英国議員の皆様が

どう考えても不適切に

経費を乱用していらした問題。


『デイリー・テレグラフ』は

なおも連日スクープを連発。


よくもまあ

あの議員もこの議員も

こんなに恥知らずな

かつ馬鹿馬鹿しい経費申請を

堂々としていたものだぜ、

と一読者として思いつつ

(私が最近一番笑ったのは

保守党の議員が経費として計上した

ペットのアヒルのために

自宅の池に設置した『浮き島』代

1600ポンド、日本円にして約25万円、

ちなみに肝心のアヒルは

この『島』を嫌い、結局そこで

羽を休めることはなかったそうな・・・

値段もすごいがセンスもすごい、

悪趣味の代名詞のような

その『島』の写真はこちら に)。


あの・・・そろそろこの騒ぎに

飽きてきたのは私だけでしょうか・・・


「飽きてきたというのは

不謹慎な言い方かもしれないけどさ、

これ、この一連の騒動に

英国国民の皆様は

どうオチをつけるつもりなの?

議員の名誉は

すでに地に落ちたわけですが、

何をもって問題の解決にするか、

その判断が難しいと思うんですけど」

と英国人である夫に尋ねましたら

「うん、僕の個人的な意見としてはね、

まず街灯を準備します


「・・・街灯?」

「そう、道の脇にある、あれです。

わかります?」

「わかります」

「それに丈夫な縄をかけます」

「はあ」

「で、その縄に議員の首を引っ掛けて

街灯からぶら下げます」

「・・・おい」

「問題は、不祥事を起こした

議員の数に足りるだけの街灯が

我が国にあるかどうかですね」


わが夫の

こういうユーモアのセンスってどうですか。


「それは・・・

それは問題の解決になるのか?」

「駄目ですかね」

「駄目ですかねって君、

議員をぶら下げるのはまあいいとしてだ、

そのあと善良なる市民は

いったいどんな行動を取ればいいのだ」

「ぶら下がっている議員の体に

卵とかを投げつければいいんですよ」

「・・・お前・・・」

「もちろん古い卵を、ですよ。

あとは腐ったトマトとかでもいいですね!」


・・・ごめんよ、夫・・・

私はなんだか君が怖くなってきた・・・


「まあ待て。待て待て。

君はあれだよな、それは皮肉だよな、

義憤のあまりちょっとジョークが

シビアになりすぎているだけだよな」

「ジョーク?僕が冗談を言っているとでも?

「冗談じゃなきゃ笑えないだろ!」

「僕が冗談を言っていると

君が思いたいなら別にそれでいいですけど」


夫よ、君に何があったんだ。


「いや。冗談のはずだ。

何故なら君の提案には根本的な欠陥がある。

街灯から議員をぶら下げたら

議員は数分以内に絶命するはず。

その後も街灯にぶら下がり続ける議員の体に

どれだけ卵をぶつけても、

そんな行為に生産的な意味はない。

理性的かつ合理的な行為にこそ

意義を見出す英国人である君が

そのような無意味な行動を

好んで起こすとは思えない。

この計画の甘さこそ

君の発言が単なるジョークである

証拠だと思うのだが、どうか」

「・・・なるほど、そうですね、

遺体に卵を投げつけても意味はないですね」

「だろ?」

議員を絶命に至らせるまでに

どれだけ時間を長引かせられるか、

どれだけ明晰な意識を維持させるか、

そこのところを今後の検討課題としましょう」


信じられるかい皆、

こいつ、これでも

基本は死刑反対論者なんだぜ・・・!


しかしこれだけ素直に怒っている

夫を眺めておりますと

『議員と不祥事はワンセット』

『政治家に品性は求めるだけ無駄』

とか勝手に達観したつもりになっている私は

政治不信の時代の子なんだなあ、と。

そうですよね、熱くならなきゃ

政治家の不正に対しては怒りを抱かなきゃ、

それは己と国家に対して失礼ですよね!


・・・まあ私は今後とも怒るより先に

茶化すほうに全力を注ぐ予感ではありますが。


ところでこの乱脈経費申請の話、

私は記事を読んでいて時折

ちょっと自分の感覚が

疑わしくなることがございまして。


いえね、

邸宅の周囲に植えた木215本の代金

1800ポンドを必要経費として計上した挙句

「何が問題なんですか!これは

議員としてのプライバシーとセキュリティーを

考慮したら絶対に必要な処置でしたから!」

とか居直っている

議員さんなんかには(詳細はこちら

私もこれっぽっちも同情心を抱かないのですが

(彼はたぶん今度の選挙で負けるでしょう、

このカシオミニを賭けてもいい)

時々、時々ですね、

それは・・・経費として

認めてあげちゃ駄目・・・かな・・・?

とか思ってしまう事例もございまして。


『クリスマスカード代

4000通で750ポンド』とか(詳細はこちら )。


いや、たとえばですね、

私の夫が議員だったりして

「ねえねえ、今年は僕、支持者の皆さんに

カードを4千枚送る予定だから

そのお金、家計から出してくれる?」

とか言ってきたら、私は絶対

「ふざけんな、それはどう考えても経費だろ!

750ポンドでビールが何杯飲めると思う!

とか言い返すと思うんですよ。


あれか・・・私は下手をすると

夫の手で街灯に吊るされてしまうのか・・・

いや、むしろ自分の吝嗇のあまり

夫を結果的に街灯に吊るしてしまうのか・・・


政治とお金の関係に

もっと敏感な自分になりたいと

私は心から願うのでした。



クリスマスカード代は

政治家や政党が

献金によって得た資金などから

支出すれば問題はないらしいです


「己の人気取りの手段にかかった金を

納税者に支払わせるとはいい度胸だ」

というのが怒りのポイントなわけです


とりあえず

夫が議員になりたいとか言い出したら

私は絶対に秘書にはなるまい、と

力強く足を引っ張る自信があるね!うん!


・・・私はお金に汚いのか・・・?

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