この週末の冷え込みは

それはそれはたいしたものでした。


夜にちょっと外を歩いたんですけど、

5分で全身を震えが襲いましたよ!

寒すぎる!何なのこれは!


というわけで、睡眠時に私は

湯たんぽが手放せなかったわけです。

この場合の湯たんぽとは

夫(英国人)のことを意味します。


まあ夫を湯たんぽ扱いしているのは

いつものことなんですが、

普段は夫の腹部に私の片足を乗せておけば

一晩じゅうぶん暖が取れるのに

今週末はそれでは足りませんでした。


「夫よ、ちょっとだね、足を、

こう・・・もう少しこちらに寄せなさい」

「・・・君の足は

どうして氷みたいに冷たいんですか!」

「知りませんよ!まあいいから

素直に足をこっちに近づけなさい」

「た、体温が・・・

僕の体温が奪われていくー!


それでも生粋の英国紳士である夫は

寛大にも私に片足を預けてくれてですね、

おかげさまで私は熟睡できたのですが。


翌朝。


「ねえ、妻・・・僕は君に必要とされることに

基本的には心の底から喜びを感じるんですけど、

それこそが愛だとは信じているんですけど、

でも昨夜はその愛のせいで死に掛けました


「何だ、私はそんなに冷たかったか」

「いえ、そうではなく・・・ただですね、

昨日、深夜2時ごろに

僕はトイレに行きたくなったんですよ」

「ほほう」

「それでベッドを出ようとしたら、

何かが僕の片足を締め上げていたんです」

「・・・なるほど」

「僕の脚に君の脚がこう、

植物のツルのように絡んでいてですね


食虫植物もかくやの強さで

私の両脚は貪欲に

夫の左足を締め付けていたのだそうです。


「それはそれで微笑ましい経験でしたよ!

自分の妻が眠っているときでさえ

こんなに情熱的に

僕を抱き締めてくれるなんてね!」

「・・・うむ」

「でも僕はトイレに行きたいわけじゃないですか。

それと同時に、君の安眠を

妨げたくはないわけじゃないですか。

僕の葛藤を想像してみてください」

「うん・・・どうもありがとう」

「まあ、静かなる格闘の末、僕は何とか

君のレッグ・ホールドからは抜け出したんですよ」


しかし悲劇はその後起こったのだそうです。


「やっとの思いで起き上がったらですね・・・

僕、片足の感覚が

すっかりなくなっていてですね・・・」


トイレまでの旅路は

果てしなく遠かったそうです。



とりあえず、寒さは愛を深めますよね

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