わがフラットの真下の部屋に

メタル系のカップルが住んでいることは

すでにこちらでもたびたび 書いておりますが、

このたびアパートの他の住人達に

聞き取り調査をしたところ、

メタル君、近隣住民の間で大人気。


「というかさ、あの子達、

第一印象が奇抜すぎるから

こっちもうっかり構えちゃうけど、

普通に接するぶんには

今時珍しい常識的ないい子達じゃない?」

「わかるわ!

ギターの練習の音なんかが時々気になるけど、

言えば音を下げてくれるし」

「友達も皆すごい髪型ですごい服装だけど

廊下ですれ違うとちゃんと挨拶をしてくるわよね」

「あ、あのモヒカン君でしょ?

見慣れたらあの髪の毛も可愛いわよね、

現代に蘇ったトリケラトプスみたいな感じで」


そうなんですよ、私も先日

自転車で買い物に出かけた帰りに

アパートの前で

長髪メタル君とすれ違ったんですけど、

彼ったらわざわざ私のために

入り口のところまで戻って

ドアを開けてくれてですね。


「あら、どうもありがとう!

お手数おかけしてすみません!」

と恐縮してお礼を述べたら

「いえいえ、僕も自転車野郎なんです。

だから自転車を抱えているときに

ドアを開ける大変さはよくわかっているんです。

どうかお気になさらないでください!」


・・・いい子じゃない!ねえ!


「あとほら、アパートのゴミ出しについても

あの子達ったらすごく真面目じゃない?」

「ああ、真面目真面目!

皆あの『お知らせ』を読んだのね!」


『お知らせ』というのはですね。


どうも最近、自分の家のゴミを

他の人のゴミ箱に突っ込んで

(ゴミ出し用の大きなゴミ箱は

それぞれの部屋ごとに屋外にあるんです)

そ知らぬ顔をしている不埒者

わがアパート内には

存在するみたいなんですよ。


私なんかは

自分の部屋の番号の書かれたゴミ箱に

他の人のゴミが投げ込まれていても

舌打ちの一つもして

黙ってそのまま自分のゴミと一緒に

ゴミの日に出してしまうのですが。


最近その不埒者が

メタル君の部屋番号が書かれたゴミ箱に

自分のゴミを入れたらしいんですね。


その翌日、アパートの正面玄関に

『お知らせ』と書かれた紙が貼られていまして。


「他人のゴミ箱でゴミ出しをしている方へ。

貴方が馬鹿なのか怠惰なのかは知りませんが

正しいゴミ出しは市民の義務です。

昨日、我々の部屋番号の書かれているゴミ箱に

我々のものではないゴミが突っ込まれていました。

それもものすごい量が。

あれでは私たちが自分のゴミを出せません。

仕方ないので貴方のゴミは

ゴミ箱置き場の前の

芝生の上に投げ出しておきました。

ちゃんとご自分で始末なさってください。

なお、再びこのようなことが起こった場合、

私たちはアパートの管理会社に連絡をし

監視カメラを設置してもらえるよう頼みます」


良識ある市民の矜持を保ちつつ

ゴミを芝生の上に投げ出すところが

パンキッシュでとてもいいですよね!


「ねえ、今度こうやって皆で集まるときは

忘れずにメタル君たちにも声をかけましょうよ」

「そうね!それはいいわね!」


そう盛り上がったところで

黙っていればいいのにわが夫(英国人)が

「でも、僕らは彼らと飲んで

それはそれで楽しいかもしれないけど、

彼らにしたらこんな年上連中と飲んで

面白いことなんてあるのかな?

彼らから見たら僕達って相当年寄りだと思うよ?」


夫よ・・・


とりあえずメタル・カップルに

クリスマスカードは出しておきました。



皆様、年賀状の準備はお済みですか?

わ、私はまだです!

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