些細なネタに延々とこだわるところが

わがブログの長所でもあり

短所でもある気がする今日この頃、

結婚指輪の話を続けましょう。


と、いうわけで、この夏指輪を失くし

(詳細は先日の記事 をご参照ください)

暗く落ち込んでいたときのこと。


いつものように東京の実家に電話をし

祖父(95歳)と世間話などしまして、

しかし流石の私も

わが心より愛する後期高齢者

「実は結婚指輪を失くしまして、てへっ!」

とはなかなか言えず、

仕方ないので祖父の後に電話に出た

母に仔細を申し伝えてみましたら。


「あら・・・それは悲しいわね・・・

でもね、大丈夫よ、お母さんも

結婚指輪をいつの間にか失くしているけど

でも夫婦仲はそれなりに円満だから!」


母よ・・・

『いつの間にか』ってのは

どういうことよ・・・


「それがねえ、気がついたら

なくなっていたのよね・・・

もらった覚えは確かにあるんだけど・・・」


しかしこのような母も

指輪の紛失に気がついたときは

それなりに良心の呵責を感じたらしく

あわてて父のところに行き

「貴方、たいへん、私、

結婚指輪を失くしちゃったみたい!」


それに対して父は小首を傾げ

「結婚指輪・・・?僕は

そんなものを君にあげていたっけ・・・?」


もう駄目だ、うちの両親は!

模範にならん!


というわけで夫(英国人)の両親の

結婚指輪にまつわる逸話を聞きましたら。


「僕の母の結婚指輪はすごいですよ!

なんでも父はロンドンの専門店で

純度の高い金を買い求めてですね、

で、結婚式の前の晩に自分で

それを指輪に仕立てたらしいです!」


「・・・夫よ、わが義父に彫金の技術が

あったとは知らなかったんだが

・・・いつそんなものを勉強なさったのだ?」

「いやいや、父は彫金に関しては

まったくの素人ですよ!

でも素人なりに金がちゃんと

指輪の形になったっていうんだから

僕の父も運がいい男ですよね!」


義父がどのような手法で

指輪を作ったのかは永遠の謎らしいです。


まあ義父が何故そこまで

手作りの指輪にこだわったのかというと

「やはりあれか、愛か」

「愛もあるでしょうけど、なんでも父は

宝石屋で売られている金の純度と値段

納得がいかなかったらしいですよ」

「ああ・・・そうですか・・・」

「だからロンドンの専門店で

きわめて純度の高い金の塊を

頑張って購入したのだそうです」


しかしそうした純度の高さが災いしたのか

それともやはり素人に彫金は無理だったのか

「ただ、その指輪・・・

月日が経つと同時に装着が

非常に困難になってしまったらしくてですね

・・・数年後にはたいへん、このままだと

薬指がもげ落ちちゃう!みたいな

悲惨な状況に母は直面したらしいです」


そのようなわけで義母は

義父と話し合った上で

その金の指輪を

宝石箱の中にしまうことにしまして。

現在は左手薬指に

『二つ目の結婚指輪』をつけているそうです。


「まあ・・・それはそれで、

心温まるいいお話だよ、な!」

「そうですよね。

なおこれは余談になるんですけど、

その二つ目の結婚指輪は、

母が自腹で購入しているんですよね」

「・・・それは、いいのか?」

「いいんじゃないですか?なんでも

値段も20ポンド

(約3千円)しなかったらしいですし」


そりゃ愛と値段は別問題ですけどさ。


しかし何でしょう、

夫の両親の話は確かにいい話です、

しかしこれにあやかりたいか、

と聞かれたら・・・


夫婦円満の秘訣って何なんでしょうね・・・


ちなみにわが父も夫の父も

結婚指輪は最初から持っていないそうです

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