君の息子さんのキスって、

ものすごくヌルヌルします・・・


ですが皆様ご推察のように

ここで私が頬を拭ったら

私は末代まで妹に呪われるわけですよ!


「わっ・・・わあー!嬉しいなあー!

チューしてくれてどうもありがとうー!」

「ほおーらNorizoおばちゃん

すごく喜んでますよー、よかったですねー!」

「でもどうして君のチューは

こんなに粘着質なんだろうねー!

君ってもしかして

トロロイモで出来ているのかなー!」

「・・・」

「悪い冗談でした、

すみません、何でもありません、

その羅刹の表情は止めてください」


それにしてもあのヌルヌル汁の

正体は何だったのでしょう。


常識的に考えれば

ヨダレと涙と鼻水だとは思うのですが、

そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ

もっと恐ろしいものの

片鱗だった気がして仕方がないのです・・・!



ちなみにわが甥一号の

「チョーダイ」「ありがと」は

なんというかもう

超弩級に可愛いんだぜ


どうしてあんな恐ろしい妹から

こんな素敵な生き物が

生まれてきたのかしら、と


これが生命の神秘というやつですね


あれ?これ、妹への暴言か?


いや、でもあいつは今

母親汁でおかしなことになっているから

きっと笑顔で流してくれるな!

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